3 資本について 6 体と習慣
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体は習慣を素直に反映する。
一汁一菜で体の構成要素に目を向けた。次は、その体をどう育て、整え、維持するとよいか考えよう。
体と一口に言っても、いろいろな捉え方がある。
基礎代謝を上げ維持すること、肌をキレイに保つこと、姿勢をよくすること等々、視点によって様々あるが、ひとまずこの3つに言及したい。
君は今、何かしらの運動習慣を身につけているだろうか? 決まった時間に体のためにやっていることは?
不自由のない体で生きている間は想像すらしないだろうけれど、君の体は少しずつ老い、ごく小さな不具合を溜め続け、いずれ目にみえる形で君の自由に制限をかけるようになる。
君とは世代の違う君の周りの大人たちは、別の体の別の人間ではあるけれど、彼らの体に起きることは全て、君にも起こりうる。
大切なことは、君自身が最低限これだけは、と決めた運動習慣を作ることだ。
習慣という言葉の認識についてもはっきりさせておくが、習慣とは、疑念の余地なく自動的かつ自発的に毎日行われることであって、それに取り組む前に、疲れたし今日はやらなくてもいいかな? などと、行為を否定する考えが沸くようでは、それは習慣になっていない。
ほんの小さなことから始めて、生活に馴染み、かつ、君がこれだけやれば必要十分と判断できる内容の運動を探してみよう。
おすすめは自重での筋トレだ。筋トレは人一人が横になれるスペースさえあればすぐに実行できる。
他の選択肢として、例えばランニングは天気によっては継続が難しいし、ジムに行くことも、その手間が習慣化の障害になりうる。朝のラジオ体操は中々良いが、それだけとなると、若い君には足りないように思う。
器具を用意してみたくなるかもしれないけれど、君に合うトレーニング内容に必要かわからないものを、君の部屋に増やす必要はない。自重で十分だろう。
筋トレの他に、ストレッチもルーティーンに加えることを提案したい。立ったまま、座ったままできるし、寝起きに寝たままでもいい。歳をとるにつれ固くなる体のもどかしさを君はまだ知らないだろうが、とにかく、体は柔らかいに越したことはない。
筋トレやストレッチの内容や、いつ、どれくらい、何を参考にやるかについては、個々人の事情やそれまでの運動経験によって幅が大きすぎるため、この場で言及することはできない。
筋トレもストレッチも、どういった内容を取り入れるかは、無料動画や書籍を漁って試しつつ決めてほしい。
代わりに、確実に習慣化するためのアドバイスを書いておく。
毎日絶対やれると確信できる、次の日のコンディションに影響しない内容から始めること。
慣れないことを始めると、はじめの一歩で躓きやすい。後々で一連のトレーニングから外すとしても、外すと決めるまでは必ず続けられる内容にしよう。
例えばyoutubeに数多ある、一緒にエクササイズ的な動画を、初めから通しでやるのは現実的ではない。数日後、ともすれば翌日には、忌避感を覚えていることだろう。
最初は本当に簡単なことでいい。膝をつけての腕立て伏せ1回とか、スクワット3回とか、プランク5秒とか。とにかく絶対にやれる量から始めること。そして、できるだけ決まった時間にやること。
習慣化に成功すれば、月単位、年単位で負荷を増やすことができ、いずれ、生活の中で自分にとって必要十分とわかる内容に辿り着ける。
運動の次は、肌をキレイに保つこと。
肌はキレイであるに越したことはない。人は見た目が何割、と聞いたことがあると思うが、その見た目の内訳はほとんど顔のことだろう。
私は長い間ニキビに悩んでいた。大人になったら落ち着くという噂を聞いていたのに、30歳を超えても悩みは続いた。肌トラブルは私にとってコンプレックスで、自信を低下させ、ただでさえ出不精なのに、家から出たくない気持ちを増加させる要因だった。
