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異世界・天下布武 〜魔族を従えた織田信長は、今度こそ本能寺を回避する〜  作者: 盆ちゃん


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第92話:絶対純白の検閲官と、究極の『強制企画書叩きつけ(ハイパー・プレゼンテーション)』

第92話:絶対純白の検閲官と、究極の『強制企画書叩きつけ(ハイパー・プレゼンテーション)』

 大宇宙の境界(次元の壁)を破壊し、一切の概念が存在しない絶対虚無ブルー・オーシャンへと新規参入を果たした大日本・多元宇宙商会。

 彼らは「没宇宙の廃棄場」を強制コンサルティングして手に入れた、大宇宙のすべての大元たる【真の根源オリジナル・ゼロ】の座標へ向けて、アザトスの無限資本をドロドロに溶かした『黄金のレール』を猛烈な速度で敷き続けていた。

「へっへへへ! 御館様! スーパーコンピューター(旧・忘却の廃王)の弾き出した座標まで、あと少しでさァ! この虚無のどん詰まりに、一体どんなデカいシノギが眠っているのか、ソロバンを持つ手が震えやすぜ!」

 大蔵省長官の猿ことトックス(猿獣人)が、艦隊の先頭で歓喜の声を上げる。

「ガハハハハ! 神様を創ったさらに大元のバケモノってことだろ! 相手にとって不足はねェ! 俺の斧でドタマをカチ割って、ウチの会社の下請けにしてやらァ!」

 オークの猛将・権六ゴルグが、超絶・次元晶戦斧を素振りして気炎を吐く。

 だが、大艦隊が目標座標に近づくにつれ、戦略室の佐吉イシオンの顔からは血の気が引いていた。

「……お、御館様。異常事態です。魔導盤の数値が……『計測不能』ではなく、『白紙』になっています!」

「白紙だと?」

 黄金の玉座に座る信長が、葉巻の煙を吐き出しながら眉を動かした。

「はい! 我々の敷いている黄金のレール(インフラ)の先端が、突如として色と価値を失い、ただの【白い空間】へと溶けて消えています! この先の宙域は、虚無(無)ではありません。あらゆる概念を拒絶する【絶対純白の空間】です!」

原初検閲官プライマル・センサーブラン

 佐吉の絶叫と同時。

 大日本艦隊の行く手を阻むように、果てしなく広がる白灰色の虚無が、一瞬にして【目が眩むほどの純白】へと塗り替えられた。

 光ではない。それは「色が何もない」という、究極のプレーンな状態。

 そして、その純白の空間から、輪郭を持たない純白の天使の姿をした超常存在――【原初検閲官プライマル・センサーブラン】が顕現した。

『……停止しなさい。大宇宙の汚染物質バグども』

 ブランの声は、怒りも敵意も、神としての威圧感すらも存在しない、完全に漂白された無機質な音声だった。

『この先は【真の根源】。大宇宙というキャンバスが描かれる前の、最も美しく、最も完全なる「白紙の領域」。……貴様らのような野心や闘争といった【汚らわしいインク(概念)】が足を踏み入れることは、私が許可しない』

「ヒィィィッ! 今度は真っ白なバケモノですかィ!? なんか、見てるだけであっしの毛並みまで白髪になりそうでさァ!」

 猿がソロバンを盾にして震え上がる。

「オラァッ! 白紙だろうが何だろうが、俺の斧で真っ赤な血祭りに上げてやらァ!」

 権六が、迷うことなく跳躍し、純白の天使めがけて戦斧を大上段から振り下ろした。

 空間を両断する、赤黒い極大の次元斬撃。

 スウゥゥゥゥッ……。

 だが。戦斧の斬撃がブランに届く直前、赤黒いエフェクトが空中で【真っ白】に漂白され、斬撃の威力そのものが「最初から存在しなかった(白紙になった)」かのように消滅してしまったのだ。

