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RealSocialGame  作者: 無月公主


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【暗闇からの脱出】

しばらく暗闇の空間を進んでいくと、刃物がぶつかり合う音が聞こえた。

ダリアさんが唐突に「セーフ。間に合った。」と言った。

「あれは…ちいろとミズホですね。」と千翠さん。

音の方へ目を向けるとミズホさんが真っ赤な刀を使って誰かと斬りあっていた。

ミズホさんの動きはダリアさんと違って、まるで剣道を見ているようだった。

「ちいろ!聞こえるか!勝ったらお菓子をやる。最高級ピクピクチップスだ!」とダリアさんが叫ぶ。

最高級ピクピクチップスはガチャの外れ品なんだけど、ニンジンをチップス化したような見た目なのに味はポテチに旨味の粉でもふりかけたのかってくらいの美味しいお菓子。それは料理スキルを上限突破してる人の料理にも負けない高級菓子。ガチャの外れなくせに妙に高いんだよなぁ。

「なんだ?」とShiftさんが驚いていて、その視線の先を追うと、凄く見えにくいけどミズホさんとちいろちゃんが戦っていた場所に霧が充満しているように見えた。

「霧…ですか?」

「ああ。ちいろは…やればできる子だ。」とダリアさんはとても優しい笑みを浮かべた。

…やれば…できる子…………意味わかんねーーーーー!!!

「コホンッ。この霧はちいろの固有スキルでしょう。それも…精神汚染に見せかけた魔法系というところでしょうか。」

ダリアさんは「……千翠。」と静かに呟く。

「はい?」

「後でコロス。」

「当てるつもりなんて無かったんですがねぇ。」

見ただけで理解するとか千翠さんも何者!?見ただけ…あぁ!!そうか。

俺はスマホを取り出して周辺の戦闘チャットを見てみた。

[ちいろがセズに魔法攻撃30ダメージ。]というログでずらっと埋め尽くされていた。

敵の名前はセズっていうのか。

現状、ちいろちゃんが刀から霧に変化してるからミズホさんは武器を持っていない。適当な武器を出したところで、相手はちいろちゃん(とう)で互角の武器だったから破損して終わっちゃうだけ。

つまりミズホさんには今武器が無い。

「はははっ!!武器無しが俺に勝てると思うなよ!!」とセズはミズホさんに斬りかかる。

「ひとつ…お忘れではございませんか?」

キィィンと刃物がぶつかるような音がする。

「何!?」

「私がAIという事です。それも…矛盾シリーズの矛で刀。」

「刀…だと!?お前は剣のはずだ。何度か下調べをしたが剣だった。」

「はい。刀は自由です。刀のカタチでないといけない者もいれば霧のようなカタチになるものもいらっしゃるでしょう。私には西洋人が刀を作ったはずがどう見ても剣にしか見えない。という謎設定の刀なんです。同じ矛盾シリーズの矛を持ってこない限り…私を斬る事は難しいでしょう。」

「チッ!!」

「よろしいのですか?」

「何がだ!!」

「体力が…もうすぐ尽きてしまいそうですが。」

「何っ!?」

セズの体力はもう数ミリしか残っていなかった。

「やべぇ!!!回復を!!!」とセズはポーションを飲もうとするがそれをミズホさんが阻止した。

「嫌だ!!死にたくない!!!俺はペナ…」

セズの体力が尽きてその場から姿が消えてしまった。

「もう戻って良いですよ。ちいろさん。よく頑張りました。」

ちいろさんはピンク色の子猫の姿になった。

遠征隊にミズホさんとちいろちゃんが加入してさらに前へ進んだ。

あの技を使うと数時間、猫の姿になるデメリットがあるらしい。歩きながらミズホさんが教えてくれた。

使いどころを間違えると危なそうな固有スキルだ。

「矛盾シリーズって凄いですよね。特に刀はほとんどが妖刀化して特殊な固有スキルつきらしいんです。」と澪さんが言う。

「矛盾シリーズも奥が深そうですね。ミズホさんはどういう固有スキルなんですか?」

「知らなくていい。」とダリアさんに言われてしまった。

けど、こっそりエイボンに聞いてみるとミズホさんが言っていた通り、西洋人が刀を作ってみたが見た目が剣にしか見えず、その場で凍り付いてしまった…。という設定があるらしく、体を凍らせて硬化する固有スキルがあるらしい。


