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RealSocialGame  作者: 無月公主


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【クリュードの真の姿。】

ギルドハウスに戻って千翠さんに色々と報告し終わった後、風のBMからドロップした【風の意思】という名の手のひらにすっぽり収まる綺麗な石をジャンさんのところへ持って行ってみた。


すると「これは…武器に混ぜた方がいい。ですよ。ミーナのところへ持って行ってみろ。」と言われたので次に【サンフラワー】の町にゲートで移動してミーナさんのところへ行った。


「いらっしゃ・・・あら!!お久しぶりです!全然顔見せてくれないから少し寂しかったんですよ?」と満面の笑みで迎えてくれるミーナさん。

「すみません、あれから本当に色々あって、なかなかこれなくて。」

「いいですよ。ジャンから色々聞いてますから。で?どういう武器が欲しいんですか?お客様。」

「これなんですけど…。」と俺は【風の意思】を見せた。

「まぁまぁ。星5級の素材ですね。風系の武器はお持ちですか?」

俺はスマホを操作してタクトからヤツデを外して、ヤツデをインベントリから取り出して見せた。

「これしかないですね。」

「ヤツデですね。これならいつでも買えますから、混ぜてみますか?」

「あ、はい。お願いします。」

「では、10分ほどかかりますから、適当に店内でお寛ぎ下さい。」

ミーナさんは虹色に光る金槌を取り出してヤツデと【風の意思】をポン、ポンと叩いて、その後、俺達には見えないホログラム画面で何かをポチポチタップする。ミーナさんの目はとても真剣だ。


邪魔しないように店内を見て回る。

これが上手くいったら、他のドラゴンの素材も混ぜてもらおうかな。


10分後

「完成しました。」とミーナさんがヤツデを返してくれた。

【ヤツデ+1】

「+1?」

「りきさん、これは凄い発見ですよ。武器を作り替えてしまうのではなく、武器自体の攻撃力を追加で上げるアイテムです。千翠様に報告しておいた方が良いですよ。」

「え!?これそんな凄いアイテムなんですか?」

「凄いアイテムよ。こんなの今までなかったんだから。」

「とりあえず報告はします。えっと…できれば他にも混ぜてみたいものがあるんですが良いですか?」

「ええ!ええ!とても興味深いです!!いくらでも!!今日は泊まって行ってくださいな!」とミーナさん。

「りき、ミーナに甘えよ?報告書も随時書いて送った方が良いし。」

「えっと、よろしくお願いします。」

「そうこなくっちゃ!」


ミーナさんに新BM素材をたくさん渡して、言われた通りの属性武器を渡したりして、合間に報告書を千翠さんにメールしたりしていると、泊まるどころか朝になって…更に夜になって…不眠バフが溜まってしまった。

つまり【リアル】内でだけど、オールしてしまった。


「ミーナさんもゆっくり休んでください。ありがとうございました。」

「ハァハァ…貴重な…ハァ…体験を…させていただき…ました。」と目の下にクマがあるエモートが浮かんでいるミーナさん。

「ゆっくり休んでね。おやすみ。」と咲。

「護も、報告書作るの手伝ってくれてありがとな。」

「いえ。気にしないでください。早く戻って休息をとりましょう。」と護。

俺はギルドハウスにゲートを開こうとしたが開けなかった。

「え。権限がありませんってでた。」

「は?じゃあアトランティスに出せば?」

「うん。一応警戒しておいて。」


アトランティスへのゲートを開いて入ってみるといきなりバトル開始のカウントが表示された。

誰だ誰だと目を凝らしていると赤い目をして、白髪の男の人が見た事のある大剣を持って此方に襲い掛かってきた。背中には黒い…コウモリのような翼が生えていた。

俺に襲い掛かろうとする男を咲が馬鹿みたいな速さで殴りかかって吹き飛ばそうとするが大剣によって食い止められた。

「は?…どういう事?」と咲。

咲の攻撃で吹き飛ばない敵なんて今までいなかった。それが食い止められてしまって、咲が酷く動揺する。

「……報酬をちゃんと渡していなかったからな。」と男は言う。

男の持ってる大きな大剣、グリップに渦が巻いていた。

3人PTなのに1人で挑めるって事は混ぜた武器を使っている証拠だ。混ぜた武器を使っている人は1人~3人扱いになる。それはバグだからだ。このバグ利用者が少ないせいか運営は放置していて、通報とかしてもスルーされているそうだ。


