表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RealSocialGame  作者: 無月公主


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
25/164

【セーレ】

目が覚めると…1日過ぎていた。

二日連続で晩餐に出席できなかったのはちょっと心苦しい気がした。

朝の6時…隣に咲の姿はなかったけど…スマホでAIページを開けば…咲の居場所が表示される…ジャンさんの部屋…か。

伯父さんなんだっけ…。

起き上がって装備を整えた。

すると…バンッと扉が開いて、咲が部屋に入ってきた。

「やっと起きたー!」

「あはは…ごめん。」

「色々思い出した事があるの。現実世界に戻ったら話すね。」

「あ、うん。」

「だから、そんなとこで扉も閉めずにそういう話やめなよ…。」とシンさんが朝食を運んできてくれた。

「すんごい寝てたね。」

「あー…色々疲れてたのかもしれません。」

「だろうね。ジャンさんがこっちに来てくれてなかったらと思うとゾっとするよ。りきが寝てる間色々酷かったからね。」

「あぁ!また酷い事いうー!」

「…咲、何したの?」

「何もしてないよ。」

「うそ、片っ端から練習試合挑んでコテンパンにして…僕と千翠さんとジャンさんがどれだけフォローしたか…。」

「うわぁ!!すみません!」


シンさんは朝食をテーブルに置いてくれた。

「あ!ご飯だ!いっただっきまーす!」

咲はさっそくご飯を食べる。

「で?今日の予定は?」

「あー…どうしましょう。」

「ん?ソロモンやったの?」と咲が問う。

「あ…やってないや…。」

「じゃあ、それ一緒に行こうよ。」

「うん。」

「ソロモン…か。うん、いいんじゃない?頑張って。」とシンさんは少し微笑んだように見えた。


というわけで朝食を食べ終えたあと、初心者村のソロモンの宴の塔へ来ていた。

「うんうん!久しぶりだなぁ。この塔。」

「咲、来た事あるのか?」

「うん、あるよ。……結構最強な武器と防具で挑んだけど…昔の装備じゃ歯がたたなくて…今はいける気がする…。必要なものは伯父様が用意してくれたし…。」

このクエストはAIと一緒に入る事ができない。ソロ専用クエスト。

「よし!じゃあいっきまーす!」と咲が先に入っていく。

次に僕が扉に手を触れてクエストを開始した。

真っ暗な空間からボボボボボッとロウソクの明かりがついて…部屋の中央にカエルと人間と猫の顔をもつ蜘蛛が現れた。

タクトを構えると…ハルがでてきた。

「残念。みんな主のとこへ行っちゃったよ。」

「なっ!?………。」

「伝言終わり!じゃあね!」

ハルまでも咲の方へ行ってしまった。

………誰も…いない…。どうしよう…出る?…出ようかな…。

蜘蛛が襲い掛かってきて…ギュッと目を瞑ってしまった…すると痛みが来ずに…

「うっ。」と…ウォールの声が聞こえた。

「ウォール!!!」

「すまない…一時だけだが、側を離れてしまった…。」

「ありがとう…でも…どうする事も……。」

………そうだ…ダメもとで…サモンゲートを使ってみよう…。

「サモンゲート!!」

クエスト中は無理かと思いきや…ゲートが開いて…

「なっ……はぁ。……大事な仕事の途中だというのに。どこですか?ここは。」と千翠さんがでてきてしまった。

「す、すみません!!ソロモンの宴で!!…そのっ…春風のタクトは今諸事情で使えなくって…。」

「………しかし…驚きましたね。クエスト中でも使えるとは。ますますうちのギルドはチートだ。」

蜘蛛が千翠さんに襲い掛かってきたが、千翠さんはそれを素手で切り裂いた。

…正確には爪に武器がついてるんだと思う。

「このような雑魚相手なら、そのタクトで殴るだけで倒せますよ。」

「え…そんなに弱いんですか?」

「はい。13階までは…ですが。」

