表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/33

イラッとポイント貯まる(22)

 2回目の辞めます事件の後は、ヘルパーRが少し変わった。言い訳が随分減った。何なら、言い訳しなくても済むように、完璧を目指しているかのように丁寧な仕事をすることが多くなった。だから、私や夫が、彼女の仕事に対して注意することは大分減った。とはいえ、彼女の仕事ぶりも良くなったかもしれないけれど、私がぐっと喉元で止めているから言わずに済んでいることだって多いのだ。

 ヘルパーRは、よく鼻歌を歌う。歌を口ずさむって感じではなく、文字通り鼻でメロディを奏でているのだ。本人が機嫌よく鼻歌を歌うなんて悪いことじゃないのかもしれないが、本を読むとか集中したい時になかなかの音量で歌われると、イラッとポイントが貯まる。でも、我が家の家事をしてくれている間に、鼻歌を歌う自由くらい与えなくてどうする、私!と思ってぐっと堪える。

 また、犬を飼っているからというのもあって、よく掃除をしてくれる。だが、私がソファに座ってテレビを見ていても、1番強いモードで掃除機をかけまくる。なんなら掃除機やモップをかけるのに邪魔だから、私に足を上げろと言う。今、この瞬間にその掃除機しないとだめなのか?私だってずっとソファに座りっぱなしでいるわけじゃない。私が移動した時にささっとできないのか?といつも思う。大袈裟じゃなく本当に「いつも」なのだ。なんなら「いつも」で「わざと」そのタイミングでやってるとしか思えないのだ。冷静に考えて、ヘルパーが雇い主が見ているテレビの画面を遮り大音量で掃除機をかけるとか、足を上げさせて掃除を続行するとかアリエナイと思う。でも、私がちょっと数分我慢すればいいこと、足をちょっとあげれば済むこと、と自分に言い聞かせてぐっと堪える。そしてまたイラッとポイントが溜まっていく。この前、大事な電話をしているのに、大音量で掃除機が始まった。私が電話をしているのを横で見ていたのに、だ。完全に私を舐めている。もしこれが夫なら絶対にしないだろう。夫なら静かにガツンというタイプだから。とにかく電話の音が全く聞こえないから、その時はすぐに止めさせたが、その様子が「Ahhiii !電話してるなんて知りませんでしたー!」みたいな大袈裟な言い方で、ものすごくイラッとした。でも、そこで言えて少しスッキリした自分がいた。言いたいことを我慢するってことが、これほどストレスになってたんだなーとそこで気がついた。


 ある日、外出先でふと気がつくと、いつも送られてくる散歩の様子の写真や動画が送られてこなかった。私が頼んだわけではなく、彼女自らが「ちゃんとサボらずに散歩している証拠!」とばかりに送ってくるもの。でもその日送られてこない。途中で『今日散歩に行ってくれたよね?』とメッセージを入れると、『Ahhiii! Ma'am が一緒に行くと思って、待ってました!すぐ行きます』と返ってきた。そんな勘違いをさせるようなこと全く言った覚えはないのだが、私が自宅にいる日の夕方の散歩は、私が車で公園まで連れてくので、その日もそうだと思っていたのだろう。私の言い方が通じなかかったのかも?と思い『お願いね』と絵文字もつけて送った。夕方帰宅すると、シャワーの音がする。今までかつてこんな時間に彼女がシャワーを浴びたことなど無い。なぜなら、夕方はヘルパーは食事の支度などで忙しいからそんな時間が無いのもあるが、我が家の場合、夕方〜夜にかけては、時間は決まってないが私がシャワーを使う時間だったりする。雇い主が使うような時間にヘルパーがシャワーを使うなんてこと、どこの家でもアリエナイことなのに、だ。

 シャワーを終えると、どっちが家主?と言うような態度でリビングに出てきたヘルパーR。この態度から見て、思いかけず車ではなく歩いて公園に散歩に行かなくてはならなくなったことが気に入らないのだろうと言うことをすぐに察した。でも、私は何も言わなかった。静かに静かに怒りに耐えていた。何にも動じてない、という態度で。とにかく落ち着こう。シャワーを浴びようと思い、シャワールームに向かった。ヘルパーRが使ったすぐ後で、湿度でモワッとしていて、なんで私がヘルパーの後にシャワーしないといけないんだ!とまたしてもイライラポイントをゲットしてしまった。そして、ふと見ると、シャワースペースの所々に、ヘルパーRのうねうねとした天然パーマの髪の毛がへばりついていた。ギャーーーー!こんなのホラーだ!という気持ち悪さ。イライラポイントは一気にマックスに達した。私は一瞬にしてシャワーを浴びる気が失せた。夫に何時に帰るかメッセージすると30分もかからずに帰るようだったので、彼を待ち、シャワールーム見るように言った。夫はそのまま自分がシャワーを使ったようだ。しばらくしてリビングに来て、敢えて口頭ではなく家族のグループチャットで『今日バスルームを使ったら、髪の毛がたくさん落ちていた。これは妻のではない。今日は僕が掃除しておいた。今後シャワーを浴びた後に、きちんと掃除するように』と伝えた。すぐ返事が帰ってきて、大慌てで謝ってきたヘルパーR。掃除のプロであるはずのヘルパーが、シャワールームを汚したままなんていうのは、うっかり!じゃないのは明らか。私への嫌がらのつもりだったかもしれないのに、まさか今日に限って私ではなく夫が先にシャワーを使うなんて思ってもみなかったのだろう。そして、こう言うのは、異性から指摘された方が恥ずかしいことのような気がするし、まして彼女の書類上の本当の雇い主である夫に言われたのであれば従わざるを得ない。スカッとするってこういうことだ!


だが私は、夫のおかげで多少救われたがイライラマックスなのは変わらず。。。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