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RealSocialGame  作者: 無月公主


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【暗闇の中】

俺が降り立ったのはギルドバトル前にいた部屋ではなく全くしらない空間だった。

床は紫色の大理石、天井は見えない。暗いせいで今いる空間がどのくらい広いのかさっぱりだ。

「ここは…どこだ?」

目の前にバトル開始のカウントダウンを表示したホログラム画面が出ていた。

「どうなって…?」

とりあえずタクトを握りしめる。

カウントダウンが終わって、先にハナビにマグマプールを詠唱してもらう。

何か音がして、とりあえず後ろへ避けた。

咲も護も近くにいないようだった。

いったい何がどうなってる?

とにかく黒い人影が見えて、その影が襲い掛かってきたから避けた。

「ハク!攻撃を!」

ハクが素早く敵を追いかけて斬りつけにいった。

思えば…このバトルシステム、昔からすっごい理不尽だ。仕様もころころ変わるし。

愚痴っていても仕方がない。とりあえず…ギルドハウスはアトランティスの中だから安全地域…つまりバトルを挑めない…となるとここはギルドハウスの外なのかな。

俺は可能な限りウォールに防御を任せて今の状況を把握する事にした。

MAPを開いて見ると、ここは【精神と時の国】だった。

俺は心の中で「エイボン、移動できる範囲でかまわない。ギル員かもしくは俺のAIがどこにいるか探ってくれないか?」と聞くとエイボンは「しばらくお待ちください。」と言って姿を消した。

敵がハクの妖刀の呪いを受けて燃えているのがチラチラと見えた。

やがて炎は大きくなってバトルに勝利した。

「りき!!パーティー!!」と咲の声が聞こえてスマホを取り出してAIのアイコンをタップして咲と護にパーティー招待を出した。

「良かったぁ…タクト握ってて。」と咲が突然目の前に現れた。

「うわぁ!!どっから入ってきたんだ?」

「どっからって…最初から近くにいたのよ。でも暗くてよく見えなくてエイボンが案内してくれたの。途中ドアとか壁とかもなかったから…一つの部屋と考えていいと思う。それと、ギルドメンバー画面を開いて、近くにいるメンバーで検索してみて。」と咲に言われてギルドメンバー画面を開いて近くにいるメンバーボタンを押してみた。

この画面は基本的にパーティーに誘ったりする為の画面でバトル中の人は【交戦中】、パーティー招待可能な人は【可】、ダンジョンに入ってる人は【D】、設定でパーティの誘いを断ってる人は【×】、既にパーティーに加入している人は【P】。

・千翠【交戦中】

・[千翠AI]巫女【P】

・[千翠AI]ほのか【P】

・[千翠AI]澪【P】

・ラート【交戦中】【P】

・[ラートAI]アーニア【P】

・[ラートAI]ローニア【P】

・[ラートAI]ニア【交戦中】【P】


・ダリア【交戦中】

・[ダリアAI]ちいろ【交戦中】【P】

・[ダリアAI]ミズホ【交戦中】【P】

・Shift【可】

・イゴール【交戦中】【P】

・[イゴールAI]スイ【交戦中】【P】

・[イゴールAI]ジャッキ【交戦中】【P】

・[イゴールAI]ヒュー【可】

・ムッシュフェル【交戦中】【P】

・[ムッシュフェルAI]ラミル【交戦中】【P】

・[ムッシュフェルAI]フィズ【P】

・[ムッシュフェルAI]エルサ【P】

・キングアズレイ【P】


交戦中ばっかりだ…しかもこの部屋にいる。

さっきまで自分も戦闘してて気づかなかったけど、相当ドンパチ鳴ってる気が…いや鳴ってる。

チカっと一瞬光るところもある。

「りき、あっちに人の気配がします。」と護が指を指す。

「あっちって…こうも自分の回りだけぼんやり光ってるだけだと歩きたくないなぁ。」

「護、りきを持ち上げていくよ!」

「わかりました。」

「えぇっ!?」俺は護に脇を持たれて低空飛行で運ばれていく。


「護、おろしてくれて大丈夫だって。俺歩けるし…。」

「りき、私たち多分帰還すると同時に誰かのスキルに引っかかってここに飛ばされてるんだと思う。りきみたいな固有スキルによってね。」

「固有スキル…。」

ぼんやりと人影が見えて、さらに近づくと…

「あ。」

「い゛っ。」

Shiftさんが立っていた。

護におろしてもらって足が地についた。

「Shiftさん!!こんなところで何やってるんですか?」

「うるさい、話かけるな。」

しかも機嫌わるっ!!いったい何が…。

キンッと刃物がぶつかるような音が聞こえて動こうとするとShiftさんに止められた。

「動くな。ダリアパイセンがそこで戦ってる。」

パイセン…?じゃあこの刃物がぶつかるような音ってダリアさんが戦ってる音?

