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13/22

文化祭 (上)

「うちのクラスだけだぞ。まだ決まってないのは」


一時間目


担当クラスの社会の先生がこの時間をHRに変更していた。


その理由は文化祭の模擬店だ。


なぜ決まってないかというと


理由は簡単だ。


面倒くさいからだ。


俺もめんどい。


めんどいけど・・・。


そうはいかない。


なぜなら


白黒さんが来るからだ!


美女の期待には応えないといけない!


それは男の運命さだめだ。


それに、褥も少なからずやる気に満ち溢れているしな。


いつもは気だるい感じでっていうかそうなんだが、白黒さんが来ると知った日から機嫌が良くなった。


まぁ、小さじ一杯程度なんだがな・・・。


・・・さて、ではこの纏まりのないクラスでどのように団結させやる気を出させる店の提案をしないといけないか・・・。


「お~い。誰でもいいから何かやりたい案はないのか~」


担任が意見を述べているが、皆は雑談や知らん振りをしている。


何かいい案はないか・・・。


俺は自分の脳ないで会議をした。


俺1「では、これより白黒さんを迎える為の作戦会議を行う」


俺2「喫茶店はどうだろうか?」


俺1「却下だ。纏まりのないこのクラスで出来るとは思えない・・・」


俺3「劇はどうだ?」


俺4「それも却下だ。意見は俺その1と同じだ」


俺2「じゃあ写真館は」


俺1「つまらんからボツ」


俺3「出店」


俺1「却下」


俺2「・・・じゃあ何がいいんだ?」


俺1~4「・・・・・・」


俺5「・・・お化け屋敷はどうだろう・・・」


俺1「・・・理由は?」


俺5「理由は簡単だ。男女がイチャイチャ出来る。それに男の方が得をする。男は気になる女性と一緒に入って楽しむことが出来るし、女も気になる男と楽しむことが出来る。まさに一石二鳥。入場は男女一組ずつしか入れないようにする。・・・どうだろうか?」