けれど、君が幼かった頃の風呂上がりや朝の世話のついでに、自分でも化粧水や乳液、日焼け止めを毎日塗るようになったおかげか、ようやく落ち着きつつある。一汁一菜に目覚めて食生活が改善されたことも、きっと良い影響をもたらしている。
男女差があるとアドバイスの説得力を欠くかもしれないけれど、私としては、安くてもいいから、十分量の化粧水と乳液を使う、日焼け止めを欠かさない、一汁一菜の素食、適切な運動と睡眠で、肌質は良好に保たれると思う。
それから、積極的に皮膚科を受診しよう。ニキビだけでなく、体の色々な部分に色々な形で肌には問題が起きるけれど、内臓と違って見れば分かるのだから、改善できるかどうかを皮膚科医にみてもらって、治せるものはできるだけ早く治すべきだ。
美容皮膚科も必要に応じて受診するといいと思う。費用との相談になるし、足るを知るの精神とのバランスが難しいため、積極的には勧めないけれど、例えばニキビ跡の治療や、シミ、傷跡を目立たなくする等、君の人生にとって大きくプラスになりそうな施術もある。
脱毛については、君が未成年のうちに費用を負担して済ませておかせるつもりだけれど、その後も気になるなら医療脱毛を利用するといい。
ついでに言及しておくと、私は比較的色白のため青髭になりがちで、それもコンプレックスだった。解消すべく髭脱毛を社会人になって受けたが、もっと早くやっておけば良かったと思った。私は未来永劫髭を伸ばしたいと思わないと確信し、後悔しない自信があったので脱毛したわけだが、見栄えの面でも手間の面でも、本当によかった。満足のいく出費だったと書き添えておく。
最後に、姿勢をよくすること。
これは難しい課題だ。美しい姿勢でいようとしても、正しい立ち姿、座り方、歩き方がわかっていないと、常に微妙に歪んだ体でいることになる。
よい姿勢とは何だろう? これも無料動画や書籍で学べるが、この場ではあえて、私が心がけていることを、私でもそれなりの姿勢になれた(なれているはず)、という経験則から紹介してみる。
体の動かし方や三次元的な把握は画像がないとほぼ説明不可能であり、詳しくは自分で調べてもらうしかないため、ひとまず、だ。正しいかどうかの保証はない。
ポイントは胸、首、太ももの付け根。
やってみよう。まず、壁に背中の両肩あたりと後頭部をつける。両肩の、できるだけ外側が壁に
つくように、胸を張る。その三点がついたまま、限界まで顎を引きつつ首を立てて前を向く、壁から離れる。胸を張り、顎を引いて首を伸ばす感覚(頭頂を一本の糸で引っ張られるような、と表現されたりする)。
次に、しゃがんだ時に太ももの付け根の最も谷になる部分を、限界まで前に突っ張らせて立つ。
以上だ。お尻が弛まない立ち方になって、お腹周りの位置も自然と調整されていると思う。座った時は、胸と首だけでいい。
そもそもの話をすれば、立ち姿も座った姿も、何かをしている時の姿も、幼少期からの礼儀作法教育の一環として、正しく培われていることが理想ではある。とはいえ、親としての不甲斐なさを君たちが被っている可能性も往々にしてあるため、現状で伝えられる、よい姿勢のための私なりのやり方を伝えてみた。
姿勢への意識は、運動以上に重要な習慣の一つだ。なぜなら姿勢による影響は、起きている時間は常に積み重なっているのだから。
私はできるだけ、キレイに老いたい。背筋の伸びた、品のある佇まいを年老いても醸し出していたい。そういう人たちに憧れる。
君が凛と立てる人であることを、そうあれるよう姿勢を気に掛けてくれることを願ってやまない。
運動、肌、姿勢(欲張ってもう一つ加えてもいいなら、常に微笑みを)。
毎日の、常々の意識と習慣によって、君の体は君の理想に向かって正しく育まれ、整い、維持されるだろう。




