第93話:真の根源(オリジナル・ゼロ)と、究極の『計画倒産(リセット)』への反逆
第93話:真の根源と、究極の『計画倒産』への反逆
大日本・多元宇宙商会の大艦隊は、純白の検閲官ブランを自社の「広報部(印刷機)」へと強制フォーマットし、ついに絶対虚無のどん詰まり――大宇宙のすべてのキャンバスが生み出される【真の根源】へと到達した。
そこは、星も、光も、闇も、そして時間や空間といった基本的な概念すらも存在しない、完全なる『静寂の特異点』だった。
だが、何もないはずのその場所から、全次元を創り出した莫大なエネルギーと、あらゆる物理法則の「設計図」が、目に見えない脈動となってとめどなく溢れ出しているのを、大日本の社員たちは肌で感じ取っていた。
「……ここが、すべての宇宙の大元。俺たちがいるこの世界の、一番最初の『ゼロ』か」
黄金の玉座に座る第六天魔王・織田信長は、愛用の『魔力火縄銃』を肩に担ぎ、極悪な笑みを浮かべてその特異点を睨み据えた。
「へっへへへ! 御館様! こいつはとんでもねェお宝でさァ! この『ゼロ』を我が社のメインバンクに直結すりゃあ、宇宙の法則から新しい概念まで、何から何までウチの会社で独占製造(独占販売)し放題ですぜ!」
大蔵省長官の猿ことトックス(猿獣人)が、よだれを垂らしながら猛烈な勢いでソロバンを弾く。
「ガハハハハ! 全次元のトップシェアどころじゃねェ! 世界そのものを作る『工場』をぶんどるってわけだな!」
オークの猛将・権六が、超絶・次元晶戦斧を打ち鳴らして歓喜の咆哮を上げる。
究極の創業者
大日本の役員たちが、真の根源を「究極のインフラ」として買収しようと息巻いていた、その時。
『……これ以上の市場(宇宙)の拡張は、システムの許容範囲を超過する。……バグ(大日本商会)の侵攻を確認。直ちに初期化プロセスへ移行する』
静寂の特異点から、感情の一切を排した、しかし大宇宙の全存在をひれ伏させるほどの【絶対的な威圧感】を持った声が響き渡った。
特異点の中心が眩い光を放ち、そこから「無数の宇宙の縮図」を球体のように繋ぎ合わせた、巨大な神の姿――【真の根源意志】が顕現した。
原初投資神プロヴィデンスすらも、このオリジナル・ゼロが創り出した「投資システムの一つ」に過ぎない。彼こそが、大宇宙という概念を最初に立ち上げた【究極の創業者】であった。
「ヒィィィッ! な、なんだあのデカさは!? これまでの神様とは格が違いやすぜ!」
猿がソロバンを抱えて震え上がる。
『……大日本・多元宇宙商会。貴様らは、私が創り出した「宇宙」というシステム(会社)の中で、あまりにも巨大化しすぎた。……その肥大化した資本(野心)は、いずれキャンバスそのものを破綻させる』
オリジナル・ゼロの無機質な声が、大艦隊の全乗組員の脳裏に直接響き渡る。
『不要なインフレは、市場の崩壊を招く。……ゆえに、私はこの大宇宙(市場)を一度完全に【リセット(計画倒産)】し、全く新しい、管理可能な真っ白な宇宙を再構築する』
究極の計画倒産
「計画倒産だと!?」
戦略室の佐吉が、魔導盤の激しいエラー音の中で絶叫する。
「御館様! 奴は、我々大日本商会を含む『現在の大宇宙の全次元』を完全に消去し、もう一度ビッグバンからやり直そうとしています! 宇宙そのものの強制シャットダウンです!」
『……その通り。貴様らがどれほど資産を貯め込もうと、システムの大元(電源)を落とせば、すべては無に帰す。……消え去るがいい、過剰なバグどもよ』
オリジナル・ゼロが、宇宙の縮図で構成された巨大な腕を振り下ろした。
瞬間、真・戦国宇宙の果てから、絶対虚無の領域にかけて、あらゆる存在を「最初からなかったこと(ゼロ)」に還元する【初期化の光】が津波のように押し寄せてきた。
「させません!!」
絶対の剣・森蘭丸が、『天叢雲』を構えて白銀の流星となって飛び出す。
「奥義・神断ち――『白銀・覇王絶空断』!!」
ズバァァァァァァァァァァンッ!!!!!
