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RealSocialGame  作者: 無月公主


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【VSブショウホウ】

屋上について、俺と豊は練習場4で会う約束をしてログインする。

意識の無い間は川野さんが俺達を見張ってくれてる。

「りき?」

ログインして目を開けると咲がいた。

「咲。部屋にいたのか。」

「部屋にいたのかじゃなくて、学校は?どうしたの?」

「あー…色々あって、ブショウホウと練習試合する事になってさ、今から練習場4に行かないと。」

「えー!?見に行ってもいい?」

「うん。」


咲と一緒にゲートで練習場4へ移動した。


練習場4では既に完全な戦闘装備をした豊がストレッチしていた。

「おー…って。AI付きかよ。」

「ああ、見たいだけだってさ。てか、豊のその防具…凄いな。禍々しいっていうか。」

豊の防具は真っ黒で所々黒い炎がオーラのようにメラメラとでていた。

「ははっ。じゃ、はじめっか。」

「うん。」

タクトを握りしめて小人達を出すと練習試合のカウントダウンがはじまった。

豊の武器はなんだろう?「エイボン、ブショウホウの武器を調べる事ってできる?」と心の中でエイボンに語り掛けると「可能です。」と言ってブショウホウの近くへ行って観察してくれるエイボン。

せこいけど…使い方はあってるはず。

「ハナビ、マグマプールの詠唱を。ハク!いつも通り行ってきて!」と心の中で指示をだした。

「虫…虫です!!小さくて見えない!!」と離れているエイボンの声が耳元で聞こえる。

「げっ…また虫…。」

「…おいおい。俺の武器の事どこで聞いたんだ?バレた事なかったのに。まぁ、バレたところで…もう遅いけどな。」

豊の言葉が終わるや否やウォールが苦しみだして肌がところどころ紫色になりだした。

「どこ見てんだ?りきっ!!」と豊は鉄より堅そうな六角形の棒で俺に殴りかかってくる。

「りきさん!虫です!!棒の中に無数の虫が!!」とエイボンが叫ぶと同時に苦しみ床に這いつくばっていたウォールは立ち上がって俺と同化して俺を守って倒れてしまった。

「ウォール!!!」と思わず声を出してしまった。

豊は物理攻撃をしに特攻しにきたんじゃない。

目の前にいる奴は同じクラスの友達だけど、今は違うんだ。

ミルフィオレ・ユナ班・副幹部。

俺はなんだ?確かにチートみたいな武器は持ってるけど、最近復帰したばっかで豊に比べると経験も乏しい。

俺は…ミルフィオレ・ルナ班のただの班員。なんの役職もない。

心のどこかで勝てると思ってた…実際に時間が立てば勝てる。でも、ウォールをこんなに苦しませちゃダメだ。

両頬をバチンと叩いた。

ここからは俺自身が豊の攻撃を受けなければならない。

「まだ余裕そうだな!!んじゃこれはどうだ?」

豊は棒をクルクル回しだした。

次の虫がくる…!!!

「フゥ、竜巻をおこしてくれ。俺はその中に入る。」

「お安い御用だぜ!」と言ってフゥは竜巻をおこしてくれた。

「りき、コイツ斬れない。」とハクの声が聞こえた。

斬れない?

「エイボン、斬れないのはなんでだ?」

「防具すら武器といいますか、全て生きた小さな昆虫でできた防具です。切ってもその部分はまた補われてしまうのでしょう。」

なるほど、でもハクの効果を考えると…このまま斬り続けていても良い気がする。

「ハク!斬り続けてくれ!敵は俺に夢中で背後のハクにまで虫がいってない!…それからスゥは少しでもウォールが楽になるように治療してやってくれ。俺の体力が半分になったら回復をいれる感じでいい。」と指示を出した。

「でもっ!りきさん。ウォールさんの体力は…。」

すぐに…豊の虫が俺の体を蝕みはじめて、スゥの声が聞き取れなかった。

手を…動かしずらい…それでも俺は…魔力を小人達に注ぐ。

俺の防具はそこそこ強いから一回や二回刺されても大丈夫。

耐えるだけ…そう、これはゲームだから…どんだけ息が苦しくても現実世界の俺は息をしてる。

殴られたって現実世界の俺は平気だ。

念じるんだ。目を瞑って…痛みさえ耐えればスゥが回復してくれる。

注ぐんだ…魔力を。


でも…


でも…俺。


まだ…そんなに強く…ないよ。


これは…俺の負け…かな。


俺だって負けるつもりなんか無かったし、負けたくないよ。

幹部のダリアさんに勝って、パンデミック卿にもギリギリ勝って…

あれ?俺…じゃあ…なんで勝てないんだ?


竜巻の外では恐らく豊が虫を出し続けていて、竜巻の中に入り込んでくる。


ハナビの詠唱はあと半分。

俺は何もしなくても、ただ、この痛みに耐えれば勝てるのにどうして負けようとしたんだ?