数分歩くとイゴールさんと出会った。

イゴールさんは遠征隊に加入したが浮かない顔をしていた。

「負けたのか?」とダリアさんが問う。

「いえ、勝ちました。ですが…その…敵が元カノだったんで。ちょっと。」

「…すまん。先へ進もう。」


また前へ進むと今度は大きな壁にぶち当たった。

「行き止まりですか?」

「離れろ!!!」とダリアさんが言って全員後ろへ下がった。

「あぁ、これはラートさんの武器ですね。交戦中なんでしょう。」

…壁かと思ったら武器!?デカすぎる…。


しばらく待っているとバトルが終わったようで前の壁が無くなってラートさんとムッシュさんとレイさん、そのAI達の姿が見えた。

すぐにラートさん達の遠征隊加入が完了した。

「とりあえずこれで全員か。」とダリアさんがホログラム画面をだして確認する。

「ゲート禁止エリア。これはアレですか。シュタインズのギルドハウスの中でしょうねぇ。バトル王に挑めば手っ取り早く解除できますが、それは諦めるとしましょう。」

「え?やっぱり強いんですか?」

「いいえ、ルナに比べればチリのような人ですよ。ここにいるメンバーなら勝てるでしょうけど、潰す意味も特にないんですよ。ここを潰したところでシュタインズが崩壊するわけでもないですし、ただただこの国を利用してる方々に恨まれるだけですので、諦めて他を考えましょう。」

「出口ならわかるけど。」と咲。

「おや、それはそれは。じゃあ正面から出るとしましょうか。」

「りき、エイボンに出口まで案内させて。」

「あぁ!そういう事か。」

俺はタクトを握りしめてエイボンを出して外へ案内してもらう。

「つくづくチートだな。」とShiftさんに色々嫌味を言われながらも無事に脱出する事ができた。


「さて、早くギルドハウスに戻りましょうか。」


ギルドハウスでは…ルナさんがゴジ…違った…ドラゴンになって暴れまわっていた。

「いったい誰に挑まれてこうなった。」とダリアさんが冷静に突っ込んだ。

「魔王の下着をつけたシンカが負けるわけないですし、シンだって唱えれば体力の半分を削る魔導書の詠唱を終えてたはず…試合の途中ってわけでもなさそうですねぇ。」

「試合が終わってるなら、タチが悪い。企業で会議をしている人らがいるエリアを護衛してくる。」とラートさんがゲートで去って行った。

「試合が終わってるとなると、いかなる攻撃も受け付けない無敵状態、どうしたものか…。」と千翠さんが眉間に皺を寄せる。

「ほっときゃ寝るだろ。」とShiftさん。

「そうはいかないです。建物とか壊れても数秒で復元しちゃいますけど…この騒音問題だけは解決しないじゃないですか。」と澪さんが言った。

「確かに。」

「とりあえず、シンカを探しましょうか。1時間後にまたここに集合しましょう。見つかった場合は連絡しあってここに集合しましょう。」


みんなで手分けして探すこと1時間。


「ダメだ。コールもとらねぇし。」とShiftさん。

「部屋中探してもいませんでした。」とミズホさん。

俺も護と空から探してみたけど見つからなかった。

「見つかりませんでしたか。シンカの現在位置の表示はアトランティス・ギルドパレスってなっています。ここにいるのは間違えなさそうですが…仕方がない。最終手段です。りきさん。インセインザサモンゲート…。使用を許可します。」と千翠さんに良い笑顔で言われた。

「はい!!……って!!えっ!?…あれをですか?」

「はい。」

「今ここでですか?」

「もちろんです。」ニコリと笑う千翠さん。

「何を渋ってる、早くしないと国の信頼が落ちる。」とダリアさんに圧をかけられた。

「…うぅ…インセイン・ザ・サモンゲー…ト」

渋々唱えると…ブワッと何千もの扉が出てきて俺は意識を失った。

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