表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RealSocialGame  作者: 無月公主


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
84/164

【衝撃】

また少しだけ時が過ぎた。


廊下を歩いているとメッツさんに出会った。

「あ。」と声を出してしまった。

メッツさんは俺を見て首を傾げる。

「どうかしましたか?」

「いえ、ラスカンアリーナで何度か見かけて…。」

「…あぁ。咲さんのマスター。」

「は、はい。うわっ!!」


急にビュウウウゥゥっと吹雪が吹き荒れた。


「ん?これは…ルナの。」とメッツさん。

「ルナさん?何かあったんですかね。」

「何かあったと思う。前はShiftさんが…はじめてペナルティ送りになった時だったかな。」

リオさんと喧嘩でもしたのかな?

「行こう。」とメッツさんに言われて頷いた。


ルナさんの部屋の前には他の幹部の方も集まっていた。

「どうしたんですか?」と近くにいたスノーポークさんに声をかけてみた。


「リオの野郎が…な。強制ログアウトをくらったんだ。」

「強制ログアウトでこんなに荒れてるんですか?」

「あぁ。ただの強制ログアウトじゃない。恐らく、ヌコアに囚われた可能性が高い。」

「そんな…。」


凄い吹雪の中、なんとか部屋を覗くと必死にシンカさんとシンと千翠さんがルナさんの暴走を押さえつけていた。

押さえつけてこれなのかというほど吹雪いている。


「リオォォォォォォォォ!!!リオッ!!リオォォォォォォォォ!!!!」


「でもどうして…そこまで分かったんですか?」

「ルナはリオに監視をつけてたんだ。けど、ソイツは気絶して、リオが住んでるアパートのドアは開きっぱなし、オマケにリオはいない。報告した直後こうなったそうだ。」

「…ルナさん。」

「これはしばらく吹雪ますね。」とメッツさん。

「あぁ、タクミの時の同じだ。」


ルナさん、やっとオープンに付き合えて落ち着いてたのに…。

リオさんも幸せそうにしてたのにな。


ルナさんの吹雪はゲーム内時間でも一か月ほどは続いた。


吹雪が止んだ頃…ルナさんは…廃人と化していた。

目に生気がない。ボーっとしているような感じで車椅子に乗って運ばれて晩餐に出席している。

シンカさんが懸命に世話をしているようだった。

ゲームの中なのに、車椅子って…。

本当に魂が器に入っていないように感じた。


もうすぐヴァルプルギスなのに…一番の切り札がこれじゃまずいな。

それにリオさんまで失って…。

正直、みんなが不安だった。


ルナさん無しでヴァルプルギスを勝ち抜けるのか…そんな話題ばかりが弾んでいた。


咲はルナさんの件に関して、無反応というか…無関心というか…。

リオさんから聞いてたヌコアさんって凄く良い人だったのに…どうして…リオさんもヌコアさんの誘いを断ればいいだけの話じゃないのか?

リオさんにとって…ルナさんとヌコアさんどっちが大切なんだろうか。

色々考えさせられるな…。

俺は隣の空席を見つめた。


そういえば…あの時わちゃわちゃしていて、メッツさんの事すっかり忘れてた。

機会があれば俺も対戦してもらおうと思ってたのにな。


ヴァルプルギスまで後2ヶ月。


加入した新人もだいぶ育ってきて、スパイ排除も進んだ。

今のミルフィオレは総勢5231人。

他のギルドは1万人を超えてるとこもある。

勝てるのか?…ルナさんが正常であったなら一人で全てを焼き尽くしてくれたんだろうけど、今はそれも見込めない。

俺が…俺しかいない気がする。

俺が強くならないと…。


「その顔は何か…思い詰めているような顔ですね。」

「え?」

声がして顔を上げると千翠さんだった。

辺りを見渡すと、晩餐は終わっていて俺と千翠さんの二人きりだった。

「えーっと…まぁ。はい。ヴァルプルギスの事を考えていました。」

「勝ち残れるか不安…ですか?」

「はい、でも勝たないと…俺は自由に動けません。」

「そうだな。…ですが、これだけは断言できます。りきがいてもいなくても…結果は同じなんです。」

「…はい?」

「今まで、我々はりき無しで動いてきました。そしてそれで勝っている。」

「でも、それはルナさんと…リオさんも…いたからですよね?」

「ルナもリオも…そしてりきも大事なパーツです。しかし、全てを背負わせるわけにはいかないのです。りき、もし他人が…自分の大事な人が自分と同じ立場にたっていたらどうされますか?背負わせますか?」

