第83話:創造と破壊の真神、そして大日本商会『全社員総力戦』
第83話:創造と破壊の真神、そして大日本商会『全社員総力戦』
白金の役員会議室という「システム上のハコ」は、織田信長が放った無限の株式増資(資本の暴力)によって完全に粉砕された。
原初投資神プロヴィデンスは、大宇宙の全権利を持つ「株主」という絶対的なアドバンテージを失った。だが、それは同時に、彼が自らを縛っていた『投資家としてのルール』を完全に脱ぎ捨てたことを意味していた。
『……愚かな。システムの中で生かされているうちに、大人しく配当金として刈り取られていれば良かったものを』
砕け散った光の残骸の奥から、ドス黒い破壊の波動と、眩すぎる創造の光が入り混じった、悍ましいほどに巨大な神の真の肉体が顕現した。
それは、宇宙の始まり(ビッグバン)と終わり(ビッグクランチ)を一身に内包した、言語を絶する【純粋なる創造と破壊の神】の姿であった。
『理屈も、資本も、もはや不要。……これより先は、純粋なる暴力によって貴様らというバグを完全に「削除」する』
プロヴィデンスが、黄金と漆黒の腕を無造作に振り抜いた。
――ズガァァァァァァァァァァンッ!!!!!
ただの腕振りの風圧だけで、数億光年の空間が物理的に「消滅」し、そこに全く別の「狂暴な火の海の銀河」が瞬時に【創造】されて大日本艦隊に襲いかかった。
「ヒィィィッ! なんだありゃあ! ルールが無くなった途端、ムチャクチャな暴力(物理)を振り回してきやがる!」
大蔵省長官の猿ことトックス(猿獣人)が、燃え盛る火の海の銀河を見て悲鳴を上げる。
「ガハハハハ! 上等だぜェ! 小賢しい契約書より、殴り合いの方が俺たちブラック企業にはお似合いだァ!」
オークの猛将・権六が、超絶・次元晶戦斧をフルスイングし、迫り来る火の海の銀河を空間ごと真っ二つに叩き割る。
大日本商会・全社員総力戦
『無駄だ。破壊すれば、さらに新たなものを創り出すだけのこと』
プロヴィデンスの両手から、今度は「絶対零度の氷結星雲」と「すべてを溶かす猛毒のブラックホール」が同時に放たれた。
「オヤジ! ここは俺たちに任せろ!」
又左と虎が、超光速次元エンジンを全開にし、雷神の如き速度で氷結星雲のド真ん中へ突入。極大のプラズマ雷撃で氷の星々を次々と蒸発させていく。
「猛毒のブラックホールですか……。毒の扱いなら、私の方が一日の長がありますわよ」
南の【腐海魔帝ベルゼビュート】が妖しく微笑み、自身の持つ「絶対腐食の呪い」をブラックホールへ逆流させる。軍師の官兵衛がその呪いを戦術的に圧縮・拡散させ、ブラックホールそのものを内側からドス黒く腐らせて自壊させた。
「ウフフ、神様とはいえ、現場の連携を舐めないでいただきたいですね」
金柑ことルーギス(ハイエルフ)が銀の杖を振るい、超広範囲の『次元反射結界』を幾重にも展開し、プロヴィデンスの放つ破壊の余波から大艦隊を完璧に防衛する。
物理、魔法、毒、そして科学。大日本商会がこれまで買収し、吸収してきた「全宇宙の極致」が、一丸となって創造神の理不尽な暴力に抗っていた。
破壊すらも利益に変える魔王の錬金術
『……小賢しい。ならば、貴様らの乗るその「器」ごと、原始の塵に還してくれよう』
プロヴィデンスが、胸部のコアから大宇宙全体を初期化するほどの【創世と終焉の極大レーザー】を放つ構えを見せた。
「させるかッ!!」
絶対の剣・森蘭丸が、『天叢雲』を構えて白銀の流星となって飛び出す。
「奥義・神断ち――『白銀・覇王絶空断』!!」
蘭丸の放った神速の十字斬りが、レーザーの発射口を強引に切り裂き、その軌道を僅かに逸らす。だが、極大レーザーの余波だけでも、大日本艦隊の前衛数百万隻が一瞬にして塵へと変えられてしまった。
「ああッ! あっしらの艦隊がァ!」
猿がソロバンを抱えて涙目になる。
「……フン。騒ぐな、猿」