「な、なんだとォ!?」

 権六が空中で目を見開く。

『……検閲ホワイトアウト完了。不適切な暴力表現を削除しました』

 ブランが純白の指を軽く振ると、権六の身体そのものに「白い修正液」のような光がまとわりつき、彼を甲板へと無造作に弾き飛ばした。

コンプライアンスの絶対防壁

「オヤジィ! てめェ、よくも!」

 又左マティアスキールが激高し、超光速の雷撃とプラズマを全方位から叩き込む。

 だが、その莫大な熱量も雷光も、ブランの周囲に展開された【絶対純白の防壁】に触れた瞬間、すべてが「無地の白いデータ」へと書き換えられて霧散した。

「ウフフ、物理や魔法がダメなら、私の毒はどうです?」

 南の【腐海魔帝ベルゼビュート】と官兵衛クロードが、すべてを腐食させる猛毒の呪いを放つ。

 しかし。

『……検閲完了。不衛生な概念(毒)を消毒・漂白しました』

 極悪な毒の雲すらも、一瞬にして「無害な白い蒸気」へと変えられてしまう。

「御館様! 奴は我々の攻撃を防いでいるのではありません! 相手の放つ力、概念、ルールそのものを【不適切なデータ】として検閲し、無理やり『白紙なかったこと』に書き換えているのです!」

 佐吉が、自身の魔導盤のスクリーンが次々と白く塗りつぶされていくのを見て絶叫する。

「なんて理不尽な……。これでは、どんな強力な攻撃も、放った瞬間に『白紙の企画書』に戻されてしまいますわ!」

 金柑ことルーギス(ハイエルフ)が、銀の杖を握りしめて歯噛みする。

『……理解したか、汚染物質ども。貴様らが大宇宙でどれほど強大な力(会社)を築き上げようと、この原初の白紙の前では何の意味も持たない。……さあ、貴様らの存在そのものを、美しき白紙へと還してやろう』

 ブランが両手を広げると、大日本艦隊全体を包み込むほどの【超特大の修正液ホワイトアウト・ウェーブ】が迫り来る。

究極の『企画書プレゼン

「……フン」

 絶望的な光景を前に、黄金の玉座に座る織田信長は、呆れたように葉巻の煙を吐き出し、ゆっくりと立ち上がった。

「御館様……?」

 蘭丸が、白銀の神気を纏いながら主君を見上げる。

「何が『美しき白紙』だ。笑わせるな」

 信長は、愛用の『魔力火縄銃』を肩に担ぎ、極悪な笑みを限界まで深めてマントを翻した。

「白紙ってのはな、『何もしないから美しい』んじゃねェ。……俺たち起業家トップが、これからどんなデカい野心ビジネスを描き込むか。そのための【極上のキャンバス】だから価値があるんだよ!」

『……何を言っている。汚らわしいインクで、この完全なる無を汚すことは許さない』

 ブランが、純白の波を信長へと差し向ける。

「汚すだと? てめェみたいなコンプライアンス(検閲)にガチガチに縛られた頭の固い役人センサーには分からねェだろうがな」

 信長の全身から、純白の空間すらも侵食して沸騰させるほどの、ドス黒く、そして極彩色に輝く【漆黒の覇王色エゴ】が爆発的に噴出した。

「真っ白な企画書の裏面に、圧倒的な『黒字インク』を叩きつけて、世界(市場)をひっくり返す。……それが俺たち大日本商会のやり方だ!!」

強制企画書叩きつけ(ハイパー・プレゼンテーション)

「佐吉! 五郎左! 俺の火縄銃に、アザトスの無限資本と、俺の野心エゴを極限まで圧縮しろ!」

「りょ、了解しました! 純白の検閲を突破する、純度一万パーセントの『漆黒の企画データ』をロードします!」

「おうよォッ! てめェの真っ白なツラに、俺たちの社章スタンプをブチ込んでやりなァ!」

 信長の火縄銃が、黄金の光すらも超えた、周囲の白をすべて吸い込むような【絶対的な漆黒(究極のインク)】でパンパンに膨れ上がる。

『……警告! 異常な濃度の概念インクを検知! け、検閲が……追いつかない……!?』

 ブランの無機質な声に、初めて動揺のノイズが走った。

 白く塗りつぶす(検閲する)速度を、信長の放つ野心インクの湧き出す速度と濃度が完全に凌駕してしまったのだ。

「てめェが白紙に戻すより速く、俺の野心を上書きしてやる! ……受け取りな! 大日本商会がてめェに叩きつける、究極の【事業計画書プレゼン】だ!!」

 ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!

