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異世界・天下布武 〜魔族を従えた織田信長は、今度こそ本能寺を回避する〜  作者: 盆ちゃん


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第49話:魔王の祝宴と、新世界・四大帝国の胎動

第49話:魔王の祝宴と、新世界・四大帝国の胎動

 狂気と進化の無限平面宇宙【ネオ・センゴク】。

 三億の群雄が押し寄せた絶望的な防衛戦から一夜明け、大日本・多元宇宙帝国の絶対拠点『真・安土城』は、大宇宙の歴史上類を見ないほどの熱狂と歓喜のフェスに包まれていた。

「ガハハハハ! 飲め飲めェ! オムニバース最高級の『星雲酒』だ! 昨日の獲物の数だけ樽を開けろォ!」

 オークの猛将・権六ゴルグが、巨大な樽を頭からかぶり、文字通り滝のように酒を飲み干している。

「オヤジィ! 俺の方が百匹は多くカチ割ったぜ! 肉だ肉! 宇宙竜の丸焼きを持ってこい!」

 又左マティアスが雷エイと共に、宴のテーブルを荒らし回りながら高笑いする。

 キール市松フリント平八郎ドラクたち武功派の面々も、昨日の限界突破した群雄たちとの死闘を最高の「酒の肴」にして、狂乱の宴を楽しんでいた。

 黄金の天主の最上階。

 織田信長は、眼下で繰り広げられる家臣たちのどんちゃん騒ぎを眺めながら、満足げに最高級の葉巻(魔の森のハーブ)を燻らせていた。

「へっへへへ……! 御館様! 昨日の『防衛戦ビジネス』の最終利益報告でさぁ!」

 大蔵省長官となった猿ことトックス(猿獣人)が、札束のレイを首にかけ、魔導盤を叩きながら信長の御前に進み出た。

「昨日の戦闘で、御館様がバラ撒いた『新・永楽銭』を喰らって進化した群雄たち。その死骸からドロップした純度一千パーセントの【超絶・次元晶コア】の総回収量……なんと、オムニバースの中央銀行がひっくり返るほどの、前代未聞の天文学的数字に達しやした!」

投資バラマキの総額に対し、利益率(ROI)は実に二万五千パーセントを突破。我が大日本商会の資本力は、再び『計算不能オーバーフロー』の領域へと突入しました」

 文官トップの佐吉ことイシオン(ハーフエルフ)が、眼鏡を押し上げながら冷徹に付け加える。

「フハハハハ! 良い響きだ。俺が与えたエサで丸々と太り、その全てを俺の口座チカラとして還元する。まさに新世界の食物連鎖の頂点よ」

 信長は、軍配をパチンと鳴らした。

狂気の軍備拡張アップデート

「だが、ただ金庫に貯め込んでいるだけでは『死に金』だ。五郎左! 回収した莫大なコア、しっかり料理しているだろうな?」

「おうよォ、御館様! 大日本の鍛冶長をナメてもらっちゃあ困るぜェ!」

 ドワーフの五郎左ダンが、油とススにまみれた顔でニカッと笑い、ホログラム・プロジェクターを起動した。

「回収した『超絶・次元晶コア』を全軍の装備にインストールした! まず、一千万の天魔艦隊は、エンジンを『超光速タキオン仕様』にアップデート! シールドは【鋼の狂王】からぶっこ抜いた『概念超合金』でコーティングしたぜ! これで並の攻撃は、当たる前に『当たらないというルール』で弾き返せる!」

「おおっ! すげェ!」と武功派たちが歓声を上げる。

「さらに! 武将たちの武器と魔獣騎馬にも、限界突破のエネルギーをブチ込んである! オヤジ(権六)の斧は重力を斬り裂き、又左の槍は空間をスキップする! まさに『歩くチート兵器』の完成でさぁ!」

