表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/23

5 君の形 5 辛い時・そうならないために

5-5


 感情のマネジメントがうまくなれば、君は多くの事に寛容になり、穏やかな気持ちで過ごせるようになる。そもそもの話、ここまでの内容で副次的に、君の人生から余計な負荷を減らす方策をいくつもの点で伝えてきたつもりではある。

 ただ、そうは言っても、様々なマイナス因子が重なって、絶望としか言い難い状況に陥る可能性もあるだろう。

 使わないで済むといいのだが、そんな時、あるいはその兆候に気付いた時のためのメモを残しておく。

 加えて、そういった事態を招きかねない避けるべき行動、そうならないためにできることも書いておこう。


 おそらく君が絶望的と感じる状況において、その要因は体力的なことよりも心理的な要素が大きく、大抵は人間関係によるものだろう。

 人間関係以外では、災害、事故、事件に巻き込まれた場合、君や身近な人の大病、死別が想定される。

 ちなみに、人々の中で感じる孤独感への対処法は、すでに第1節で言及した。


 まずは人間関係が要因の場合。

 そもそも、そういった状況に陥らない人間関係の構築、適切な距離の確立を日頃から心がけてほしいが、言葉巧みな人物の誘導によってままならない環境に取り込まれたり、君の親しい人を介して巻き込まれることも、あるかもしれない。

 その時、君は適切な自己分析も状況判断もできない状態であり、その事に気付けすらしないかもしれない。それゆえ、どうしようもなく辛いと感じた時には、公平な視点を持つ第三者に解決の糸口を見つけてもらう必要がある。

 心療内科、あるいは精神科を受診しよう。

 専門家に頼るのが最適解であろう。

 精神的な問題を理由に病院を受診する事に何らかの抵抗があるなら、その抵抗感に意味は無いと伝えておく。肌荒れで皮膚科を、鼻づまりで耳鼻科を受診するように、精神的不調は心療内科か精神科で診てもらうのが道理だからだ。

 試しに一度、ちょっとしんどいな、と思ったら、いざの時にも動けるよう受診してみるといい。むしろ一度受診しておけば、今後受診する際のハードルが下がるし、本当に悩むべき事柄で悩んでいるのか否か、他に考えるべきことがあるのか、教えてもらえる可能性が高い。


 災害などの場合はどうだろう。

 大災害は人智を超えてくるため、対策をうまくアドバイスできないけれど、そうはいっても、大雨での浸水、地震による津波、土砂災害に遭う可能性の高さ低さは、防災マップ等で調べたなら分かるはず。相対的に安全な場所を生活圏に選びたい。

 事故、事件も突発的ではあるが、警察の公表する犯罪や事故の履歴を見れば、避けるべき場所は把握できる。

 その上でこれらに遭遇してしまい、心身に大きなキズを負ってしまった時。やはり病院を受診しよう。適切な処方を受けたなら、君のキズは回復の最短ルートを辿れるはずだ。


 大病、死別にはどう対処すべきだろう?

 がんと診断された患者は、一般的な心境の変化として、まず現実を否定しようとし、次に怒りや悲しみ、孤独感に襲われ、次第に抑うつ状態になり、最終的に受容に至るとされる。

 こう言ってしまうのは酷かもしれないけれど、いずれ全ての人間は死に、当然その過程で大病を患うことだってある。

 しかしそれでも君は、君が死ぬその時まで君を生きるしかない。その事を理解して、起きたことを事実として受け入れ、君を生きるためにすべきことに目を向けてほしい。

 その過程として、先にあげた心境の変化を経験するかもしれないが、いずれ受容へと至るのなら、それが早いに越したことはない。場合によってはここでも病院受診は選択肢にあがる。

 とにかく、君に必要なことは、変化し続ける君を取り巻く状況の中で、事実を事実として受け入れ、君のために君を生きることだ。

 揺るぎない事実として、病気は確率的に発症するものであり、死者は蘇生しない。


 さて、絶望的な状況には大体その端緒があるものだと思う。

 災害に遭いやすい場所、事故や事件の起こりやすい場所を把握する、といった事の他に、私の個人的な見解ではあるものの、余計なトラブルを避けるため、次のことは絶対にしないよう心がけてほしい。


 ①知っているフリ、分かったフリ。曖昧な返事は嘘と同義であって、不利益の元だ。知らない事は知らない、分からないことは分からないと伝えること。そして、分からないままの事柄には手を出さないこと。

 ②個人間での金の貸し借り。貸す場合は返ってこないと思うこと。絶対に借りないこと。

 ③結婚相手、子供以外の保証人になる。保証人になるよう頼まれたら、どんなに親しかったとしても手を切ること。相手の背後に災いが潜んでいる可能性を、君は否定できない。

 ④人の悪口。口は災いの元である。特に本人がいないところで、その人を悪く言うメリットはない。ポシティブな面に注目して、ネガティブな部分はスルーしておけばいい。言って変わるものでもない。


 特に分かったフリは、ついやってしまいやすいと思う。少なくとも私はそうだから、しないように意識している。


 常日頃から危険にばかり目を光らせると疲れてしまうだろうから、防災に関連したイベントのあった日などで、ついでに君の環境を見直すくらいが丁度いいかもしれない。

 それから心療内科受診の提案を書いたが、私が生きているうちは困り事があれば真っ先に私たち親を頼ってほしいと思っているし、そうしてもらえるよう、日頃から君と良好なコミュニケーションをとっていたい。

 私も妻も君の幸せを心から願っている。君の悩みの内容に貴賤はないし、恥ずかしがることなんてない。ぜひ言葉にして教えてほしい。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