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異世界・天下布武 〜魔族を従えた織田信長は、今度こそ本能寺を回避する〜  作者: 盆ちゃん


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第47話:魔王城防衛戦(ディフェンス・ゲーム)と、進化する群雄たち

第47話:魔王城防衛戦ディフェンス・ゲームと、進化する群雄たち

 新世界【ネオ・センゴク】の中心にそびえ立つ、大日本・多元宇宙帝国の絶対前線基地『真・安土城』。

 この日、漆黒と黄金に輝く究極の魔王城の周囲には、文字通り「地平線を埋め尽くす」ほどの圧倒的な軍勢が押し寄せていた。

 数日前、信長が新世界の代行者【無銘】を打ち破った際、その莫大なエネルギーは消滅することなく大陸全土へ降り注いだ。

 無銘の「四凶と進化バグ」の力を浴びた新世界の生命体たちは、極限の強制進化を遂げた。ある者は知性を獲得し、ある者は強靭な軍団を形成し、ある者は物理法則をねじ曲げる異能に目覚めた。

 そして彼らは、システム(世界意志)の本能に突き動かされるまま、あるいは己の野心を証明するため、一斉に『魔王・織田信長』の首を求めて真・安土城へと進軍を開始したのである。

 その数、総計三億。

 まさに、星の海を呑み込むほどの暴の津波であった。

「ヒャッハー! 来やがった来やがった! どこを見渡しても敵、敵、敵だらけだぜェ!」

 真・安土城の東門の城壁の上で、市松フリントが大斧を振り回しながら歓喜のヨダレを垂らす。

「ガハハハハ! これだけマトがいりゃあ、目を瞑って斧を振っても百匹はカチ割れるな!」

 権六ゴルグが、自身の身の丈の十倍はある特注・次元晶の戦斧を肩に担ぎ、獰猛な笑みを浮かべる。

「油断するなよ、オヤジ。有象無象の獣に混ざって、妙に闘気の練られた『厄介な連中』がチラホラ混ざってやがる」

 又左マティアスが雷エイの背から、双眼鏡代わりに雷のオーラで視力を強化し、敵陣をねめつけながら槍を構えた。

魔王軍の迎撃フェス

『――オオオオオオオオオッッ!! 魔王ノ首ヲ獲レェェェッ!!』

 三億の群雄たちが、地鳴りと共に真・安土城の絶対防壁へと殺到する。

 先陣を切るのは、無銘の力を受けて身体を「超硬度ダイヤ」へと変異させた巨大な甲虫獣の群れと、炎を纏う四つ腕の巨人兵団。

「へっへへへ! お客様のご案内でさぁ! 佐吉、防衛兵装おもてなしの準備は!」

 城の中枢、戦略室で猿ことトックス(猿獣人)が魔導盤を叩く。

「完了しています。全天魔艦隊、迎撃フォーメーション『殲滅の曼荼羅まんだら』へ移行。……撃て」

 文官トップ・佐吉イシオンの冷徹な声と共に、真・安土城の周囲に配備された一千万隻の天魔艦隊が一斉に火を噴いた。

 ズガガガガガガガガガガガガッ!!!!!

 カオス・エネルギーと次元晶を圧縮した無数のレーザーとプラズマ弾幕が、網の目のように荒野を覆い尽くす。

 超硬度ダイヤの甲虫も、炎の巨人も、大日本の規格外の火力の前に次々と蒸発し、数百、数千という単位で光のチリとなって消滅していく。

「あーっはっはっは! あっしらの『永楽銭』を湯水のように使った超リッチな弾幕だ! 貧乏な原住民どもにゃあ耐えられねェよなァ!」

 猿が札束を宙に舞わせながらゲラゲラと笑う。

「ふむ……。しかし、敵もただの案山子かかしではありませんね。弾幕の隙間を縫って、シールドに取り付こうとする輩がいます」

 金柑ことルーギス(ハイエルフ)が、美しい銀の杖を優雅に振るう。

「『美しき反逆の鏡面、狂気の刃を弾き返せ』」

 城壁に取り付こうとした無数の獣たちが、金柑の魔法によって展開された次元反射結界に激突し、自らの突進の威力を倍返しにされてミンチに変わる。

「クックッ……。死体が積もれば、それは極上の『苗床』になります」

 官兵衛クロードが杖を突き立てると、死した群雄たちの血と肉が泥沼のように変異し、そこから混沌の呪いを持った泥人形が無限に這い出し、生きた敵の足を引っ張り始めた。

「さあ、武将ども。前菜(砲撃)は済みましたよ。メインディッシュはお任せします」

 半兵衛ハルが扇を広げ、通信で前衛に告げる。

「待ってましたァッ!!」

 城門が一斉に開け放たれた。

 権六、又左、虎、市松、平八郎。大日本の誇る『武功派』の猛将たちが、それぞれの魔獣騎馬を限界まで吹かし、三億の群れの中へと弾丸のように飛び込んでいった。

群雄の台頭:『鋼の狂王』と『雷刃の騎士』

 ズバァァァァンッ!! ドゴォォォォンッ!!

 武将たちが荒野を駆けるたびに、局地的な超重力や次元の雷撃が巻き起こり、数万の敵が瞬く間に消し飛んでいく。

 しかし、無銘の遺産を受け継いだ新世界の生命体たちも、ただ一方的に狩られるだけではなかった。

「オラァッ! 邪魔だ邪魔だァ!」

 キールが十文字槍を振るい、前方の敵を薙ぎ払おうとしたその時。

『――甘いな、魔王の犬め』

 ガギィィィィィンッ!!