ちゃんと千翠さんを見ると千翠さんの背後にホログラム画面で時計みたいなものが表示されていた…

「あの…その後ろの数字はなんでしょう?」

千翠さんは振り返って確認した。

「……時間…制限……ふむ…。残り14分…まずいですね…。先を急ぎましょう。」

あれ…制限時間を表示してたのか!確かに…徐々に時間減ってきてる。


あっという間に10階…10階では敵が僕らを回復してくれた。

「この階の敵はどうして回復してくれるんですか?」

「…ブエルか。…男性には回復を…女性には死をもたらす…そんな悪魔です。」

「うわ…男で良かったです…。」

「そうです…ねっ。」と千翠さんはまたもや手を払うだけで倒してしまった。


千翠さんと一緒に塔を登って行き…問題の13階…耳を塞ぎたくなるようなトランペットの音が鳴り響いて…怒り狂った二足歩行の猫が現れる…

それを千翠さんはいとも簡単に倒してしまう。

早すぎて見えなかったが…千翠さんの手には…はやたんさんが持っていた素早さが上がるムチを装備していた。

「早い…ですね。いつもこんな感じなんですか?」

「いえ、いつもはもっと瞬殺です。敵の顔くらい見て置いたほうがよろしいかと思いまして。」

「……は、はぁ…なるほど。」


……千翠さんは…色んな武器を使いこなせるという事が判明した…。

「おっと…惜しかったですね。」

「え?」

「時間切れです。」

千翠は目の前から消えてしまった。

「サモンゲート!」

と叫ぶとホログラム画面がでてきて[1回のクエストにつき1回まで。]

…………只今70階…目の前には超美男子が…美男子すぎてキラキラ光ってるし…

「お待ちしておりました。…りきさん。」

「えっ…なんで僕の名前…。」

「あ、僕、ただのNPCではなく心あるAIみたいなものなんで色々見れますし喋れますし意思だってあるんですよ。」

「………そう…なんですね。」

「70階までお疲れ様です。癒して差し上げましょうか?」

「いえ、それはいいです…。」

「では…クリアさせてあげましょうか?僕はどんな願いも叶えて差し上げますよ。」

どうなって?……何かの罠?でも…僕には今武器がない…どの道もう進む事ができない…

…いや、そもそも…どんな願いもっておかしくないかな…。

「あの…どんな願いもって…例えばですけど…僕のAIになってって言ったらなってくれるんですか?」

「可能ですよ。」

可能なんだ……何か…何か無茶な願いを…

「これも例えばなんですけど…最強武器をくれっていったらくれるんですか?」

「それも可能です。」

なんだって??……じゃあ…

「えっと…例えばなんですけど…。」

「はぁ…(ため息)まだ続くのですか?」

ちょっと眉間に皺をよせる敵。

「すっすみません!これで最後なんで…GMを呼べっていったら呼べますか?」

「ふむ…それはできませんね。なるほど…僕にできる限り…をつけるべきでしたか。」

「なるほど…すみません…変なとこついてしまって…えっと、クリアするまで一緒に戦ってくれませんか?僕武器忘れちゃって…」

「は?……一瞬でクリア可能なのに一緒にちまちま戦えと?」

「はい…お願いします!!」

「………なるほど…ふっはっはっはっ!!良いでしょう。りきさんは面白ですね。どうして戦いたいんですか?それに武器を忘れてくるなんて…ここまでどうやって登ってきたんです?」

「あー…えー…っと、サモンゲートを使ったんです。」

と言うとホログラム画面がでてきて忠告が再び現れた。

「なるほど…まさかゲートにふるなんて。」

「…あの…詳しいんですね。ずっとここにいるんじゃないんですか?」

「普段はいないですよ。初心者の町の住民NPCとして意識は稼働しているんです。誰かが挑戦すると招集がかかって…ここに入る。別の誰かが同時チャレンジしてる場合、誰かが70階の魔物セーレとして戦っている事でしょう。まぁ…大体の方は私を倒してしまうか…クリアを選んで70階で外に出されるか…ですけどね。…あぁ、一人持ちかえりされた方がいましたけどね。」