「暗視眼鏡とか持ってないわけ?」とイライラ口調のShiftさん。

「持ってません…。」

「やるよ。黙って見てろ。」

Shiftさんからプレゼントが届いて開けてみると【オシャレ眼鏡】という名のピンク色の眼鏡だった。

試しにかけてみると暗視カメラの映像みたいに視界が見えるようになった。

本当にダリアさんが近くで戦っていた。どうして見えなかったんだろうか。

「凄い。」

「黙れって言ったよな?ダリアパイセンの邪魔になるだろうが。」

そうか…ダリアさん音で攻撃よけてるんだった。


ダリアさんと戦っている敵は白髪の見たことない男だった。武器はなんだろう?剣?シャムシールってやつで二刀流か。いつも二刀流のダリアさんだけど、今は柄も刃も何もかも真っ黒な刀一本。

ダリアさんの動きはいつ見ても美しくてうっとりしてしまう。まるで何かの舞のような動き。

ダリアさんの刀が相手の剣とぶつかったかと思うと刀が溶けて液体化して敵の剣がダリアさんにザクリとささった。

え?…あれじゃあ数秒で体力が0に…。

と思えば、敵が突然苦しみだしてその場に倒れた。

どうやらダリアさんが勝ったようだ。

解けて液体化していたはずのダリアさんの刀が元に戻ってる。

「タクミ、パーティーいれてくれ。」とダリアさんが言うとshiftさんがホログラム画面を色々タップしてパーティを組んだようだ。

「ん?りき、俺らのところに入っといたほうがいい。タクミ。」

Shiftさんが舌打ちする。

「早くパーティー解散してくんない?誘えないんだが。」と言われてダリアさんが一度それを止めた。

「パーティーだと狭い。遠征隊にしよう。」と言われて遠征隊招待が飛んできた。

「これでみんなを拾っていこう。」

俺達はダリアさんを先頭に歩き出した。

「タクミ、回復してくれ。」

Shiftさんはトランプのようなカードを一枚束から引いて、それをペタっとダリアさんにあてると、ダリアさんの体力が一気に全回復した。というか残りの体力、体力ゲージの5分の1くらいしかなかった気が…ギリギリだったのかな。

「あの敵、強かったの?結構時間かかってるように見えたけど。」と咲がダリアさんに聞いた。

「敵にただの刀だと思い込ませる為にわざと時間をかけた。アキは液体化する武器でその液体が敵の体に染みると刃物化して中から斬り殺す…。」

あの刀…AIのアキさんだったんだ。

「物騒な武器。」

暫らく歩いていると千翠さんの姿が見えた。

すぐに遠征隊招待がいったのか【千翠様が遠征隊に加入しました。】と表示されて、さらに千翠さんのAI達も加入した。

「戦ってたのか?」とダリアさんが千翠さんに問う。

「えぇ。一瞬で終わりまたけど、シュタインズの幹部でしょうね。」

「一瞬って、また【冥界の箱庭】とかいうチート武器ですか。」とShiftさんが飽きれ口調で言った。

「咎めはしませんが君に言われたくありません。」と千翠さんは笑顔でShiftさんに言い返す。

「りきさん、大丈夫でしたか?」と澪さんが心配して声をかけてくれた。

「あ、うん。大丈夫です。他のみんなはどうしてるんだろう?」

「小豆餅様からの連絡によると、着地した後すぐにみんなの体が光って消えたそうなんです。で、その場にいたギルド員に練習試合を申し込んで捉えてるそうです。」

「早く帰ってスパイの顔を拝みたいところですが、どうやらここはゲート不可のエリアみたいですねぇ。」と千翠さんが言う。

「あずさんはどうして助かったんですか?」

「アイツは常に浮いてる。着ぐるみで足がついてるように見えるけどな。」とShiftさんが言った。

「Shift様に無理矢理、足ツボ地獄のダンジョンへ放り込まれて以来、地面に足をつけるのが恐くなったんだそうです。」と澪さんがヒソヒソ声で俺に教えてくれた。

あずさん…お気の毒に。

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