 虎の槍が、突如として現れた「全身を漆黒の金属鎧で包んだ騎士」の持つ大剣によって完全に弾き返された。

「なにィ!?」

 虎が驚愕する。オムニバースの絶対インゴットすら貫く彼の槍を、正面から受け止めたのだ。

『我は【鋼の狂王はがねのきょうおう】ゼノ。無銘の遺産より「絶対硬度」と「理」を授かりし者。貴様ら魔王軍の暴虐、ここで止めてくれる!』

 ゼノの大剣から、凄まじい密度の闘気が放たれる。

「ガハハ! 狂王だァ? 名前は立派だが、ただの硬い缶詰じゃねェか!」

 権六が、横から特大の戦斧をゼノに向けてフルスイングする。

 しかし。

『――遅い』

 今度は、権六の斧の軌道に「青白い稲妻」が割り込んだ。

 バチィィィィンッ!!

 凄まじい雷鳴と共に現れたのは、四本の脚を持つ半人半馬ケンタウロスの戦士。その手には、雷光を纏った二本の長槍が握られていた。

『我は【雷刃の騎士らいじんのきし】ヴォルト。魔王の首は我らが頂く!』

「チィッ! 俺のスピードに追いついてくる奴がいたとはな!」

 又左が、ヴォルトの放つ雷撃を自身の槍で相殺しながら、不敵な笑みを浮かべる。

 鋼の狂王、雷刃の騎士。

 彼らは、無銘の力を受けて急激に知性と「概念特化の闘気」を身につけた、新たな『群雄ボスクラス』の超戦士たちであった。

 彼らのような、ただの暴力ではない「独自のルール」を持った強敵たちが、三億の軍勢の中から次々と姿を現し、大日本の猛将たちと激しい鍔迫り合いを演じ始めた。

魔王の「投資バラマキ

 真・安土城の最上階。

 眼下で繰り広げられる、数億の命と数万の闘気が乱れ飛ぶ、まさに地獄絵図とも呼べる防衛戦。

 それを、織田信長は黄金の玉座に深く腰掛け、最高級の酒杯を揺らしながら、まるで特等席で観芝居を見るように楽しんでいた。

「ふむ……。少しは骨のある奴らが育ってきたようだな」

 信長は、虎と打ち合う鋼の狂王や、又左と神速の戦いを繰り広げる雷刃の騎士を見て、満足げに頷いた。

「御館様。各将、順調に敵の『群雄』クラスを削っております。しかし、数が数です。このままでは長期戦になり、補給線に負荷がかかるかと」

 蘭丸が、血の匂いが漂う風に髪を揺らしながら、冷静に戦況を報告する。

「長期戦? 構わん。むしろ、あっさり終わってしまってはつまらん」

 信長は、ニヤリと凶悪に笑った。

「あの程度の『群雄』では、まだ俺の首を狙うには弱すぎる。俺の玉座まで這い上がってくるには、もっと絶望的な進化が必要だ」

 信長は、懐からジャラリと『新・永楽銭』を掴み出した。

 しかしそれは、ただの硬貨ではない。一つ一つが、大日本の抱える無限の「カオス・エネルギー」と「オムニバースの富」を極限まで圧縮した、いわば【超絶経験値のブースト・アイテム】であった。

「……御館様?」

 蘭丸が不思議そうに首を傾げる。

「佐吉! 猿! 城の主砲アマテラス・ジェネレーターに、この永楽銭を全弾装填しろ!」

 信長は、通信機越しに戦略室へ怒号を飛ばした。

「は、はいィ!? 御館様、まさか……」

 猿が意図を察して素っ頓狂な声を上げる。

「敵を撃つのではない! この戦場のド真ん中に、大日本商会からの【超絶投資バラマキ】を行え!」

 信長の狂気の沙汰とも言える命令。

 しかし、家臣たちは誰一人として反論しなかった。むしろ、「最高にイカレている」と歓喜の声を上げてシステムを操作した。

 ズドォォォォォォォォンッ!!!!!

 真・安土城の天主から放たれたのは、破壊の光ではない。

 戦場の空高くに打ち上げられた光弾が弾け、無数の「黄金の雨(永楽銭とエネルギーの奔流)」となって、敵味方関係なく、三億の群雄たちが蠢く荒野へと降り注いだのだ。

『な、なんだこれは!? 力が、底なしの力が湧いてくるぞォォッ!!』

『魔王の力か!? これを喰らえば、俺はさらに強くなれる!!』

 黄金の雨を浴びた新世界の群雄たちは、その莫大なエネルギーを取り込み、傷を癒すどころか、その場でさらに一段階、二段階上の【狂気の進化】を遂げ始めた。

 鋼の狂王の鎧は巨大な城塞のように肥大化し、雷刃の騎士は四本の脚から八本の脚を持つ雷神へと変異する。

「ガハハハハ! やりやがった! 御館様、わざと敵にエサを送りやがったぜェ!」

 権六が、さらに巨大化した敵を見上げて爆笑する。

「オヤジ、笑ってる場合か! こいつら、さっきまでの倍は速ェぞ!」

 又左も文句を言いながら、瞳の奥に狂喜の炎を燃やす。

 自ら創り出した敵に、自らの莫大な資産を投資し、さらに強大に育て上げてから物理的に粉砕する。

 それは、大宇宙のすべてを手に入れた第六天魔王にしかできない、究極の「退屈しのぎ」にして「最高にブラックな遊戯」であった。

「さあ、見せてみろ、新世界の虫ケラども! 俺の与えた力で俺を超えてみせろ! 俺の天下布武は、貴様らの進化のさらに上を行くぞ!!」

 魔王の狂宴は、終わるどころかさらに激しさを増す。

 極限まで進化した群雄たちと、それを嬉々として迎え撃つ大日本・多元宇宙帝国の、血と黄金にまみれた永遠の防衛戦が、無限の平面宇宙を焦がし続けていくのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!

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