「持ちかえりって…どんな感じなんですか?」

ゴゴゴゴと床が上に上がる…70階クリア報酬画面がでてきた。

……すぐにクリアを選んでたら…僕ここで終わってたのか…。

「持ちかえりは…さっき言いましたが僕らは普段、初心者の町の住民として稼働しています。ですので…待ち合わせをして、後にその使用しているNPCで接触し…AIの器に入る…だけですね。」

「器に…?えっ…待ってください…。…AIってもう既に意識というか…中は決まってるんじゃないんですか?」

「僕ら…セーレは入れ替わる事が可能なんだ。だから君も、僕をAIにしたい場合はまずタマゴを用意するか出来上がったAIを買ってくるかしないといけないってわけさ。」


床は71階になって止まり、またもや人型の中身が入ってそうなNPCが現れた。

「ん?セーレ……お前何してる?……。」と敵は真っ先にセーレさんに問う。

「すまないけど負けてくれないですか?ダンタリオン、僕はこの子のお願い事を聞いてる最中でして。」

「…はぁ(ため息)戦っても…願いを行使してる間は負けが確定されているな…。」

目の前の敵は細いレイピアのような剣を自分に刺して自害した。

「え…。」

71階クリアの報酬画面がでて床がゴゴゴゴと音を立てて動き出した。

「願い事を叶えてる最中は戦ってもプログラム的に勝ってしまいますからね。」

ぷ…プログラム的って何ですか!?


72階…大きな大蛇が舌をチロチロさせていた。

「…何も言う事はない。殺せ。」

「すまない。アンドロマリウス。」

セーレさんはどこからか取り出した剣で大蛇を刺した。

しばらくすると72階のクリア報酬画面が届いた。そしてまた床が動く。

「不思議ですね…何億人とこの塔に挑戦してるはずなのに…こういう事広まったりしないんですか?」

「ここをクリアできるような方はお強いですから、僕の力なんていらないでしょうし…ほら それに…中の人によっては…願いを叶えない人もいます…例えば…美女にしか叶えない方とか…。」

中の人って…

「あの…貴方はどうなんですか?どうして叶えようと思ったんですか?」

「はっはっは。りきさんは本当に面白いですね。AIの僕にここまで興味を持たれるなんて…僕はただマニュアル通りに動いてるだけです。」

「え?」

「もとはただのAI。マニュアル通りに動いているだけなんですよ。セーレはどんな望みも叶える悪魔なんで。ちなみに僕が担当した中ではこのようなクリアをされた方はりきさんが初めてですよ。」

…………これ聞いて良かった話なのかな。本当に不味いもの聞いちゃった気がするんだけど…。

「なんか…僕に付き合わせてしまってすみません。早く帰りたいでしょうに…。」

「はっはっはっ!本当に…AIごときにどこまで気を使うんですか?あぁ…そうだ。…僕は普段…初心者の町の中央…大きな噴水の近くで綿あめを販売してるNPCの中に入っています。もし、AIにしたいのなら声をかけてください。」

「え!?良いんですか!?」

「もちろんです。どうせ使われるならムーンバミューダ社ではなく、りきさんが良いです。」

「わかりました。じゃあ、AI拡張ができたら声かけますね。」

「…なるほど。」

「ん?」


73階…最上階。

フランシスコザビエルみたいな見た目の青いローブを着た人が立っていた。


「よくぞここまで登られましたね。おや、セーレ。まさか。」

「はい、ソロモン王。この者の願いを叶えております。」

「では…私は死なねばならないのですね。」

「はい。それと…報酬に100BPを与えてあげてください。」

え!?セーレさん何言って…。

「それも願いか?」

「はい。」とセーレさんにはニコリと笑う。

「良かろう…。」

良いの!?………どうなってるんだろう…このクエストは…。

クエストが終わり…最後にセーレさんが「待っています。」と僕に耳打ちをして…僕は塔から出された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