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文化祭 (終)

喫茶店を出たあと、俺達は色々な出店を見て回った。


その道中でベンチに横たわっている褥と白黒さんが膝枕しているのを見つけた。


白黒さんから話を聞くと


頭を撫でていたら急に倒れたと言った。


褥の顔を見ると幸せそう笑みを浮かべていた。


しかし、白黒さんが動けないでいる。


せっかくの文化祭を楽しみ来たのにこれでは難しいな。


「白黒さん。俺が見とくんで皆と楽しんできていいですよ」


「私なら大丈夫ですよ」


「白黒さん文化祭は今年一回しかないんですよ。せっかく休みをとって来たんですから、遠慮しないで下さい」


「・・・そう、ですか。ならお願いしますね」


「はい、また後で会いましょう」


「はい」


麗香達が待っている所へ向かって行った。


俺は自分の膝の上に褥の頭を乗せてやった。


相変わらず幸せそうな顔をしている。


「・・・・・・」


いつもは無愛想ですぐに鎌を取り出して追いかけてくるが、


こうやって見るとそう感じさせないんだよな。


「・・・へえ。けっこう髪柔らかいんだな・・・」


初めて褥の髪に触れた。


「ほっぺも柔らかいな」


指で突いて遊ぶ。


「・・・何をしている・・・」


・・・やべ起きた・・・。


「いや~その~ですね」


―――ドゴ!―――


「グハッ!!」


頬を殴られた。


「いきなり殴るなよ!」


「黙れ。かってに余に触るからだ。・・・閻魔様はどこだ?」


「白黒さんなら麗香達と祭りを楽しみに行ったぞ。お前が気を失っていたからな」


「それはすまんな」


「別にいいさ。それより起きたならどいてくれ」


「・・・ああ」


俺の膝から重みが消えた。


「行かないのか?」


「どこにだよ?」


「閻魔様達のとこにだ」


「後でまた会うから大丈夫だよ。褥はどうなんだ?」


「余はここにいる。荷物を見とかないといけないしな」


傍にある大量の食べ物と白熊のぬいぐるみ。


「・・・これ全部買ったのか?」


「買ったのはぬいぐるみだけだ。他は貢物だ」


「貢物ってどうやって・・・」


「閻魔様に皆が貢いできてな」


「あ~・・・何となく想像できたわ・・・」


きっとあの喜ぶ姿に萌えた男達が貢いで言ったんだろうな。


気持ちはわからんでもない。


「食べるか?」


「今はいいや。今日の晩飯だな」


しばらく沈黙が続いた。


「・・・そういえば、褥って前世の記憶とかってあるのか?」


「どうした急に」


「いや、死神になる前って何してたのかなって思ってさ」


「・・・あるぞ」


「へ~あるんだ」


「ああ」


「どんな感じなんだ。前世の記憶があるって・・・」


「そうだな・・・後悔しかないな・・・」


「・・・・・・」


「たまに思い返すんだ。なぜあの時ああしてやれなかったのか、気づいてやれなかったのか・・・と」


褥の目は遠い目をしていた。


「ごめんな。変な事聞いて」


「なに、気にするな」


優しく言ってくれた褥だったが、悲しい表情をしていた。


「・・・なあ褥」


「どうした?」


「俺が言うのも変だが、一人で悩んで苦しんでも答えはでないぞ。無理をする前に誰かに聞いてもらえよな」


「・・・・・・・・・」


「あ~・・・やっぱ変だった・・・よな」


「・・・いや、そうではない。忠告感謝するぞ」


先ほどの暗い感じはなくなり、優しい表情をしていた。


俺らしくもない事を言ったが、褥が元気になったんだから良しとするか。


その後また沈黙が続いたが気まずい感じはなく居心地がよかった。





夜になりグランドの中央で大きなキャンプファイヤーをやっていた。


「綺麗ですね~」


「そうだね」


俺達は屋上で眺めていた。


「白黒さん今日はどうでした?」


「ええ。とてもいい休暇になりました」


隣で眺めている白黒さんは嬉しそうに言ってくれた。


「それにしても大きなキャンプファイヤーね」


「そうですね」


麗香とエリスさんも激しく燃えているキャンプファイヤーを眺めている。


「今日は楽しかったか?」


呆然と眺めるアンドロイドに聞いてみた。


「私にはあまりわかりませんが・・・そうですね。楽しかったと思います」


「ならよかった。俺をいじる以外で楽しめてなによりだ」


「褥」


「何でしょうか?」


「今日はありがとうございます」


「いえ、余も楽しかったです」


「ふふ。そういえばあの後何を話したんですか?」


「何時の話ですか?」


「伴崎さんと褥が二人きりのときですよ」


「特に何も話していません」


「・・・そうですか。まあそのようにしときましょう。あなたも少しづつ変わっていってますし・・・」


「・・・ずるいですよ」


「ごめんなさいね」


謝っているが顔は笑っている。


「それにしても、彼もしっかりと罪を滅ぼしているんですね」


「はい。色々と問題は起こしていますが、奴なりに頑張っていると思います」


「あなたが褒めるなんて珍しいですね」


「・・・・・・」


「そんな目で見ないで下さい。伴崎さんは少しずつ変わっていってますね。本人はわかっていませんが、いいことです。それに・・・」


白黒は伴崎の方を見た。


先ほどまで隣にいたが今は皆さんに囲まれて楽しく雑談をしている。


「いい友人をたくさん持っています」


「そうですね」


「その中には好意を寄せている人がいますが、あれは彼が自分の為にやったと思っていますが、切欠を与えて今が出来ました。そして、自分のせいで希望を失った方に再び希望を与えた。・・・しっかりと私との約束を守っていますね・・・」


「・・・・・・」


「では、今後もしっかりと伴崎さんをお願いしますね」


「はい」


「・・・いつか本当に恋を出来ることを祈っていますよ・・・」


「先輩。見てくださいダンスしてますよ!」


「お、本当だ」


「先輩。私とどうですか?」


「よろこんで」


「ちょっと、亮治は私と踊るのよ」


「え?」


「伴崎様。お嬢様の後は私と」


「え?ちょ・・・」


「伴崎さん。私との約束は嘘だったんですか・・・」


「ちょ・・・ま・・あ、アッーーーーー!!!」


「・・・・・・まだまだ先は長そうですね・・・」


「そうですね・・・クス」


「あら、褥が笑うのは珍しいですね」


「・・・・・・」


「あらあら」


作者の春です。

今回で文化祭のお話は終わりです。

もっとたくさん書きたいことがあったんですが、自分の計画性のなさに短くなってしまいました。

読んでくれた皆さんには申し訳ありません。

では、今回はこの辺で ノシ

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