俺1~4『採用!!』


・・・どうやら脳内会議で結論がでた。


俺は席を立ち教壇に向かった。


「どうしたの亮治」


隣の席の麗香がこちらに顔を向けて聞いてきた。


「・・・ふ。いい案が浮かんでな」


「・・・またイヤラシイことね」


軽い皮肉を言ってきたが怒ってはいない。


「まあ見てろって」


「お!伴崎。何かあるのか!?」


担任は嬉しそうにしていた。


「はい。なので少しこの場を借りてもいいですか?」


「ああ。いいぞ」


「ありがとうございます。皆聞いてくれ!」


声を張り上げ皆の注目を俺に向けさせた。


女子は俺の声を聞いて全員視線を向けたが、ヤロー共はまったく見向きをしない。


「俺から一つ提案があるんだ・・・お化け屋敷はどうかな?」


そう言うと


「・・・いくら亮治君の提案でも・・・それはめんどくさいかな~」


「もっと楽なのがいい~」


「今から間に合うの?」


など、女子から意義が飛んでくる。


「もっとましなのにしろよ」


「頭使えよ」


「死ね」


クソ虫共(男子)からは罵声を受けた。


「・・・皆の意義はもっともだ。でもね、このお化け屋敷は男女一組で入る事が出来る設定にしたらどうかな?」


俺はそれだけ言って皆の反応を伺った。


普通の奴なら気づくだろう。


『・・・・・・・・・』


クラスが静まり返る。


ふふふ。


皆の心の声が聞こえるぜ。


『男女一組ということは・・・亮治君と一緒の時間が過ごせる!!』


女子の反応から見て間違いなくそう思っているだろう。


で、♂の反応は


『暗い密室で女の子と二人っきり・・・ムフフ・・・』


いやらしい反応だな・・・。


「それで、どうだろう皆。この案に賛成してくれるかな?」


『異議なし!!!』


大声で皆が一斉に賛成してくれた。


・・・計画通りだな。


こうして俺のクラスはお化け屋敷をすることに決定した。





「では、お化け屋敷の内容を決めようか」


俺はそのまま司会を進行することにした。


時間がないし、出来ればこのHRですべてを決めたい。


「普通のお化け屋敷でいいんじゃないのか?」


「それもいいが、少し変わったお化け屋敷がいいな」


「例えば?」


「・・・そうだな。洋風のお化け屋敷とかはどうだろう」


「洋物ってことはホラーハウスにしたほうがいいんじゃね?」


「それもそうだな。ホラーハウスに名前を変更っと・・・」


黒板に書いたお化け屋敷をホラーハウスに書き換えた。


「次は場所だが・・・先生体育館って借りれますか?」


せっかくやる気を出してくれたんだ。


できれば白黒さんの為に大きな場所でやりたい。


「体育館か?無理だなあそこはコンテストをするからな」


「・・・じゃあ他に広そうな場所はありますか?」


「そうだな・・・視聴覚室くらいか」


「わかりました。申請出しておきます。皆、悪いけど今日から放課後残って出し物の準備をするから残っておいてくれ!」


「「「もちろんよ!」」」


女子一同は皆賛成してくれた。


「「「まかせろ!」」」


そして、珍しく男達も賛成してくれた。


欲を丸出しのオーラをだしながら・・・。





「まったく。どういうことかしら?」


休み時間。麗香が呆れた顔で俺の顔を見てくる。


「何か問題があったのか?」


「大有りよ」


「何だよ・・・」


「亮治と一緒にいられないじゃない」


「・・・・・・」


何を言ってるんだこやつは。


散々一緒にいるじゃないか。


そのせいで俺がどんなに危険な目にあっているか・・・。


「別にいいだろ?クラスの皆もやる気なんだし」


「良くないわよ!亮治と一緒にいる時間が減っちゃうでしょ!!」


ムッと頬を膨らまして睨んでいるが、とても可愛いです。


「・・・そんなに怒るなよ」


しかし、ご機嫌を損ねてしまったのは俺の責任だ。


麗香がずっとこのままじゃ俺も困る。


「放課後麗香も残るんだろ?」


「・・・まあね」


「俺も麗香の作業手伝ってやるから。・・・一緒にな」


「・・・・・・ほんとう?」


「ほんとうだ」


「・・・そう。ならよかったわ」


機嫌が戻ったようだな。


「伴崎様。今朝方振りですね」


後ろからエリスさんの声が聞こえ振り返った。


「やあエリスさん今朝ぶりだね」


「はい。お嬢様どうかなさいましたか?お顔が真っ赤ですよ」


麗香の元へ近づいていった。


「な、何でもないわよ!」


そう言ってエリスさんから距離を置いた。


「そうですか」


無表情でそう言ったエリスさんだが、少し寂しそうな感じがした。


雰囲気的には主人が遊んでくれない時に悲しそうな目で見つめる子犬みたいだ。


最近俺もエリスさんの表情が読み取れるようになったな~。


最初は無表情で何を考えてるかまったくわからなかったけど、今は大体読めるようになった。


読めてくるとエリスさんって本当に麗香に一途ですばらしい人だとより実感出来るようになった。


たまに本人でも気づいてない時の仕草を見たときは、何とも言えないほど愛くるしいと思ってしまう。


でも、それを本人に言ったらきっとよりガードを固めてしまうから言わないがな。


「エリスさんのクラスってなにやるんですか?」


話題を変えるために俺は話を振った。


「・・・私たちのクラスは喫茶店を致します」


「喫茶店か・・・」


俺はエリスさんが給仕に勤しむ姿を想像した。


やはり服はメイド服なんだろうか。


それともウエイトレスか?


いや、猫耳・・・犬耳・・・動物衣装でか・・・。


または大穴でウエディングドレスか!!