だが、黄金の玉座の前に立つ織田信長は、焦るどころか、愛用の『魔力火縄銃』を肩に担いで極悪な笑みを浮かべていた。
「破壊されただと? 勘違いするな。俺たちの会社に『損失』という概念はねェ」
信長は、空いた片手を前に突き出した。
「佐吉! 五郎左! アザトスの無限資本を、粉砕された艦隊の『塵』に直接流し込め! ……奴がブッ壊した残骸、そっくりそのまま【新兵器】として再利用(錬成)してやる!!」
「りょ、了解しました! 破壊された質量データを、新・永楽銭の概念で再構築します!」
「おうよォッ! 究極のリサイクルだぜェ!」
信長の手から放たれた極大の黄金の光(資本エネルギー)が、宇宙空間に漂う艦隊の残骸を包み込む。
瞬間、塵と化していた無数の物質が、アザトスの混沌エネルギーと融合し、大日本の『新・永楽銭』の刻印が刻まれた【超絶・自律型黄金機動要塞】へと一瞬にして生まれ変わったのだ。
エゴの衝突と、究極の物理強襲
『ナ……!? 破壊した物質を、即座に自らの兵器として再構築しただと……!?』
プロヴィデンスの顔に、初めて「理解不能」という驚愕が走る。
「てめェが創って壊した宇宙の残骸は、全部俺の会社の『建築資材』だ。……破壊すればするほど、俺の会社がデカくなるんだよ!」
信長は、新たに錬成した無数の黄金機動要塞から、プロヴィデンスへ向けて一斉に極大の砲火を浴びせた。
ズドガァァァァァァァァァァァァンッ!!!!!
神の創造した空間が、大日本の「資本」で作られた要塞の砲撃によって次々と粉砕されていく。
『……おのれ、バグめ! ならば、貴様自身の存在を直接消し去るまでだ!』
プロヴィデンスは、防御を捨て、黄金と漆黒の巨大な神剣を生成し、信長の待つ黄金の天主めがけて自ら突撃してきた。
「来るか、創造神。……なら、俺も社長のイスに座ってる場合じゃねェな」
信長は、愛刀『宗三左文字』を引き抜き、火縄銃と併せた【魔王の二刀流】の構えをとった。
その全身からは、これまでの比ではない、大宇宙そのものを焼き尽くすほどの【漆黒と紅蓮の覇王色】が、太陽の如く燃え盛っている。
「全員、道を開けろ! こいつの首は、俺が直々にブチ落とす!!」
「「「オオオオオオオオオオオオオッッ!!!」」」
家臣たちが一斉に道を譲り、信長は単騎で紅蓮の流星となって、プロヴィデンスの神剣へと真っ向から飛び込んだ。
創造と野心の頂上決戦
ガキィィィィィィィィィィンッ!!!!!
信長の宗三左文字と、プロヴィデンスの神剣が宇宙の中心で激突した。
その瞬間、二人の周囲の空間が、余波だけで「無限の創造と破壊」を繰り返す狂気の特異点へと変貌する。
『愚かな……! ただの人間の魂が、大宇宙の意思(我)の質量に勝てるはずがない!』
プロヴィデンスが剣に力を込める。信長の足元の空間がひび割れ、存在そのものが押し潰されそうになる。
「人間の魂だと? 舐めるなよ」
信長は、血を吐きながらも、その口角を狂暴に釣り上げた。
「俺は、本能寺で一度すべてを失った男だ。だからこそ、この大宇宙のすべてを手に入れるまで、俺の野心の炎が消えることはねェんだよ!!」
ゴオォォォォォォォォォォォォッ!!!!!
信長の全身から放たれる覇王色が、限界を超えてさらに膨張し、プロヴィデンスの神剣を押し返し始めた。
「俺の会社を返して欲しけりゃ、力ずくで奪い取ってみやがれ!!」
信長は、プロヴィデンスの剣を弾き飛ばした隙に、左手の『魔力火縄銃』の銃口を、神の胸部のコアへと深々と突き立てた。
創造神と第六天魔王。
大宇宙の全存在意義と覇権を懸けた、一切の妥協なき「純粋な殺し合い」。
全100話の完結へ向けて、信長の放つ究極の一撃が、大宇宙の歴史そのものを決定づけようとしていた。
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