「背負わせない…ですね。」

「そういう事です。ですから、何事も楽しんでください。」と千翠さんはお決まりのスマイルを浮かべてくれた。

「……はい。」


千翠さんの言葉で…なんだか少し楽になったような気がする。

不思議だな…、俺が必要……だけど、俺が苦しんでまでやる必要は…ない…か。


うん、気楽にいこう。


大広間の扉がバンっと勢いよく開かれて、扉の方に目をやるとメッツさんが入ってきた。

「メッツさん!?どうしたんですか?」

「どうやって、あのAIを作った?」とメッツさんは俺と鼻がくっつきそうなくらい距離をつめて聞いてきた。

「えー…っと。」

「大いなる目的の為の企業秘密です。」と千翠さんはニッコリ笑う。

「やっぱそーだよなぁ。あんな化け物作れねーもんなぁ。」

化け物って…。まぁ、化け物染みたプレイヤースキルしてるけど。

「なぁ、てことは、噂で一応聞いてるけどりきも強いんだろ?」

「えーっと…まぁ…その…。」

「俺と戦ってみようぜ。」

「え!?…えっと、いつですか?」

「今から!」

「りき、気晴らしに戦ってくると良いでしょう。私も業務に戻ります。」と千翠さんは少し距離をとってからゲートを開いてどこかへ行ってしまった。


俺とメッツさんは練習場へ移動した。


「AIは無しな。武器はなんでもあり!」

「わかりました。」


バトルが開始されて、俺はお決まりのマグマプールをハナビに詠唱させる。

突然俺は吹き飛んだ。

何かしらの攻撃をウォールが咄嗟に俺の前にでて、かばってくれたようだったけど、ウォールごと吹き飛ばされたようだ。

「な、なんだ?」

周囲を見渡すが、メッツさんの姿が見えない。ゴクリと生唾を飲んだ瞬間背後からまた何かしらの攻撃をされてウォールが反応して庇ってくれるが吹き飛ばされた。

音だ。音で反応しないと…

ヒュッとなったら適当に避けるが精いっぱいだ。

ドゴンッと練習場の壁が大きくひび割れクレーターができる。しかし、それは数秒で修復される。

咲と互角…もしくはそれくらい強い場合…スピードが尋常じゃないって事…だよな。

現に今…メッツさんの姿を目視する事ができない。

ハクに物理攻撃をお願いしてみると傷はつくようで、地面に出血の跡が残る。

出血のおかげでだいたいの位置は把握できる…と思ったが、移動速度があまりにも早くて、あまり意味をなさない。

音にも気を使っていないと気を抜いたらやられてしまう。

考えてる隙に攻撃が飛んできて、ウォールごと吹き飛ばされた。

壁への衝突ダメージでじわじわと体力が削れていく。

「へぇ…これが噂の見えない壁か。」

ウォールが腕でメッツさんの細い短剣を受けて止めていた。

まるで俺の首を裂こうかとしているようだった。

目もわりとマジだし。

メッツさんは俺から距離をとると同時に姿を消してしまった。

動きが…はやい!!

あまりそっちにばかりに気をかけてられない、小人達に魔力を供給しないと…


フゥに竜巻のバリアを作ってもらい、その中から小人達に魔力供給をする。


しかし、衝撃波のようなもので竜巻が消し去られてしまった。

俺は唖然とした。

メッツさんの武器は右手は籠手、左手は極細の短剣。

とんでもない衝撃波と威力が出る攻撃は右手の籠手かな。


再びおれは吹き飛ばされた。空中でチラっとハナビを見ると詠唱が丁度終わって、マグマプールを発動させて試合が終わった。

メッツさんはマグマに飲み込まれて、体力を削られて終わった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