3 資本について 3 インデックス投資をしよう
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資産を日本円という形で得たなら、君はそれを運用することができる。
投資を始めよう。合言葉は、長期、分散、低コスト、だ。
前提として、投資をしない選択肢はないと断言しておく。
資本主義社会に生きる以上、経済学者トマ・ピケティが提唱した、資本収益率(r)が経済成長率(g)を上回る(r>g)、という事実から逃れることはできない。
そこにさらに、インフレによる現金価値の漸減も加味する必要がある。
そもそもの話、君が銀行に預金しているとして、それは預金という投資と言っても差し支えないわけだが、その状態は分散要素がなく、長期要素も意味が異なる。
預金の金利が極めて低い時代だから投資を進めているわけではない。仮に預金の金利が後述するインデックス投資のリターンを上回っているとしても、それは一時的な状態の可能性があるため、預金を正当化する理由としては弱い。
この前提をまずは認識してもらった上で、話を進めていこう。
投資について君がどれくらいの知識を持っているか分からないので、投資と株式について極めて簡潔に説明しておく。
包括的な概念としての株式は、世界のあらゆるモノの市場規模を反映して価格が決定され、世界の人口が急激な減少に転じることなく、新しい技術や産業が生まれ、高度化し続ける限り、長期的には価値の上昇が見込まれる。その株式を資産の形の一つとして保有する手段が投資であり、将来の上昇を見込んで、相対的に安価な現価格で購入しておくことで、資産を増やすことができる。俗に、お金に働いてもらう、という考えだ。
仮に第三次世界大戦が起ころうが、世界全体がすべからくユートピアになり尽くさない限り、この認識で正しいと私は理解している。
詳しくは無料動画や書籍で納得いくまで調べるといいが、大筋は合っているとの結論に至るだろう。
何をすればよいか、簡潔に書き記すから、今すぐインターネットを開いて実践すること。
①最大手オンライン証券で証券口座(NISA口座)を開設する。2025年時点では、SBI証券、楽天証券のどちらか。
②投資信託の項目から、インデックスファンドのうち、超低コストの全世界株式を、お気に入り登録する。2025年時点では、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー、いわゆるオルカン)で必要十分だが、君の判断次第ではeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)も選択肢に入る。投資信託について簡単に説明すると、株式の運用をプロに任せるシステムを商品化したものである。
③余剰資金を、余剰と判断された時点ですべて②の投資信託に投入する。
以上である。ポイント還元等の利用方法は適宜調べること。
インデックスファンドについて説明が必要かもしれない。
インデックスファンドとは、投資信託の中でも、特定の分野の平均を目指す商品だ。平均と聞くと頼りないかもしれないが、不思議なことに株式の世界では、平均の維持が長期的には最上位の成績を収めるという、広く認知された過去データがある(長期要素)。
全世界株式は、世界中のあらゆる分野の株式に投資することと同義であり、その平均を目指すことで、単一ないし特定の分野のみを集めた商品と比較すれば、長期的には最も利益が得られる可能性が高くなる(分散要素)。
とはいえ証券会社により、また類似商品によっては、商品に付随している、証券会社に支払うコストが異なっているため、先の①②以外を選択する余地はほとんどない(低コスト要素)。
ゆえに先ほどの内容を実践すれば、合言葉の長期、分散、低コストを完璧に満たすことができて、君の投資手法は完成する。
ただ、せっかく投資を始めても、始めたて、あるいは慣れたつもりになった頃では、インデックス投資への信頼度が低く、株価の上下に心を揺さぶられ、継続できなくなる可能性がある。危険性と言ってもいい。
特に暴落時はマスメディアが君を煽り散らかし、しかも実際に投資信託の評価額が下がり続けるわけで、いわゆる”損切り”をしたくなるかもしれない。
絶対に売ってはいけない。絶対に、だ(そもそもの話、評価額を頻回に確認する必要はない。仕組みを作った後は放置が望ましい)。
君は既に、十分に分散された低コスト商品を選択済みだ。なのにどうして、長期という選択だけを覆す必要があるだろう?
投資信託の過去の長期実績を分析すると、事実として、どういったタイミングから投資を始めても、少なくとも15年経てば評価額が元本を下回ることはない。
人生を軸に考えた時、若い君からすれば15年は確かに長いかもしれないが、仕事に従事する期間を想像すれば、むしろ短いとわかるはずだ。
逆に株価が下がってい時は、それだけ投資信託の口数を多く買える。どうせそのうち値上がりするなら、暴落は絶好の”仕込み時”であり、いっそ最高ですらある(ドルコスト平均法)。
繰り返すが、どんなに暴落しようと、絶対に売ってはいけない。
例外として、実生活で生活防衛資金(後の節で説明する)を超える現金が必要な場合は、仕方がない。生活が防衛できていないことの裏付けであり、防衛資金の見直しを要するが、ともかく、その時の君に必要なわけだから、相場がどうであれ、心を無にして機械的に売却しよう。
とはいえ、なぜ投資信託なのか? 他にも資産の形としては、不動産や債権など、いろいろな形で運用方法があるが、それらは無視でいい。
理由は単純で、投資信託、その中でもインデックス投資は、最初の設定を終えた後、君がやるこべきことは③の余剰資金投入だけになり、投資それ自体に手間がかからないからだ。他の手段には、専用の勉強や、手続きの手間といった余計な事柄がついて回る。そんなことをする暇があるなら、仕事に専念するか、夢に必要なことに時間を割り当てよう。
他にも、投資信託により複利的に資産が増えるといった理由もある。割愛するが、気になるなら、単利、複利といったキーワードで検索して、興味が尽きるまで調べるといい。
調べるついでに、君がこの文章を読んでいる時点で、君が活用できる金融的な、あるいは税制上の制度にはどんなものがあるかも確認してみよう。
2025年現在で誰もが手をつけやすいのは、つみたてNISA、iDeco、ふるさと納税あたりだろうか? 人によっては住宅ローン減税等も含まれてくるだろう。
差し当たって、NISA制度が継続しているなら、投資はNISAから始めよう。過ぎた時は戻らない。まず始めて、時間を味方につけることが何よりも大切だ。
投資をすることでどれくらいの資産が得られるのかは、君の月々の余剰資金を勘案した上で”投資信託シミュレーション”と検索して出てきたウェブページ内で、月◯万円、運用利回り4%(厳しめで4%、楽観して7-9%程度で計算されることが多い)、何年、と入力して、絵に描いた餅で遊んでみるのがオススメだ。やる気が出てくると思う(現実の資産推移は、シミュレーションのように綺麗な曲線を描かないことに注意)。
それから、私がいつ頃から投資を始めて、その結果どうなったか、気になれば経緯等も含めて教えよう。私と君の関係性が完全に破綻していない限りは、少々ギクシャクしていても、丁寧に教えるから聞きに来なさい。
一つアドバイスするなら、投資をしていることやその結果どれくらい資産があるかは、他人に、友人にだって話す必要はないし、むしろ話すべきではない。まして、投資を勧めるなんてもってのほかだ。
少なくとも2025年時点では、投資人口はマイノリティであり、将来的にインフレのため価値が目減りする現金への信仰が厚い(投資を始めた身からすると、つい数年前まではそちら側だったにも関わらず、この事実の恐ろしさに寒気すらする)。
ただ、家族とは積極的に話すべきだろう。なんせ家族なのだから。




