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RealSocialGame  作者: 無月公主


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【一段落。】

たくさんの配線、たくさんのコンピューターが並んでいる…どこかの実験室。

≪僕は…誰。≫

身長に違和感があった。大きな手、ピカピカな綺麗な革靴。動きにくいスーツ。

何を見ているんだろう?視線の先には見覚えのある後ろ姿。…陽子?

透明なガラス窓の向こうにはカタカタとパソコンで作業をするたくさんの人が見えた。

≪僕は…誰なんだ。≫


≪陽子…僕に気づいて…こっちを向いて…≫


「りき?」


耳元で咲の声が聞こえて目を開くと自室だった。

「あれ…俺…どうなった?」

「よかったぁ!この前は1時間くらいで起きたのに丸1日寝たっきりで…現実世界で起こそうかと思っちゃった。」

「現実世界…ルナさんはどうなった?」

「あの後、シンカを召喚する事に成功してなんとかなったよ。」

「そっか。」

「ねぇ、りき。」

「ん?」

「いつから…夢見てるの?」

「え?」

「凄いうなされてた。この世界では夢とか見れないはずなの。なのに…見てる。いつから?」

「んー…いつからってほどでもないけど今回で二回目かな。夢って感じもしないんだけど、疲れてる時に見る幻覚なのかな。」

「どんな夢?」

「どんな夢…か。あぁ、陽子に…ふり向いてほしい夢…なのかな。」

「クスッ…もぅ。ちゃんとふり向いてるじゃん。」

「ははは。」


「ゴホンッゴホンッ!!」と咳払いする声が聞こえてリビングの方を覗くとシンと護が椅子に座ってこっちを見ていた。


「うわぁっ!!いるならいるって言ってくれよ!」顔がカァァッと熱くなった。

「シンったら、ルナのAIの癖にシンが心配でほっとんどここにいたんだよ?」

「ごめん、シン。えっと、ルナさんの方はいいのか?」

「あぁ、うん。今ルナの部屋には入り辛いんだよね。シンカはシュタインズの奇妙な固有スキル持ちに飛ばされて酷い粘着行為を受けていたらしくって…そのせいでルナを放置する事になった自分を責めててルナから離れやしない状態。」

「酷い粘着状態?」

「例えば…こうして私がりきを殴ると‥」俺は咲に思いっきり殴られて酷い痛みに襲われて「うわぁぁ!!!」と声をあげたが、3秒後には痛みが引いた。

「だいたい3秒で痛みも削られた体力も回復するけど、粘着行為は魅惑だったり足元を沼に変えられて動きを鈍らせたりと色々あるけど、一人ではスキルのクールタイムが発生して粘着なんてできない。でも、数十人いればそれが可能。」

「シンカはずっと蔦みたいなのに絡まれて動けなかったらしいんだ。」

「つまり触手プレイ!」と咲が言った。

「触っ!?…不謹慎だよ!咲!」

「えへへ。ごめん。」

「ていうか空腹バフ凄いね。ご飯食べなよ。丁度持ってきたから。」

「あ。うん。ありがとう。」

俺は起き上がって席についた。

テーブルの上にはパンが並べられていた。

「もしかして、シンカさんとルナさん…晩餐も当分出られそうにないのかな。」

「うん、しばらくね。その間は千年さんが来てくれる事になってるんだ。千翠さんが手配してくれたんだ。」

「そっか。」

「まぁ、これはシンカのパンだけどさ。」

「え?」

「りきには特別。」

「お礼言っといてもらえるかな。」

「ううん、お礼言うのはこっちだよ。ありがとう。りきのゲートがなかったらルナはあのままだったから。」

「そういえばシンは防衛戦の後大丈夫だったのか?」

「あ、そうだった。防衛戦の後、僕はスパイを捕まえに走ってて…幸運な事に捕まえた瞬間ゲートが足元に開いてソイツと一緒に落ちる事ができたんだ。後はもう粘着行為をしまくって、色々して他のスパイもどうにか追放する事に成功したよ。おかげで…ジョンナム班10人ほどアカウント停止をくらったみたいだけど。」

