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異世界・天下布武 〜魔族を従えた織田信長は、今度こそ本能寺を回避する〜  作者: 盆ちゃん


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第78話:絶対特許神(オムニ・パテンター)と、究極の『超過特許料支払い(ロイヤリティ・オーバーフロー)』

第78話:絶対特許神オムニ・パテンターと、究極の『超過特許料支払い(ロイヤリティ・オーバーフロー)』

 第六天魔王・織田信長が引き起こした第二のビッグバンにより、すべての大宇宙が融合して誕生した狂暴なる新世界――【真・戦国宇宙カオス・ユニバース】。

 大日本・多元宇宙商会の大艦隊は、運命と確率を操る魔人を強制買収して手に入れた『絶対リスク管理部門(必勝ルーレット)』の弾き出す「勝率100%」の航路に従い、黄金の星海を爆走していた。

「へっへへへ! 御館様! リスク管理部門のルーレットが、次の標的の座標を弾き出しやしたぜ! もちろん、我が社の勝率は100パーセントでさァ!」

 大蔵省長官の猿ことトックス(猿獣人)が、回転する黄金のルーレット盤から吐き出されたレシート(予言書)を読み上げながら歓喜する。

「ガハハハハ! 勝つのが分かってる喧嘩ほど気楽なもんはねェな! で、次のバケモノはどんなツラしてやがるんだ!」

 オークの猛将・権六ゴルグが、超絶・次元晶戦斧を肩に担いで甲板に立つ。

「……それが、少し厄介な相手のようです」

 戦略室の佐吉イシオンが、魔導盤のスクリーンに映し出された特殊な星域のデータを見て、眼鏡を押し上げた。

「前方第12セクター。そこは星々ではなく、無数の『本』と『設計図』、そして『天秤』で構成された異常な銀河です。ルーレットの予測によれば、次なる敵は【知的財産ルール】を武器にする覇王候補とのこと」

絶対特許神オムニ・パテンターアカシャ

 大艦隊が目標の宙域に到達した瞬間、空間全体が巨大な「書庫」のように変貌した。

 そして、無数の羊皮紙と黄金の歯車が渦を巻き、星雲を凌駕する超巨大な法官の姿をした神――【絶対特許神オムニ・パテンターアカシャ】が顕現した。

『……止マレ、無知ナル者ドモ。コレヨリ先ハ、我ガ「特許パテント」ヲ取得シタ専売宙域デアル』

 アカシャの声は、法廷に響く木槌ガベルのように、絶対的な強制力を持って大日本軍の鼓膜を打った。

『我ハ、アカシャ。コノ新宇宙デ生ミ出サレル全テノ技術、魔法、概念ノ【知的財産権】ヲ管理・独占スル者。……貴様ラノ存在モマタ、我ガ特許権ノ侵害ニ当タル』

「ヒィィッ! 今度はお堅い裁判官のバケモノですかィ!? 特許権って、宇宙の真ん中で何言ってんでさァ!」

 猿がソロバンを盾にして身をすくめる。

「オラァッ! 小難しい理屈をこねる奴は、ドタマをカチ割れば黙るって相場が決まってんだよ!」

 権六が、一切の躊躇なく跳躍し、アカシャの巨大な顔面めがけて戦斧をフルスイングした。

 空間を両断する、無敵の次元晶戦斧の一撃。

 ――ピポーン!

