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RealSocialGame  作者: 無月公主


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【賢者の書vs千翠】

咲は僕の後ろに隠れる。


「だれ?」と咲はルナさんを知らないようだった。昔接触した事があるとは聞いた気がするけど…咲は覚えていないのかな。


「ギルド長のルナさん。」


「どうして…私のリアルを知ってるの?」


「…………どうやら当たりのようね。」


「どういう事ですか?」


「陽子は…コホンッ…咲は記憶喪失にでもなってるの?」


「あー、はい。そうみたいです。」


「ちょっと!どーして言うのよ!」と咲は怒る。


「咲は昔この人に会った事あるはずなんだ。忘れてるみたいだけど。」


「え?……思い出せない…。」


「ま、いいわ。色々あるんでしょ。全ての答え合わせはヴァルプルギスの前夜にでも…佐藤から聞くといいわ。どうせ…抱えてる問題はすぐには解決しないものだから…。」


「ヴァルプルギスの前夜…。」


「そんな事より、シンカが負けるとこ初めて見たわ。なんだか新鮮。」


「勝てる気でいました…負けた事なんて一度もなかったんで…それに3段になって、リーチも長くなったはずなのに…とんだ化け物娘ですよアレわ。」


「化け物娘!?ひっどーい!」と咲は顔を膨らます。


「まぁまぁ。」僕は咲をなだめる。


「なら、もう一人でも大丈夫かしら?どうなの?AI咲。聞いてると思うけど、りきは後1回の負けたらペナルティ送りだけど。」


「まだ…武器がないから…その…私一人じゃ守り切れないかな。」


「そう、じゃあ…シン。ついてあげれる?」


「あぁ、うん。」


「シン、引継ぎの仕事は誰に任せてるんです?」


「ガウルさんに。だからフォローよろしく。」


「ええ、わかったわ。じゃあシン…夜は戻ってね。」


「うん、必ず。」


ルナさんは一度ぎゅっとシンさんを抱きしめてからゲートでシンカさんとどこかへ消えていった。

「すみません、僕たちまだ未熟で。」

「いいよ。別に。色々聞かせてほしいところだけど…言える範囲でいいからさ。」

「あ、はい。」

「…えっと、はじめまして。ルナのAIシンです。よろしく。」

「りきのAI咲(さき)…です。よろしく。」

「咲、どうしたの?ほんとに人見知り?」

「う、うるさい!」

「いいなぁ…肉入り。」

肉入りってなんだろう?聞き覚えのない言葉だ…。

「…もしかして、肉入りってなんだろう?って思ってる?」

「はい…。」

「肉入りっていうのは…中身がユーザーである事。そうでしょ?」と咲が説明してくれた。

「そう。」

「へぇ…。」

「昔のゲームとかで使われてた言葉よ。」

「立ち話もなんだし…部屋いかない?」

「あ、はい。じゃあゲートだします。」

僕は自室のゲートを出した。


「りきの部屋みてみたい!」と入って行く咲。

ゲートを3人でくぐった。


「え……この部屋…。」

「ん?」

「この部屋どうしたの?…私の時はハウジングなんて実装されてなくて…まだテスト段階の時に…試作で作った部屋で…。」

「えっと…サンフラワーって町で家具とか…壁紙とか一式販売されてたんだ。それを買ったというか。」

「サンフラワー…そうだ…思い出した!…なるほど。」

「何が?」

「えっと…現実世界に戻った時話すね。」

「あ。うん。」

「あの…設定ガバガバだからもうちょっと気を付けたら?仮にもAIなんだし。とりあえず現実世界って言葉禁止。」とシンさんがジト目で咲を見る。

「あ!そ、そうだよね。」

「はっきり言って 変 だから。AIらしくしないと気づかれるよ。」

「う…はい。」咲がシュンとした。

「シ…シンさん、僕も気を付けるんでそのへんで。」

「あぁ、ごめん。羨ましくてつい。」シンさんは椅子に座った。

僕と咲も椅子に座った。

「あ、そうだ。これ写真なんですけど…。」僕はスマホをポチポチして写真を取り出してシンさんに渡した。