「もしかして…クリュードなのか?」

「あぁ。そうさ。知ってるか?ログアウトできない奴は…負けないんだぜ?」とクリュードはニヤリと笑う。

クリュードは少年型だったのに…完全な成人男性並みの身長だ。いったい何が…。

「なるほど?ヴァンパイアって夜になると真の姿になるってとこですか?あと、攻撃力が2倍になるって言ってましたけど、その混ぜた武器が通常の武器の3倍強かったとしたら…咲さんと互角って事になるんですかね?」と護。

「随分と余裕ぶってるパーティーだな。そうさ…俺は6倍強いぜ。」

咲とクリュードは一度距離をとった。


「あの戦い方を見ていて、襲ってくるって事は…いや…待ってください。国はどうしたんです?万が一負けたら…。」

「護、どういう意味だ?」

「バトル王がバトルをする場合…それは自動的にバトル王防衛戦になって、国をかけた戦いになるんです。」

「え!?俺国なんていらないよ!?」


「その前に勝てるとでも思ってるのか?」とクリュードは再び俺目掛けて襲いかかる。咲が横から突っ込んで叩く。

「どうなってるんだ…このAIはっ。」

「そこらのAIと一緒にしないで。こっちは愛情たっぷり注がれて育ってるんだから!!」と咲。

…恥ずかしい事言ってるなぁ。


「おかしいですね。ギルドハウスにゲートが開けない事といい…この勝負。」と護が自分のスマホを操作して何かを調べる。

「りき!!大変です!!【セイピア】の国が…滅んでます。」

「なんだって!?」

「ようやく気付いたか…ミルフィオレの奴に…俺の国は滅ぼされたんだっ!!!」

「なっ、ちょっと待ってくれ!!どうなってるんだ…。ログアウトできない人は負けないんじゃなかったのか!?」

「こっちが聞きてぇよ…俺は…俺は…!!!………俺には…NPCの恋人がいたんだ。それを…それをっ!!」と泣きながら攻撃をしてくるクリュード。

「そんな…どうして。」

俺はとてもいたたまれない気持ちになった。


「…それ、いつの話?」と咲。

「今日の朝だ。」

「……まだ、間に合う。NPCの名前は?表記はカタカナ?」

「シーウィー。…えす、あい、きゅー、ゆー、いー、わい、だ。 」

「護、座標をいうから、シーウィーを探し出せる?」

「なんて無茶な事いうんですか。……やりますけども。」

「座標、y16789.X-10098,Z10000」

護は突然気絶したかのように、その場に倒れた。

「ちょっと時間を頂戴。クリュード。彼女…助かるかもしれないから。」

「どうやって助けるんだ?彼女は…砂のように消えてったんだ。俺の目の前で…。」

「残念だけど…一回負けてもらうね。」と咲は俺に合図を送った。

俺は最初からハナビにマグマプールを詠唱させていた。それを発動させてクリュードを負かした。


「…ははっ。勝ち目無しかよ。」

「挑んだ相手が良かったと祝福すべきだよ!護は絶対シーウィーの魂を持ってきてくれる。それで…選んで?その武器を手離すか、恋人を手離すか…。」

「は?何いって・・・。」

「……チート使って、AIのタマゴにシーウィーの魂をぶち込むって言ってるの!」

「そんな…こと…できるのか?」

「今まで何を見てたの?私たちがチートだって思わなかったの?」

「ちょっとは思ってた…が…そんな。」

「早く!時間がないわ!AIを買ってきて!急いで!!」と咲。

クリュードは急いで初心者の町に飛んでタマゴを買いに行ったようだ。


「咲、ほんとにそんな事できるのか?」

「うん。護ならできるよ。…と、言っても…そのくらいしかできないっていうのが正しいかな。月子(つきこ)の…あ、ルナのシンカはもっと色んな事できそうだけどね。」

………ん!?ルナさんの本名って月子って名前なのか!?

「え…?ルナさんと咲の関係って何なんだ?」

「……双子の姉妹だよ。」

「双子!?」

じゃあ…ジャンさんの部屋に飾ってあった双子の女の子の写真は…ルナさんと咲だったのか。

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