「・・・・・・うん。エリスさんなら何でも似合うから喫茶店はやるかもね」


「ありがとうございます」


「・・・亮治。鼻血でてるわよ・・・」


情けないな・・・。


これくらいの妄想で鼻血を出してしまうとは。


本番までとっておかないとな。


・・・今日からレバー食いまくるか。


「所で亮治よ」


褥が話しかけてきた。


「どうした?」


「閻魔様に不手際がないようにしっかりとしろよ」


「そんな事か。俺にまかせれば余裕だ」


「・・・ならいいが」


「ちょっと亮治」


今度は麗香が話しかけてきた。


「どうした?」


「今褥が閻魔って言わなかったかしら?こっちに来るの?」


あ、そういえば言ってなかったな。


俺としたことが、白黒さんが来るのが待ち遠しくてすっかり忘れていた。


「ごめん。隠すつもりはなかったんだ。ってか忘れてた言うの」


「閻魔様が来られるのですか」


「ああ。来月の文化祭の日、丁度休みだから遊びに来たいといってね」


「それ本当なの?」


褥の方に視線を向けて再び尋ねる。


「閻魔様を疑いとは何事か。閻魔様は嘘は言わん」


きっぱりと言い切った。


「・・・そう。でも亮治。気をつけなさいよ」


「お気をつけ下さい」


俺のことを心配してくれての言葉。


「わかってるよ。へまをしないようにするさ」


そう言って二人を安心させた。


「ところで褥。白黒さんってどんな感じなんだ?」


「それは当日まで楽しみにしとれ。だが・・・」


褥が鎌を急に取り出した。


「閻魔様に惚れたり変な事をしたなら刈り取るからな」


いつもなら俺に鎌を向けて脅すが褥はそんなことをしなかった。


しなかったが、恐怖がしっかりと伝わる。


「そんなことしねぇ―――」


言い切る前に何かが首元に触れた感触がした。


触れた首の所を触ってみると血が少しついていた。


・・・え?


今なにやられたんだ・・・。


褥の方を見ると、鎌はしっかりと持っていた。


持っていたが、片手で持っていた。


もう片方は何かを断ち切ったような感じで振り切っていた。


・・・。


・・・・・・。


もしかして


今、褥は手刀でやったのか?