 だが、斧の刃がアカシャに届く直前、空間に巨大な「×」印のホログラムが浮かび上がり、権六の身体が強烈な衝撃で弾き返された。

「ぐわぁぁぁッ!? な、なんだァ!?」

 権六が甲板に叩きつけられる。その直後、彼の身体から莫大なエネルギー(体力)が光の粒子となって吸い上げられ、アカシャの持つ巨大な天秤の皿へと吸収されてしまった。

『警告。対象ノ攻撃行動「次元切断斧(物理)」ハ、既ニ我・アカシャガ第894京号トシテ【特許登録済ミ】デアル。……事前許可ナキ使用(侵害)ニヨリ、貴様ノ生命力(資産)ヲ【損害賠償ペナルティ】トシテ強制徴収シタ』

知的財産パテントによる絶対防御

「な……ッ!? オヤジの攻撃が特許を取られてるだと!?」

 又左マティアスが驚愕する。

「ふざけんな! なら、俺の雷撃ならどうだ!」

 又左が超光速のプラズマ槍を放つが、やはり直前で「×」印が浮かび上がり、同様に弾き返されてエネルギーを徴収されてしまう。

『警告。「超光速・雷撃」モ特許登録済ミデアル。損害賠償ヲ徴収』

『警告。「次元反射結界」モ特許登録済ミ。損害賠償ヲ徴収』

『警告。「腐食毒散布」モ特許登録済ミ。損害賠償ヲ徴収』

 金柑ルーギスの魔法も、官兵衛クロードの毒も、すべてが「特許侵害」として弾き返され、大日本軍のエネルギーが次々と奪われていく。

「……なんて理不尽な能力ですか」

 金柑が、銀の杖を構えたまま冷や汗を流す。

「私たちが新しい攻撃や魔法を使おうとした瞬間、奴はそれを『自らのアイデア(特許)』として宇宙のシステムに光速で登録してしまう。……つまり、奴に対して行動を起こした時点で、私たちは『他人の権利を盗んだ泥棒』としてシステムから罰則を受けてしまうのですわ!」

『ソノ通リダ。全テノ概念ハ我ノ所有物。貴様ラガ動ケバ動クホド、ペナルティニヨッテ自滅スル』

 アカシャが、無数の法律書を広げながら冷酷に見下ろす。

『サア、無断使用ノ代償トシテ、貴様ラノ全資産ト命ヲ差シ押サエル』

魔王の市場論エゴ

 大日本のあらゆる攻撃が封じられ、逆に「罰金」で削り殺されていく絶望的な状況。

 だが、黄金の玉座に座る織田信長は、焦るどころか、肩を揺らしてククッと笑い始めた。

「……パテント(特許)、だと? フハハハハ!」

「御館様?」

 蘭丸が振り返る。

「てめェで新しいモノを創り出すわけでもなく、他人のアイデアを先回りしてハンコを押し、『俺のモノだ』とふんぞり返って上前を撥ねる。……どこの世界にもいるもんだな。そういう姑息な【パテント・トロール(特許ゴロ)】って奴はよ」

 信長は、玉座から立ち上がり、愛用の『魔力火縄銃』を肩に担いだ。

『何ヲ言オウト無駄ダ。特許ルールハ絶対。逆ラエバ命ヲ失ウダケダ』

「ルールだと? 勘違いするなよ、紙切れ野郎」

 信長の全身から、アカシャの放つ法的なプレッシャーすらも焼き焦がす、漆黒と黄金の極大の『覇王色エゴ』が爆発的に噴出した。

「特許ってのはな、『金を払えば(ロイヤリティ)』使わせてもらえる権利のことだろうが。……俺の攻撃がてめェの特許なら、その使用料、耳を揃えて払ってやるよ!!」

究極の『超過特許料支払い(ロイヤリティ・オーバーフロー)』

「佐吉! 五郎左! 俺の火縄銃に、アザトスの無限エネルギー(資本)を限界までバイパスしろ!」

「了解しました! 大日本商会の全口座から、超絶・流動性資金を転送!」

「おうよォッ! ケチな神様に、ド派手なチップを弾んでやりなァ!」

 五郎左がボイラーのレバーを引き倒すと、新宇宙の裏側に繋がれた究極の永久機関・アザトスから、宇宙を創り出すほどの無限の資本エネルギーが、信長の火縄銃へと一気に流れ込んだ。

「てめェの特許の価値がいくらか知らねェが、俺の『永楽銭』で一生分まとめて支払ってやる。……受け取りな!!」

 ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!