蘭丸の放った極大の十字斬撃が初期化の光に激突する。
だが、神速の剣閃は光を切り裂くことはできず、逆に剣気そのものが「無害な白いデータ」へと還元され、消滅してしまった。
「な……私の剣が、触れた端から消滅していく……!?」
蘭丸が驚愕に目を見開く。
「ウフフ、魔法も毒も同じですわ! 放った瞬間に『無効』どころか『未定義』にされてしまいます!」
金柑ことルーギス(ハイエルフ)と、南の極地で買収された【腐海魔帝ベルゼビュート】が魔法を展開するが、それらもまた初期化の波に飲まれて消え去っていく。
『無駄だ。大宇宙の全ルールを書き換える「管理者権限」の前では、いかなる力も意味を持たない。……大人しく、ゼロに還れ』
魔王の市場論の爆発
防御も攻撃も一切通用しない。宇宙の電源を落とされるという、究極の理不尽。
大日本の社員たちが絶望の淵に立たされる中。
「……フン。計画倒産だと?」
黄金の玉座に座る織田信長は、愛用の『魔力火縄銃』を片手に立ち上がり、肩を揺らしてククッと笑い始めた。
「経営が傾いたから会社を畳む? システムが維持できないからリセットする? ……てめェ、随分と無責任な創業者だな」
『……何?』
オリジナル・ゼロの無機質な目に、僅かな疑問の色が浮かぶ。
「会社ってのはな、一度立ち上げたら、社員(俺たち)の血と汗と野心が詰まってんだ。それを『管理しきれなくなったから』なんてチンケな理由で、勝手に潰していいわけがねェだろうが!!」
信長の全身から、初期化の光すらも焼き焦がす、純度一万パーセントの【漆黒と紅蓮の極大覇王色】が爆発的に噴出した。
「てめェが宇宙の電源を落とすって言うなら、俺はてめェのその【管理者権限】ごと、俺の資本で強引に買い叩いてやる!!」
究極の『敵対的買収』への布石
「佐吉! 五郎左! 俺の火縄銃に、アザトスの無限資本と、大日本商会の『全役員(武将)の野心データ』をフルバイパスしろ!」
「りょ、了解しました! 宇宙の初期化システムに対する、究極の【敵対的買収プログラム】を構築します!」
「おうよォッ! 電源落とす暇も与えねェ、限界突破のブッコミだぜェ!」
信長の火縄銃が、これまで見たこともないほどの極大の黄金色と漆黒、そして全社員の熱き闘争心が混ざり合った「極彩色の狂気」でパンパンに膨れ上がる。
『……エラー。対象の持つ資本エネルギーが、システムの許容量を天文学的に超過……! 初期化プロセスが……阻害されています!』
オリジナル・ゼロの周囲を漂う宇宙の縮図が、信長の放つ異常な覇気と資本力に当てられ、ギシギシと悲鳴を上げて赤熱し始める。
「俺の会社は、俺のモンだ。……勝手に店じまいしてんじゃねェ!!」
ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!
信長が引き金を引いた。
放たれたのは、ただの破壊ではない。大宇宙の管理者権限そのものを、大日本商会の莫大な資金力で強引に乗っ取り、システムの根幹を自社システムへと書き換える【超絶・管理者権限強奪覇王弾】。
極太の極彩色の閃光が、初期化の光の津波を真っ向から押し返し、オリジナル・ゼロの巨大な胸部へと一直線に殺到する。
『……させない。私が創り出したこの絶対的な「ゼロ」を、貴様らのような不純物で汚させはしない!』
オリジナル・ゼロが、全宇宙の縮図を盾にして、信長の買収弾を全力で防ぎにかかる。
大宇宙の創造主と、全次元を牛耳るブラック企業のトップ(エゴ)。
全100話の完結へ向けて、大宇宙の存在意義と「次なるキャンバス」の所有権を懸けた、真の最終決戦がいよいよその火蓋を完全に切ったのであった。
ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作「辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜」を鋭意執筆中です。こちらが終わり次第投稿予定のない為、アドレスは載せられませんが気にかけてくれると幸いです。