 五郎左のプレゼンに、天主は爆発的な熱狂に包まれた。

 自ら創り出した敵の「進化」をシステムごと強奪し、自軍の兵器として組み込む。大日本・多元宇宙帝国のブラックな軍拡は、留まるところを知らなかった。

「……フフ。まさに悪魔の所業ですね」

 金柑ことルーギス(ハイエルフ)が、美しい顔で極悪な微笑を浮かべる。

「これで我々は、新世界のルールそのものを『大日本の都合の良いように』書き換える力を得たわけです」

「見事だ、五郎左。だが、俺たちの敵もただ指をくわえて待っているわけではないぞ」

 信長が立ち上がり、バルコニーから果てしなく広がる大陸の彼方を見据えた。

四大帝国ネオ・エンパイアの胎動

「佐吉。逃げ延びた『残飯ども』の動きはどうだ」

「ハッ」

 佐吉が魔導盤を操作し、新世界【ネオ・センゴク】の巨大な全体マップを投影した。

 マップの中心には、漆黒と黄金に輝く『真・安土城』。

 そして、その中心から遥か遠く離れた東西南北の極地に、それぞれ四つの「禍々しく巨大なオーラ」が渦巻いているのが映し出された。

「昨日の防衛戦で生き残り、大陸の四方に逃亡した数千万の群雄たち。彼らは魔王(御館様)の圧倒的な理不尽を前にして、単独では決して勝てないという『恐怖』と『知性』を強烈に学習しました」

 佐吉が、冷や汗を拭いながら報告を続ける。

「結果として、彼らは同族嫌悪や生存競争を一時的に放棄し、強大なリーダーのもとに結集。……現在、新世界の大陸には、魔王討伐のみを目的とした【四大帝国】が建国されつつあります」

 東の極地、かつて炎帝が支配していた灼熱の大地には、暴力を極めた獣人や巨人が結集する【狂獣きょうじゅう帝国・ヴァルハラ】。

 西の極地、絶対零度の氷原には、高度な魔導技術と冷徹な知性を持つ異形たちが集う【魔氷まひょう帝国・コキュトス】。

 南の極地、腐海と呪いの沼地には、毒と精神操作を操る死霊や蟲たちが這い寄る【腐海ふかい帝国・ネクロ・ゾア】。

 北の極地、超重力の断層には、重力と概念を操る鋼鉄の機械生命体たちが軍事国家を築く【機鋼きこう帝国・ティタノマキア】。

「ほう……。烏合の衆だった獣どもが、ついに『国家』というシステムを構築したか」

 劇薬の軍師・官兵衛クロードが、杖を突きながら愉快そうに喉を鳴らす。

「魔王の恐怖が、彼らを一つの巨大な『軍隊』へと進化させたわけですね。クックッ……これは軍師として、盤面をひっくり返すのが楽しみです」

「四凶を倒して終わりかと思えば、今度は四つの帝国ですか。この新世界、どこまでも我々を飽きさせませんね」

 風の軍師・半兵衛ハルも、穏やかな顔に好戦的な光を宿した。

「しかも、各帝国の頂点に立つ皇帝……我々はこれを【四大魔帝】と呼称しますが、奴らの闘気は、昨日我々が倒した『限界突破の群雄』をさらに数倍、数十倍上回る規模に達しています。恐らく、我々の回収から逃れた『永楽銭の残滓』を極限まで溜め込んでいるのでしょう」

真・天下布武令の布告

「ガハハハハ!! 素晴らしい! 最高だ!」

 信長は、四大帝国の報告を聞き、腹の底から極上の歓喜の笑声を上げた。

「獣が知恵をつけ、国を創り、軍を組織して俺に挑んでくる! これこそが戦国センゴクだ! これこそが天下布武だ!」

 信長が軍配を天に突き上げると、真・安土城全体が、魔王の強烈な『覇王色エゴ』に呼応して黄金の炎を吹き上げた。

「武将ども! 文官ども! 宴は終わりだ!」

 信長の号令に、酔っ払っていた武将たちも一瞬にして最高潮の戦意を取り戻し、一斉に平伏した。

「大日本・多元宇宙帝国の全軍に告ぐ! これより我々は、大陸の四方にふんぞり返る『四大帝国』に対し、宣戦を布告する!」

「「「オオオオオオオオオオオオオッッ!!!」」」

「奴らが国を創るというのなら、俺たちはその国ごと、資源も、プライドも、命も、すべて俺の永楽銭で『敵対的買収(蹂躙)』してやる! 東西南北、どの帝国から潰すかは……俺のその日の気分で決める!」

 信長は、漆黒のマントを翻し、最凶の家臣団に向かって不敵で狂暴な笑みを向けた。

「行くぞお前ら! この無限の平面宇宙ネオ・センゴクを、俺たちの黒と金で完全に染め上げる! 『真・天下布武』の、本当の幕開けだ!!」

 自らの恐怖とエサによって産み出された「四大帝国」。

 大宇宙を制覇した大日本・多元宇宙帝国と、新世界のシステムが産み出した極限の軍事国家たちによる、星の概念すらも粉砕する超次元・国家間戦争が、今まさにその火蓋を切って落とそうとしていた。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!

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