幕間3 王都への道のり
幕間3
10話目のその後です〜
一般人の馬車を、王子様が護衛をしてる。という絵が書きたくて書きました!
結果、セリーヌさんが大暴れしてくれたので3章も賑やかになりそうです!
ファンクラブ視点です☆
ーー私たち混乱してます。
ーーなぜ推しが目の前にいるのですか?
ーー視界に我らのことは入れないでぇ〜!
(((ルリア! なんとかしてよ!!!)))
騎士団ファンクラブの面々は、澄んだ空気に降り注ぐ柔らかな日差しの下、今にも消えそうになっていた。
現在、王都までの道中、馬たちを休ませるための休息中である。
震えているのは彼女たちだけではない。セリーヌさんの幌馬車の御者二人も、この異常な事態で気が休まるわけがない。
「私たち(俺たち)の馬車をなんで、王都の騎士団が護衛しているんだ!!!」
王都に向かう、二頭だての幌馬車を何故か騎士団が護衛する形になっている。
これは、まぁ、ルリアの主張のせいと言っても過言ではないのだが。セリーヌさんの幌馬車に乗り込ませて貰わなければ、テオの腕の中、馬上で自身の寿命が縮むのは安易に予想できたので、そこは譲れなかった。
ついこの前、馬の高さと速さで心臓がぐらついたのだ。それに……今はテオと密着するのは避けたい。どんな顔でいればいいのか解らなくなりそうだから。
「っていうか、ルリア、なんでテオバルト様と知り合いなのよ?」
セリーヌさんは直球だ。まぁ、このぐらいストレートに聞く方が、ルリアには丁度いい。
「う~ん。がやがや亭の常連さん?警備兵のふりして毎日のように来てたよ〜」
(((テオバルト様の警備兵コスプレ!?)))
三人娘の脳が勝手に過剰反応をしてしまう。
昼食のパンを齧りながら答えるルリアに、セリーヌさんは確認するように、息をころして小声で伝える。
「そういえばさ、がやがや亭、あの辺り一帯の外灯が増えたのって、騎士団様たちが街に来てからよね?それってもしかして……テオバルト様の……」
三人娘の視線がカチリと交差し、火花が散った。
(((……う、嘘でしょ、テオバルト様ったら……ルリアのために!?尊すぎて息ができない……!!!)))
この瞬間、セリーヌ、ジョディ、ベリー、三人娘の限界のない妄想の燃料が爆誕した。
三人娘が悶え、妄想を走らせているところへ、容赦なく思考を強制終了させるように人影が落ちてきた。
三人が影の主の方へ視線を移すと、陽の光に輝く流れる髪、空よりも美しい碧色の瞳、少しだけ弧を描く口元がそこにあった。
たった今、三人娘の最推しとなったテオバルトその人である。
(((ひっ!!……尊)))
「東の端の街の皆様がた、少しルリア嬢をお借りしてもよろしいですか?」
背筋を伸ばし優雅に振る舞うその姿は、まるで絵本の中の王子様のようだとベリーはうっとりとした。
だが、その外套に刻まれた紋章に目を留めたジョディが、ハッと息を呑む。
対をなす、二匹の獅子の紋章。
ジョディの視線を追うようにそれを凝視したセリーヌが、驚愕のあまり叫び声を上げた。
「お、王子様ぁぁあ!!!」
突然の絶叫に、ルリアとベリーの肩が跳ね上がる。
本物の王子を前に、数秒の間フリーズしたセリーヌさんだったが、その天才的な商人脳は、一瞬で、目的への最短ルートを弾き出していた。
「テオバルト様! わたくし、アルダン商会の娘、セリーヌと申します!」
セリーヌは一瞬で淑女の、いや、商人の顔を作って深く頭を垂れた。
「ここでお会いできたのは神のお導き。殿下のお目にかなう一級品を必ずやご用意してみせますので、どうか我が商会に、宮中へ品を納める栄誉を……!」
胸に手を当てお辞儀をする様は、付け入る隙のない完璧な商人そのもの。
ちなみに、セリーヌの言う「神」とは、言わずもがな目の前のテオバルト(と騎士団)のことである。
こうしてセリーヌさんは、王宮への販路をこじ開け、アルダン商会withファンクラブの王都進出を成し遂げたのであった。
幕間1、2、3
お読み頂きありがとうございます!
ラノベでよく見かける幕間、
やってみたかったのです!!!
執着系イケメンを自給自足で補給していこうと書き始めた物語も、いよいよ舞台が王宮へと移ります!
下町娘のルリアが、テオの独断によって王宮に連行され……から始まります!
新章突入の前に少しだけお休みをいただきますが、
もし「テオの溺愛執着、早よ!」「ルリアの暴走っぷりがもっと見たい!」「もしかしてこの物語、オタクばかり出てくるとか!?」な〜んて思ってくださったら、
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【3章:10/31〜11/2頃に幕開け予定です!】
王宮編開幕まで、今しばらく待ちくださいませ(土下座)