 信長が引き金を引いた。

 放たれたのは、相手の検閲システムを物理的なインク(野心)の質量で強引に塗りつぶし、白紙の概念に「大日本商会の圧倒的な黒字(存在意義)」を強制的に書き込む【超絶・強制企画書叩きつけ(ハイパー・プレゼンテーション)覇王弾】。

 極太の漆黒の閃光が、ブランの展開する純白の防壁を「ただの紙切れ」のようにブチ破り、その胸部を真っ向から貫いた。

『ガ、アァァァァァァァァァァッ!? 白紙ガ……我ガ完全ナル白紙ガ……ドス黒イ野心エゴデ、塗リ潰サレテイクゥゥゥッ!!』

 ピキィィィィィィィィィンッ!!!!!

 断末魔の叫びと共に、原初検閲官ブランの純白の巨体は、一瞬にして大日本商会の『新・永楽銭』の模様と漆黒のインクに染め上げられ、巨大な【自動印刷機(大日本商会・広報部プレスルーム)】へと強制的にフォーマットされてしまった。

真の根源への到達

「ガハハハハ! やりやがった! 真っ白なバケモノが、ただの『印刷機』になっちまったぜェ!」

 権六が、インクに染まった巨大な広報設備を見上げて大笑いする。

「へっへへへ! こいつは便利でさァ! この印刷機を使えば、ウチの会社の辞令や株券を、この白紙の空間に無限に刷り出し放題ですぜ!」

 猿が、吐き出される真っ黒な株券の束を抱きしめて狂喜する。

「……フゥ。どんなに真っ白で綺麗なキャンバスも、使わなきゃただのゴミだ」

 信長は、火縄銃の硝煙を吹き消し、新たに獲得したインフラを満足げに見下ろした。

「御館様、お見事です。相手の『検閲』すらも、自社の『広報力』で上書きしてしまうとは」

 蘭丸が、絶対の忠誠を示すように深く一礼する。

「ああ。だが、これでついに『門番』は片付いたようだな」

 信長は、玉座に座り直し、ブランが消滅したことで開かれた、純白の空間のさらに奥深くを鋭く睨み据えた。

 そこには、星も、光も、闇すらない。

 ただ、大宇宙のすべての歴史、概念、物理法則が【そこから流れ出している】と直感的に理解できる、静かで、しかし絶対的な重圧を放つ『一点の特異点』が存在していた。

「あれが……大宇宙のすべてのキャンバスを生み出している大元、【真の根源オリジナル・ゼロ】……」

 佐吉が、魔導盤の数式すらも放棄して、その神秘に息を呑む。

「面白ェ。俺たちの壮大な陣取り合戦シノギも、いよいよ大詰め(グランド・フィナーレ)ってわけだ」

 信長は、極悪な笑みを浮かべ、愛刀『宗三左文字』の柄に手をかけた。

「さあ、全艦隊、最後の前進だ! あの真の根源のド真ん中に、大日本商会の社長室オフィスをブッ建てに行くぞ!!」

 すべての概念を白紙に戻す原初検閲官すらも「圧倒的な企画書インク」で買収し、自社の広報部へと変えてしまった第六天魔王。

 全100話の完結へ向けて、大日本・多元宇宙商会はいよいよ、大宇宙のすべてが始まった「究極の原点」を完全に独占するための、最後のカチコミへと突入していくのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作「辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜」を鋭意執筆中です。こちらが終わり次第投稿予定のない為、アドレスは載せられませんが気にかけてくれると幸いです。

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