「これが…家か…確かに…江戸っぽいけど…全然違うね。」

「江戸は昔過ぎるんで…えっとこれが学校でとった写真です。」

「…これが…人間か。ほんとだ…ココとは全然違う生き物なんだね。」

「えっ。全然違いますか?」

「うん。チンパンジーと猿くらい違う。」

シンさんはしばらく写真を眺めていて…

「………。」咲が何か考えこんでいるような顔をしていて…

「どうかした?」

「ううん……私にも…AIがいた気がして…。」

「え…あぁ!いる!異形の町に!」

「あぁ、もしかして試作AI?ココロさん?」

「そうです!あの真っ白の!」

「…ココロ…ココロ…そうだ…私が名付けた。一緒にいた…。」

「大丈夫?だいぶ重症みたいだけど。」とシンさんは眉をひそめる。

「重症なんですよね。」

「むぅ…!!仕方ないじゃない!」

「ちなみに…なんで一緒に行動してるの?」

「あー…近所同士だったというか…。たまたまが重なった感じ…ですかね。」

「そうね、たまたま…かな。ほんとに頭おかしい人だったらどうしようかと思ったけど…。」

「う…。」

「え?(笑)どういう意味?」

「りきはね。挨拶しかしない私にずーっと喋りかけてたの。永遠と独り言…今日あった事とか家の事とか。」

「ぷふっ(笑)そういえば戦ってる時も独り言多いよね。」

「ちがっ!!違いますよ!!あれは武器に住んでるAIと喋ってるだけで…。ちょっ!!咲まで変な目でみないで!」

「あー…おっかし(笑)」と咲は笑う。

「あ。そうだ。今後はどういう方針でやってくの?目標のAIは手に入れたでしょ?」

「今後は、まずは私の武器ね。それから りきのMAP埋めと…あと2体AIが必要だからバトルかな。」

「バトルって大丈夫?もう罰2なんでしょ?」

「初心者狩りしちゃえば平気でしょ!」と咲は悪びれない顔で言う。

「んー…ミルフィオレがそんなダサい事してるって評判たつと嫌なんだけど。」とシンさんが困った顔をする。

「クエストでちまちま集めろっていうの?」

「咲、ペナルティ覚悟で普通にバトルするよ。ミルフィオレには散々お世話になってるし…僕はもう…負ける気がしない。咲がいるから。」

「りき…。」

「…あ。千翠さんと咲どっちが強いかなぁ?」

「いきなり何よ…というか千翠ってだれよ。」

「千翠さんはここのギルドの副官だよ。めちゃくちゃ強そうなんだ。」

「千翠さん倒せたらさ、ヒルコも倒せるって事でしょ?てことは誰と戦っても勝てるんじゃないかなぁって思っただけ。」

「戦ってみてもいいけど…とりあえず、武器が必要。」

「武器って…どんな武器がいいの?」

「んー…そうだなー…例えばだけど…賢者の書とか!」

「…え。」とシンさんとハモってしまった。

「あれとるの大変だけど。高校生の頭じゃクリア難しんじゃないかな。」

「クイズ形式なの?」

「そう。8階建ての塔の最上階でとれる魔導書。1階ごとにクイズを出す老人がいるんだ。正解しないと上へは上がれない。」

「じゃあ買いましょう。」

「相場は20万くらいかな。」

「に!?20万って…。咲、どうしても賢者の書じゃないとダメ?」

「ダメよ。ねぇねぇ、黄金が眠る洞窟の開催日っていつかわかる?」

「あー…現実世界の昨日あったから…現実世界の一か月後じゃないかなぁ。」

「待って!?あの周回またやるの!?」

「賢者の書がいい!」


コンコンと部屋をノックされる音がして、出てみると…千翠さんだった。


「…久しいですね。現実世界の朝、闘技場で試合なさったそうですね。」

「あ…はい。AI咲のおかげで…なんとか勝てましたけど…。」

千翠さんを部屋に招いて椅子に座ってもらった。


「…なんですか?この部屋は。」

「えっと…。」千翠さん…そんな嫌そうな顔しなくても…。

「私の趣味。」と咲は言った。

「あぁ、これがりきさんのAIですか。」

「あ、千翠さん。丁度良かった。このAIが賢者の書を欲しがってて…どうにかなんないですかね?」

「良いですよ。差し上げても。ただし…装備した状態で私に勝つ事ができれば…ですが。」

「い゛…やっぱり地道にお金を稼ぐしか…。」