待ってくれ…違う。

パンデミック卿と戦った時、確かに毒のバフと麻痺のバフも入ってたんだ。

今は何のバフもついてない。それから度々勝てないと思ってしまう現象。

それにさっきスゥの言葉が聞き取れなかったのもおかしい。

小人達の声は優先的に耳元で聞こえるから。

これってもしかして…「エイボン。勝てないと思い込んだり、毒がついてないのに毒が入ってるような感覚になる幻覚ってあるのかな?」と聞くと「あります。」と言われた。

じゃあ、この少しずつ体力が減っていくのは何でだろう?これも幻覚か?

俺は…勝つ。何をされても体力が減れば満タンにされるし、魔力だって尽きない。

注げ。目を瞑って。魔力を小人達に。


ハナビの詠唱が終わってマグマプールが発動して練習場がマグマに飲まれていく。

ハクが斬り続けてくれたおかげで豊の防具の耐久値が減っていて、マグマに飲まれた瞬間壊れたようで直ぐに決着がついた。

勝ったんだ。

俺が勝つのは当然だ。

「マグマプールって…ガチャからでる星5レアの赤文字武器の技じゃねーか。その武器のどっからそんな技でるんだ。」

「豊の武器って結局幻覚か何か…だったのか?」

「今度こそ本当にバレたか。」とニカっと笑う豊。

「どういう仕組みだったんだ?」

「さぁ?それは言えねーなぁ。りきの武器の秘密と交換だ。」

「あー…言えないや。」

「はははっ。そりゃそうだろうな。色々ぶっ飛びすぎだし。まぁでも、さすがルナ班特待生って感じだな。」

「途中、俺、豊に負けるって思った。」

「そういう催眠かけてたからな。りきは魔法でだいたい最後決着をつけてる。それも【獄炎(ごくえん)(しょ)(めい)】のコピー技を使う。それまでに負けるように意識を誘導してマジの毒で毒殺しようとしてたら、竜巻だして中に籠っちまうから手がだせなくてな。色々考えてたら間に合わなかったってとこだな。」

「こわ。」

「はははっ。よく言われるよ。協力な毒を作るのには自信があってな。」

「どんな自信だよ。しかも、ゆた…ブショウホウが毒作ってるとか想像できないよ。」

咲が観客席から降りてきた。

「りきが幻覚に負けたらどうしようかと思った!」

「ごめん、なんとか勝てた。」

「これは買い物に行かないと!!」

「え?」

「幻覚耐性のついた防具を買わないと!!」

・・・買い物に行きたいだけでは?

「あ、うん。俺らはちょっとしたらまた現実世界に戻るから、頼めるかな?」

「うん!まかせて!よーっし!買い物買い物♪」

咲は笑顔で鼻歌を歌いながらゲートを開いてどこかへ行った。


「んじゃ、俺が負けたから約束通り喋るかぁ。」

「あぁ、ごめん。待たせて。」

「いいよ。さて…。ラフィ、元はヒャダイス。んでキムタクの方はキムだった。もともとジョンナム班のキムは口元隠してるし、ラフィは…ヒャダイスが化けたまま。まぁ、この世界は同じ見た目になろうと思えばなれるからな。二人はギルド【シュタインズ】の鉄砲玉ってとこだな。」

「ギルド【シュタインズ】…どうして、シュタインズって確かドルガバと同じくらいのマンモスギルドだろ?どうしてうちを…。」

「これは仮説だけど、先に潜入しといてヴァルプルギスの時に中から壊そうとしたんだと思う。いわゆる…ギルドクラッシャーってやつだな。」

「ギルドを壊す計画を阻止できても、サモンゲートの情報は持って帰られてる…よな。」

「はははっ。んなもん気にしても遅い遅い。口コミで広がっていくだろうしな。それに俺らの姫が負けるわけないからな。」


「そうそう。」


いきなり背後から別の人の声が聞こえて豊と一緒に振り替えると、あまり見かけないどきつい見た目の人がいた。

「おっと…これはこれは東屋班のマグコさん。こんにちは。」

東屋班のマグコさん…頭と顔がすっぽり隠れる魚の被り物をしていた。恐らくマグロの被り物かな。

それから黒い全身タイツを纏っていた。声は女性だ…。

「こんちー!ブオウ君が昼間にいるの珍しいねぇ!」

豊はマグコさんにブオウって呼ばれてるのか。名前の略かな?

「今ちょっと練習試合する為にログインしただけなんすよ。マグコさんはどうしてここに?」

「ん~?りきさんのサモンゲートじゃないんすか?」

「…あ!!!すみません。つい。」

「いいのいいの。何か御用ですかな~?」

「いえ…特に。」

「はっはっはー!じゃあ私は帰るねー!」と言ってマグコさんはゲートを開いて手を振って帰っていった。


「だ~~~!!りき~気を付けろよ~。」

「ごめん。」

「そろそろ戻るか。あ、あと。川野さんはshift班の古参組だ名前はジョカ。んで、俺らは班の事をシンボルで呼び合ってる。じゃねーとミルフィオレ所属ってバレるからな。」

「あ、そうだったのか。なるほど。」

「んじゃ戻るぞー。」


俺と豊はログアウトした。







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