 信長が引き金を引いた。

 放たれたのは、破壊の光線ではない。大日本商会の無限の資本力が極限圧縮された【超過特許料・物理支払い(ロイヤリティ・オーバーフロー)覇王弾】。

 漆黒と黄金の弾丸が、アカシャの展開する特許防衛のホログラムに真正面から激突する。

『警告。対象ノ攻撃「覇王弾」ハ特許登録済ミ……損害賠償ヲ……ナ、ナニ……!?』

 アカシャの無機質な顔に、初めて「驚愕」のノイズが走った。

 信長の放った弾丸は、アカシャの「ペナルティ徴収システム」を逆手に取り、相手が要求する罰金の【無量大数倍の資金カオス・エネルギー】を、強引に相手の口座コアへと叩き込んだのだ。

『エ、エラー!! 入金額ガ……特許使用料ノ上限ヲ突破……! 資金キャパシティ、オーバーフロー……!!』

 アカシャの身体を構成していた天秤や黄金の歯車が、信長から注ぎ込まれる莫大すぎる資本エネルギーに耐えきれず、ギシギシと悲鳴を上げて赤熱し始める。

「どうした? 金が欲しかったんだろうが。俺の金が重すぎて、財布システムが破けちまったか?」

 信長は、極悪な笑みを深め、さらにアザトスの出力を上げた。

「相手の会社システムのキャパを超える金を叩きつける。……それはもはや使用料じゃねェ。【完全買収(M&A)】の代金だ!!」

 ドゴォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!

 無限の黄金エネルギーがアカシャの巨体を内側から完全に破裂させた。

 特許神の概念は強制的にフォーマットされ、その巨体は瞬く間に、巨大な黄金の【大日本商会・法務・知的財産部(特許庁)】のビル群へと再構築されてしまった。

知財部門の完全接収

「ガハハハハ! やりやがった! 特許のバケモノが、まるごと俺たちの『法務部』になっちまったぜェ!」

 権六が、黄金のビル群を見上げて高笑いする。

「へっへへへ! こいつはスゲェや! この法務部を使えば、逆にこの宇宙のあらゆる連中の攻撃を『我が社の特許侵害』として罰金エネルギーを徴収し放題でさァ! 究極の防御システム、大日本商会【絶対法務・知財部門】の誕生です!」

 猿が、新たに発行された「大日本特許証」の束をバラ撒きながら狂喜乱舞する。

「……フゥ。小賢しい書類ルールで俺の野心を縛れると思ったか」

 信長は、火縄銃の硝煙を払い、新たに手に入れた巨大なインフラを満足げに見下ろした。

「御館様、お見事にございます」

 蘭丸が、絶対の忠誠を示すように深く平伏する。

「物理、進化、確率、そして知的財産……。この真・戦国宇宙で産声を上げた神を超える覇王候補たちを、次々と大日本商会の『優秀な部署パーツ』として組み込んでおられますね」

「ああ。これでもはや、大日本商会に法的な死角リスクは存在しねェ」

 信長は、玉座に座り直し、黄金と漆黒が渦巻く新宇宙のさらに奥深くを鋭く睨み据えた。

「だが、まだだ。俺が創り出した最高の戦国乱世には、こんな理屈ルールすら通用しねェ、純粋で極上の『暴力』のバケモノが眠っているはずだ。……さあ、全艦隊前進だ! この宇宙の果てまで、大日本のハンコ(物理)を押しに行くぞ!!」

「「「オオオオオオオオオオオオオッッ!!!」」」

 宇宙の特許権すらも「ロイヤリティの物理支払い」で破産させ、自社の法務部へと変えてしまった第六天魔王。

 全100話の完結へ向けて、盤石の企業インフラを整えつつある大日本・多元宇宙商会の「究極の国獲り合戦」は、いよいよ『真・戦国宇宙』の最深部、最強の武を誇る存在たちとの決戦へと突入していくのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!

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