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RealSocialGame  作者: 無月公主


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【リオの決断。】

千翠さんは土下座した。

「すまな…かった。」


「は?なんだってー?きっこえませーん!」とポポさん。

そして土下座する千翠さんを笑いものにするグループ。ただ一人…リオさんを除いて。

「貴様らっ!!」ダリアさんがもの凄い殺気を放つ。


突然ゲートが開いてルナさんが現れた。

「リオ!!」

ルナさんの呼びかけにリオさんが前に出た。

「ルナ…。」

「行かないで!!お願い…お願い…リオ…。」

「リオ、行きましょう。」とヌコアさんはリオさんの腕に絡まり、ひっぱる。

リオさんはじっとルナさんを見つめていて、動こうとしない。


「ルナ…………俺は……。」

「リオ…。」

ザクっとリオさんの足が一歩前へ出た。

「…………。」

「…リオ?」と土下座したままだった千翠さんが顔をあげて立ち上がった。

「すみません、千翠さん……。」とリオさん。


「リオさん!?どういう事っすか?」とナムルさん。

「すまない…………俺は…。」とリオさんは俯く。

「…………リオ…。」とルナさんは祈るのように手を組んで目を瞑った。その時、一筋の涙が流れた。


リオさんは素早くルナさんのところへ近寄って、ルナさんをぎゅっと抱きしめた。

「………残るよ。」


「リオ…。」とヌコアさん。

「リオさん!?」と脱退したグループが驚く。


「リオ…でも…ほんとにいいの?」とルナさんが顔をあげてリオさんを見つめた。

「いいさ…。もう一度招待をもらってもいいか?」

「…そんなのっ……いくらでもっ!!」とルナさんはホログラム画面を操作する。

すると【リオ様がギルドに加入しました。】と小さいホログラムが一瞬出た。


「リオ…お前…。」とダリアさん。

千翠さんは立ち上がった。

「すみません、千翠さん…。」

「この借りは後でキッチリ返してもらいますよ。」

「はい。」


「どういう事っすか…リオさん…。」

「俺達はリオさんの戦力込みで考えて脱退したんすよ!!」


「すまない…。俺はゲームとはいえ、大切な人を泣かせたくない。」


突然ゲートがたくさん開いてザザっと音を立てて全身黒のミルフィオレの隊服を着た人達が現れた。

「こ、これは…暗殺部隊!?」とナムルさん。

「おや。暗殺部隊をご存じでしたか。てっきり存在すら知らない地位に属している方だと思っておりました…。」と千翠さんがニッコリと微笑むと暗殺部隊は脱退チームにバトルを申し込んで次々とペナルティ送りにしてしまった。


とても残虐的なものに見えた。暗殺部隊って…そんなものまであったのか…。

通報されたらアカウント停止になったりするのに…あんな事。


千翠さんとダリアさんとルナさんとリオさんはゲートを開いてギルドハウスに帰っていった。


俺もそのゲートに入った。ゲートの先は会議室だった。4人が会議室に入っていき、俺も入ろうとすると、腕を掴まれてドキっとした。


バタンと会議室の扉がしまった。


バっと振り向くと驚くほど怖い顔をしたシンカさんだった。

どうして…今は完全に見えないはず…。


「………どこでこんなものを手にいれたんですか?」

「………それは…言えません。俺が…俺だけが負うべきものなんです。」

「詮索はしません。けど、ルナのプライバシーをこれ以上覗かないように。でないと…りきさんに暗殺部隊を使わないといけなくなってしまうので。」とシンカさんの声が低く冷ややかで変な汗がでて、俺は生唾を飲んだ。

「わかりました。」


腕をパッと離してもらえて、俺は装備を外した。

「あの…すみませんでした。」


俺は逃げるようにその場を離れた。

どうして見えたんだ…どうして…。


自室に入ると護が本を読んでいた。

「おかえりなさい。」

「護!ちょっと見ててくれ!」

俺はマントを装備した。

「見えるか?」

「いえ、見ません。ですが…見えます。」

「見えないけど見える?」

「はい、セーレにはIDで器を見る能力があります。指がどこにあるだとか細かいものは見えませんけど、ここにいるっていうのはわかりますよ。」

「やっぱりか・・・。」

「…察するに、シンカさんに見つかってしまった…という事ですか?」と護。

「あ、うん。ちょっと…色々なものを見てしまった罪悪感とか…見つかったショックとかいろいろあって…。」

「危険なものです。本当に必要な時にだけ使いましょう。」

「うん。」


晩餐の時間になって、いつも通り広間へ行った。

俺の隣にリオさんが座った。


「すまなかった。」

「え?」

「見てたんだろ?シンカから武器を通して覗かれいたと報告を受けた。」

「あ、はい。すみません。どこまでの範囲を見て回れるのか試していました。」

大嘘だ…。でも…あのマントの存在を隠すためには仕方のない事。シンカさんもそれを瞬時に判断して武器のせいに…。

「あの時…。」

「はい?」

「いや…俺がこっち側に戻るか迷っていたらヌコアが…そっと背中を押してくれたんだ。」

「え?ヌコアさんが?」

「あぁ…不思議な事にな。」

「良い人…だったんですね。リオさんにとって。」

「あぁ。大事な友達だ。これからも…。」

「そうですか。」


つい最近まで、おれは…新人で班の仲間と一緒だったのに…今は幹部…か。

やらなきゃ…俺は絶対にやり遂げないといけない。どれだけ汚れた手を使ってでも…。


晩餐が終わった後、自室に戻ると咲が床に倒れていた。

「咲!?どうしたの?」

「…強かった。」

「え?」

「めちゃくちゃ強い人にあたったの!」

「え?でも、咲が出てるラスカンアリーナって武器も能力値も固定だろ?」

「うん、だから…プレイヤースキルの申し子って感じした。」

「へぇ…どこの誰?」

「同じギルドの…ハート班の…メッツって子。」

「ハート班の人が?」

「私はそれに負けたの!!」

「え!?…咲が負けただって?」

「そう…負けた事なかったのに…。」

「咲が負けるなんて…びっくりした。」

「でも…一番楽しかった…また戦いたいくらいに…次は負けないもん。」

「戦ってる動画見てもいい?」

「うん。」


俺はホログラムを出して、その試合を見ることにした。

武器と能力値固定の完全プレイヤースキルの世界の戦い。

咲は順調に相手を倒していき、最後の一人…メッツさんとの一対一。

動きが速すぎて見づらい。

再生速度を落として見て見ると、確かに…咲よりも早く動けている気がする。

拳がぶつかり合うタイミングが一緒だ。

だいたいの人は剣や魔法を使うのに二人は何故か拳だ。


「これってなんで拳なんだ?」

「武器は折れたり、破損したりするからよ。拳はナックルっていって何回つかっても破損しないようになってるの。」

「へぇ…。そっか。相手もわかってるみたいだね。」

「えぇ…こんな凄い人がいたなんて…私も驚いた。」


ハート班の…メッツさんか。どんな人なんだろう。

見た目はエルフ少年型って感じするけど…。声も少年っぽい。

俺も会って話をしてみたいな。

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