「え…もう戻ってこれないのか?」

「長くても一ヶ月って聞いてる。それもバミューダ社お決まりの労働で返せば3日くらいで帰ってこられるらしい。」

「りき、この間家に【リアル】の新しいルールブック家に届いてたじゃん!見てないの?」

「えぇ!?そんなのいつ届いたの。俺みてないよ。どこに置いてあった?」

「ん?えーっと…わたしの…部屋?……あははは。」と咲は苦笑いする。

自然とじと目で咲を見てしまう。

「大変だね。」

「りき、僕はちょっと席を外すけどいいですか?」と護が席をたつ。

「あ、うん。オレオ君のところ?」

「そう。ほんとはりきが見ないといけないんですよ?」

「そっか…俺が入れたんだもんな。あぁ、ごめん。まかせっきりで。」

「冗談ですよ。じゃ、行ってきます。」

護はゲートを開いて行ってしまった。

「オレオ君、凄い成長だよね。知ってる?」とシン。

「え。そうなのか?全然知らなかった。」

「時々…セーレは現実世界にちゃんと体があるんじゃないかって思えてくるんだけど、どうなの?」とシンは咲の顔を見る。

「さぁ?でも他のAIと違って現実世界をより理解してる部類ではある…かな。シン、今の現実世界は心を持ったAIがロボットの中に入って実際に現実世界で仕事をしたり、人と触れ合ったり…買い物だってしたりするの。だから…なんとも言えない。あると言えばあるし、ないといえば無いし…。でも、セーレは一度ロボットに入ってバミューダ社の仕事を手伝ったりとかしてたのは間違えないよ。」

「そっか。僕もセーレだったら良かったのに。」とシンは下を向く。

「あ、そういえば。矛盾シリーズの盾って固有スキルとか色んな盾があったりするのか?ダリアさんの矛の刀の人達が色んな特殊な技使ってて盾もあるのか気になってさ。」

「あるよ。絶対に魔法攻撃を通さない盾とか絶対に物理攻撃を通さない盾とか、僕は両方を持ってる超当たり能力だけど範囲が狭いし、ルナがいないと盾になる事もできない。腕だけ盾にしたり体全体が盾の強度をもってる人もいるから、正直そっちが良かった。固有スキルも大人一人分だけ巨大になるだけだし。」

「盾にも色々あるんだな。謎設定とかあったり?」

「謎設定?…あぁ…あるある。神話か伝説のアイアスの盾。アイアスの盾は単純に巨大になるだけ。」

「シンカさんも巨大になるけど、あれは?」

「それはトップシークレットなんだよね。僕も知らない。まぁ、斧のAIチケットが馬鹿みたいに安値でオークションに出てるから使う人がいないのは確かかなぁ。拡張できてる人も今は少ないし、いくら安いからって一体目に矛盾の斧を選ぶ人なんて何もわかってない復帰者くらいって聞いてるよ。」

「う…たしかに。何もない俺なら買ってたかも。じゃあなんでルナさんは斧を選んだんだろう。」

「昔、斧を持った斧ヒーラーって人がいたんだけど聞いた事ある?」

「あぁ!やり始めた頃凄く有名だった!俺がこのゲームに入って友達と一緒に観戦してた3対3のバトルにその人がいた気がする。斧でどうやって回復するんだろう?ってちょっと不思議だったんだよ。」

「それが…」とシンが何か言うのを遮って咲が口を開いた。

「それが前のアカウントのルナ。今はバミューダ社が用意したアカウントでルナとしてやってるけどね。」

「そうなんだ。そっか。それは俺がまた深く聞けない話?」

「ううん。バミューダ社の施設に入る時に、一般アカウントじゃ管理しにくいからって変えただけみたい。」

「そう、ルナって斧が好きみたいで、回復力アップがついた斧とか持ってたし、斧を選んだのはその名残りだと思う。」

「へぇ。斧が好きかぁ。」

「……あ、そうだ。りき、そろそろ部屋の拡張しない?」

「部屋の拡張?うーん、確かに。護も大きくなっちゃったしなぁ。」

「あぁ、それなら、ただの拡張チケットを買うんじゃなくて間取りとか全部かかれた方のチケット買うといいよ。」

「それいいね!客間とかほしいなー。今の部屋だと寝てたら話声で起きちゃう時あるし。」と咲はチラっと俺とシンを見て言う。

確かにシンと頻繁に話してるからなぁ…。

「よし、じゃあそうしよう。パンごちそうさまでした。」

俺はシンカさんの作ったサクサクでフワっとした絶品のパンを食べ終えた。

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