「何弱気になってるのよ、りき。戦うわよ!」

「え…でも…相手はヒルコさんより強い千翠さんだよ?」

「ねぇ。賢者の書を装備した状態で戦うんだよね?」

「はい、一度お貸し致しますよ。」

「余裕よ。余裕。」

「え?…」


こうして千翠さんと咲が練習試合をする事になった。


さっきも使った練習場に4人移動して、咲は千翠さんから賢者の書を貸してもらって装備した。


「大丈夫ですか?賢者の書は魔法書ではありませんよ?」と千翠さんは少し声をはって確認をとる。


「そんな事!誰よりもわかってるんだから。」と咲は自信満々なようで…。


試合開始のカウントダウンがはじまった。


「春風のタクトといい、賢者の書といい…なんなの?」と隣にいるシンさんは僕に問う。

「…なんでしょう?(汗)」


カウントダウンが0になって、咲は賢者の書を開いてブツブツと何かを呟く…すると賢者の書から飛び出した七色の球体は次々「承認。」し、七色の球体が咲の中に入っていく。


「ほう…これはこれは面白い。」と千翠さんはニタァっと怪しく笑む。それから千翠さんも書を取り出した。

千翠さんの書から黒いキューブがとびだして…そのキューブは咲を飲み込んでしまった。


咲視点の画面では…広大な迷宮が広がっていた。

千翠さんはキューブに触れて「剣の雨」と呟いた。

すると…咲の画面では無数の剣の雨が降った。

咲は物凄いスピードで避けて、迷路の壁をぶち破ってキューブから出て千翠さんを殴り飛ばした。

千翠さんは真顔だ。あんなに痛そうな攻撃を受けて…真顔だった。

千翠さんは壁にぶつかって、別の魔法書をとりだして結界をはり、詠唱をはじめる。

咲は結界を殴る…何度も殴るとヒビが入ってパリンと割れて、そのまま殴ろうとして千翠さんが咲の腕をぎゅっと掴み止める…が、蹴りが入ってそのまま体力を削られた。


試合はそこで終了した。


「これは…上限値超えですね。賢者の書で何倍にも膨れ上がったステータスでゴリ押し…ですか。」


「これ…もらってもいい?おじさん。」と咲はニッコリ微笑む。


「ええ、良いでしょう。差し上げますよ。」とニコリと笑う千翠さん…作られた笑顔が恐い。


「千翠さん倒しちゃうとか…ほんと凄いね。本物のチートかな?」

「何したんだろ…。」


咲と千翠さんがこちらへ戻ってきた。


「お疲れ様です、千翠さん。」とシンさんは声をかけた。

「無敵の【冥界の箱庭】が破られるとは思ってもみませんでした。あと、光のバリアも素手で叩き割ってきましたし…賢者の書の承認の確率はだいたい3%と言われていますので…それをメインで使う人も少ない。……ですから…それを使っていると…色々バレますよ。陽子さん。」


「なっ!!」咲は驚いていた。

「…もしかして幹部クラスの人はみんな色々知ってたりするんですか?」

「いえ、これはルナと一緒に暮らしてた私くらいでしょう。賢者の書を使うのでしたら、武器製作ができる方に見た目の加工をしてもらった方が良いですよ。」

「……やっぱりフラワーサンに行くしかないわね。」

「サンフラワーだから。」とシンさんが咲にツッコミをいれる。

「う、うるさいなぁ。」と顔を少し赤くして頬を膨らます。

「サンフラワーに何用ですか?」と千翠さんが聞く。

「知り合いが…多分いるはず。武器制作できる子。」

「ほぅ。興味があるので私も参りましょう。」と千翠さんが言うと…

ゲートが開いて、そこからダリアさんがでてきて「千翠、きてくれ。」と言って千翠さんの袖をひっぱった。

「ちょっ…今から用事が…。」

「こっちも用事だ。」

「はぁ…(深いため息)どうやら、同行するのは無理そうなのでお気をつけて。」と千翠さんはダリアさんの手によりゲートに押し込められて去って行ってしまった。


「千翠さん、忙しい人だから。」とシンさん。

「みたいですね。」

「それじゃあ、行きましょう!」

咲をパーティーに誘い、3人でサンフラワーに移動した。

















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