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RealSocialGame  作者: 無月公主


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【大聖堂クエスト】

ラストカントリーの精神汚染系クエストは最上級な為6日間かけてたったの4回。

4回目で盾がでたのはいいけど、他の最上級クエストもこれくらい時間をとられるのかと思うとゾっとした。

眠気に疲労…それから空腹…空腹はパンとかを持っていけばなんとか抑えられるけど、何も知らないで行ってたら絶対ダウンしてた。


俺達はすぐに帰って大広間で食事をとった。


「それ、そんなに必要だったの?」

「うん。これを春風のタクトに装備させるんだ。」

「へぇ。なんか全部ここで話せないの、もどかしいね。」

「ごめん。」

「いいよ。別に。十分ギリギリのところまで話してくれてるじゃん。」

「コホンッ。私より、よそのAIの方が仲良いってどういう事かなぁ?」と咲が怒りはじめた。

「あー…えー…っと。」

「あ、僕ルナのとこ帰んなきゃ…。」とシンは立ち上がってゲートを開いて帰っていった。

シン…空気をよんで帰ってくれたのか…?絶賛気まずい。

「はぁ。妬けちゃうなぁ。」

「ごめん、部屋で話そう。ここだと地獄耳つけてる人に聞かれちゃうし。」

「わかった。」


自室へ移動してベッドに座ると咲も隣に座った。


「シンはさ。一人ぼっちなんだ。」

「どういう意味?」

「ルナさんはシンカさんを愛してて…シンはルナさんを心から愛してるから、ルナさんが幸せになるなら自分は蔑ろにされてもいいって思っててさ。ルナさんがシンを求めた時はシンはそれに応じる。だから心のどこかで一人だったんだ。シンカさんとは仲悪いし。それに設定上、本心は僕か千翠さんにしか話せないみたいだし。」

「……何それ。」

説明してもやっぱり…

「シン可哀想じゃん!!!」

「え?」

「ルナが最低な女って事がわかった。」

「う、うん。そう…なるよな。」

「まぁ、俺にしか本心話辛いだろうから…色々友情が芽生えたっていうか。」

「どうしてもっと早くそれ教えてくれなかったの?これだけ長い時間あったのに。」

「あー…その。ルナさんを悪く思うのもやめてほしくて。同じギルドでこれから長い付き合いになっていくわけだし、あとルナさんには数えきれないほど支援してもらってるのもある…多くの人がルナさんを慕ってるからさ。」

「りき、なんか…成長してるね。」

「え!?どういう意味?」

「でも!私よりシンに構ってるのはダメ!今日はクエスト中もずっと喋ってたし!」

「なっ…それは、咲が幻覚にかかってる間だけだろ?」

「むぅ…あれだけ毎日毎日学校帰りに色んな事話してくれてたりきが、私をほったらかして他の人と喋ってたら寂しいじゃん。」

「ごめん。」

「手に入ったら冷めるタイプなの?」

「そんな事はないよ!って…俺達って…その…付き合ってるんですか?」

「忘れてるかもしれないけど、一応成人だから私。りきに手を出したら捕まっちゃう!」

「あ・・・・そういえばそう…でしたね。」

「でも。ゲームの中は別…だよね。ゲームの中は年齢も…身分も関係ない。だってゲームなんだもん。」

「それって。」

「現実世界では付き合えないけど…ゲームだから。ゲームの中では私はりきの彼女ね。」

「わかった。」

なんだろう?この気持ち…言い表しにくいけど、とても心が温かくなった。


翌日


朝食をシンと俺と咲は一緒にとっていて昨日の夜に咲と付き合ったことをシンに告げると「現実世界は色々と厳しいんだね。でも、おめでとう。」と言ってくれた。

「ありがとう。」

「あ、そうだ。ついでに大聖堂のクエスト受けてペアリングとってくれば?魅惑耐性つくから良いよ?あの指輪。僕のオススメはマリアージュ大聖堂だけど。」

「大聖堂クエスト?」

「マリアージュ大聖堂、ブライダル大聖堂、ウェディング大聖堂、マリッジ大聖堂、ダムクーイ大聖堂、ガモス大聖堂、ホッホツァイト大聖堂…7つの大聖堂で結婚式みたいなクエストができるんだけど、大聖堂によってもらえる指輪が違うの。」

「へぇ…。」

「まぁでも、課金で手に入る指輪の方が性能が高いから常にはめてる人はいない・・・かな。僕ももってるよ。」

シンは指輪を取り出してみせてくれた。

指輪を手に取ってみると、ガモスの指輪という表示がでて、指輪には「ルナ」と名前が刻まれていた。

「これはどういう能力?」

「オールステータス10ずつUP。シンカはマリアージュの魅惑耐性指輪。男女二人の限定クエストで、その大聖堂の石碑に名前を一回記入したら縁切りの儀式をするまでその大聖堂では永遠に再度受ける事ができない。」

「つまり、相手を変えれば全大聖堂クエスト制覇できるってこと?」

「あぁ。うん。全制覇した人は7つの指輪を一つの指輪に変換できて、7つの能力を保有する結構強い指輪になるんだ。だから指輪だけの為に能力婚とかいう俗語もあるし。」

「へぇ…色々あるんだなぁ。ちなみになんで魅惑耐性を進めるんだ?」

「魅惑されたら別の人を好きになるんだけど、それが結構やっかいだからさ。僕は一回かかって、酷い目にあったよ。シンカが羨ましい。」

「そうなんだ。」

多分、罰の嵐だったんだろうなと予想する。

「りき、いくの?」

「せっかくだし行こうか。」


朝食を終えた後、とりあえず二人でギルドハウスの外に出た。


「なんか、久しぶりに外にでた気分だ。」

「ねぇ、シンはああ言ってたけど…ガモス大聖堂にしない?」

「うん?いいけど。どうしたの?」

「7つの大聖堂の中でもガモス大聖堂は海に囲まれて綺麗な花がたくさん咲いてるの。こういうのって、大事だと思うんだぁ。」

「うん、わかった。」

ガモス大聖堂へのゲートを開いて移動した。


大聖堂は運営の作ったMAPでその中でもガモス大聖堂は唯一海に囲まれていて透明感のある大聖堂が立っている島には美しい花がたくさん咲いていた。

他の大聖堂はよく見るお城っぽい見た目の内装凝りまくりだったり…白いハトがいたり…薔薇がたくさん咲いてたり…だけど…ここは本当に色んな花が咲いていて蝶々が飛んでいる。

ガモス大聖堂は基本的に壁がガラスで海が見える。

大聖堂の扉に触れるとクエストを開始しますかという画面が表示された。

クエストを始めると更に[服装を借りますか?YES NO]と表示されてYESを押すと大聖堂の扉が開いた。

それと同時にいつの間にか俺は白いタキシードを纏っていて…、咲はウェディングドレスにヴェールを被っていた。

それが綺麗すぎて目を大きく見開いた。

「う…わー……。ほんとに綺麗だ。」

「ほんと?りきもカッコイイ。」

心臓を矢で射抜かれたような気持になった。

海がキラキラしていて…そして隣を歩く咲もどこかキラキラしていて…愛おしさが増すというか。

このクエストは疑似結婚式なのかな。でもこの中で本気で恋愛してる人にとっては本物の結婚式なんだろうな。


クエストが終わって、しばらくガモス大聖堂の外にあるベンチに座って海を眺めていた。

俺たちの指には互いの名前が刻まれたガモスの指輪がはめられていた。


「海が…いつもより綺麗に見える。」

「私も。」

「そうえいばクエスト中に撮った写真ってどこに保存されてるんだろう?」

「あぁ、それなら。」

咲は指輪にキスをした。するとホログラム画面が現れて式中に撮った写真が映し出された。

「へぇ、こういうギミックがあるんだ。」

「これが結婚した証明にもなるの。」

写真は全部で15枚、それが10秒ごとにパラパラとうつり変わる。

それをしばらく眺めたあとでギルドハウスに戻った。


晩餐の後、シンが寄ってきた。

「りき、どうだった?」

「最高に幸せだった…かな。」

「そっか。」

「そうだ。シンの大聖堂クエの写真見てみたいんだけど。」

「え?まぁいいけど。りきの部屋でいい?画面が全体公開だから見られると気まずいんだけど。」

「あ、うん。」

自室に入ってからシンはガモスの指輪をとりだしてそれを指にはめて指輪にキスをする。

ホログラム画面にルナさんとの結婚式写真がパラパラと映し出された。

「ルナさんもシンも幸せそうだね。」

「りきのも見せてよ。」

俺も指輪にキスをして写真を出す。

「良い顔してんじゃん。」

「シン、さっき気まずいって言ってたけど何が気まずいの?」と咲が質問する。

「あぁ。ルナは他とも大聖堂クエストしてるから…それぞれが色んな思いでそのクエストをしただろうからね。気分を害する人がいると困るし。」

「た、大変だなぁ。」

「まぁ、僕も…他の人のを見るのが恐いし。」

「てことはルナさんって7つ制覇してるのか?」

「あぁ、うん。」

「そうか。…こんなの自分だけが良いよな。」

「そうだね。本当に辛いよ。まさか…こんな事喋れる日がくるなんて…。話すと少し楽になった気がする。」

突然、シンをあんなに敵視してた咲が「シン、なんか辛い事があったらりきに相談していいよ。シンだけは許す!」と言いだして俺もシンも大きく目を見開いた。

「咲…ありがとう。ごめん、咲の主人なのに。」

「いいのよ。シンは特別。主人の親友は大事にしなくっちゃ。」

俺は咲の頭を撫でた。

「あー!また子供扱いして!おねーさんなんだからね?」

「はいはい。」

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