振り切った手の先を見てみた。


微かだが血がついていた。


「・・・わかっているな。・・・亮治よ」


麗香とエリスさんは何が起こったかわかっていない感じだ。


エリスさんにも見えないくらいの攻撃って何だよ・・・。


「・・・返事は」


「絶対に致しません!!」


「ならいい」


俺の誠心誠意の言葉を聞いて褥は姿を消した。


あいつ鎌なしでも刈り取れるんだな。


次からさらに気を張り詰めていこう・・・。


・・・これって死ぬほどキツイよな。


死にたくはないけど。


「一体何があったのかしら・・・亮治どうしたの!?なんで泣いているの!!?」


「伴崎様!!」





その日の放課後


「失礼します」


俺は生徒会室に来ていた。


この学校は教師に申請を出すのではなく生徒会長に申請を出すことになっている。


中に入ると奥で書類に目を通している人がいた。


「・・・何か用かな?」


書類から目を離し俺に視線を向けた。


現生徒会長の西村にしむら まこと3年生。


男の名前でありそうだけど性別は女性だ。


人望が厚く慕う人が多く。


成績優秀・文武両道・才色兼備


すべてにおいて完璧な人だと皆は言っている。


よく運動部の助っ人などを頼まれている。


俺には及ばないがな。


顔立ちも中々だ。


髪はショートヘアーにしていて目はキリッとしている。


俺的には髪は長いほうがもっとよく似合うと思うんだが、本人は運動するさいに邪魔だからと言って短くしているらしい。


確か去年あったミスコンで学年3位だったか。


女子男子からも人気が高い。


「文化祭の模擬店の申請書を持ってきました」


「そうか。あ、悪いがこちらに持ってきてくれないか?今手が離せなくてね」


「わかりました」


生徒会長の所まで行き書類を渡した。


「ありがとう。・・・君は伴崎 亮治くんか?」


「はい、そうですが」


「ふぅ~ん。なるほどいい顔をしている。これではまわりの女子も黙っていないな」


「そんな事はないですよ(当たり前だ俺を誰だと思っている)」


「それでどこの教室を使うんだい?」


「視聴覚室を使わせてもらいたいのですが」


「わかった。こちらで許可をしておくよ」


「ありがとうございます」


さっさと帰って準備をするか


「ちょっと待ってくれ」


「何ですか?」


「・・・・・・」


「?。どうしたんですか?」


「あ、いや何でもない。あまりは羽目はずし過ぎないようにな」


「はあ、わかりました」


そして俺は生徒会室を出た。


一体なんだったんだろうな。


「先ほどの女子はなんだ?」


「ああ。生徒会長だよ」


「それは何だ?」


「生徒達のボスみたいなもんだよ」


「なるほど。それにしても珍しいな」


「何が?」


「お前が余り興味を持っていなかったのがだ」


「・・・俺正直生徒会長苦手なんだよ」


「ほう」


「褥も話し方聞いたと思うが男みたいな話方だったろ?それに外見もだ」


「そうだな。だがそれだけでなぜ苦手なんだ?」


「女子なのに男よりも男らしい所かな。俺は女の子は好きだがそれは女の子って感じがするからだ。生徒会長にはそれはあまり感じないんだよ。だからかな・・・」


「よくわからんが、そう言うものなのか・・・」


「そう言う事だよ」





教室に戻るとクラス皆は模擬店に向けて準備を着々としていた。


「お~い!ここに板貼り付けていいのか~!」


「もうちょっと暗い感じに塗ろっか」


「衣装合わせするから手が空いた人からサイズ測らせて~!!」


「釘余ってないかー!」


皆和気藹々と準備に取り掛かっている。


クラス一丸となって一つの物に取り組む。


実にいいことだ。


「亮治君疲れてない?肩揉んで上げよっか?」


「亮君喉か沸いてない?」


「伴ちゃんお腹すいてない?」


・・・クラス一丸となって一つの物に取り組む。


実にいいことだ。


「俺の事はいいから、皆もしないといけない作業あるだろ?」


「え~亮くんと一緒にいる方が大事~」


「私の作業は伴君のお世話だよ♪」


「そうそう」


俺から離れたくないのと、今のうちにライバルに差をつけたいのはわかるが・・・。


そんな事をしていたら作業が終わらない。


終わらせないと俺が殺される。


「・・・頑張って仕事に取り組む人って素敵だね」


ボソっと周りの女子に聞こえるように言った。


『・・・・・・・・・』


しばし硬直をして


―――ッサ!!―――


まるで忍者のように一瞬に俺の前から消えさり自分たちの作業に集中した。


「これでよし」


「ちょっと亮治手伝ってよ」


麗香が呼ばれたので向かった。


「どうした?」


「この看板どうかしら?」


自信満々に板に描かれた絵を指差していた。


「・・・・・・なんだこれ?」


その板に描かれた絵の感想を言った。


「何ってモンスターよ」


「いや、モンスターはわかる。・・・けどこれは何だ?」


麗香の言ったとおり板にはモンスターの絵が色々描いてあった。


狼男・吸血鬼・フランケン・ゾンビ・ミイラ男・スケルトンなど様々描かれている。


でもそれらの絵が


「・・・何でこんなに可愛らしいんだ?」


そう。


麗香が描いたモンスターは皆可愛く描かれていた。


色も暗い感じや恐怖を伝える感じではなく、明るく温かみがある色を使っていた。


これではホラーハウスではなく、ファンシーハウスだ。


「あら?不満かしら?」


「当たり前だ。これじゃあ客が入ってこないだろ。もっとグロテスクにしてくれ」


「結構グロテクスに描いたつもりなのに・・・」


本気で言ってるのか?


「・・・麗香。ためしにこの紙に吸血鬼を描いてみてくれ。麗香が怖いと思うように」


近くにあったA2の用紙を渡した。


「描けばいいのね」


そう言って麗香は用紙に吸血鬼を描きはじめた。


―――数分後―――


「出来たわよ」


「どれどれ」


用紙に描かれた絵を見た。


・・・。


・・・・・・。


「麗香。どうやら君には荷が重すぎたみたいだ」


「何でそんな哀れんだ目で見てるのよ」


「センスがなさすぎる」


「失礼ね。才色兼備の私に対してその言い方はないんじゃない?」


確かに、麗香が才色兼備なのは認める。


俺よりも劣るが。


「だってこの絵を見ても誰も怖がらない」


「どうしてよ!」


「可愛すぎるだろ。俺以外にも見てもらうか?」


「そうして頂戴」


了承を得た事だし誰に見せようか・・・。


クラスやつに見せてもいいが、絶対に笑われるだろうな。


そんな事になったら麗香も多少落ち込むかもしれない(ここら辺の気配りが出来る俺ってさすがだな)


だったら・・・。


俺は教室を出てある所に向かった。


無論麗香も連れて。


―。


―――。


――――――。


「あ!先輩どうしたんですか?」


着いた場所は美術室。


そこには部活をしている後輩の由紀ちゃんがいた。


「実は由紀ちゃんに見せたいものがあるんだけどいいかな?」


「はい。いいですよ」


「・・・この絵を見てどう思う?」


俺は由紀ちゃんに麗香が描いた絵を見せた。


「・・・・・・」


「正直に言っていいよ」


「すごく可愛らしい絵ですね!」


由紀ちゃんもどうやら俺と同じ意見だ。


それを聞いた麗香はまだ納得いってない感じの不満顔をしていたが、何も言ってこなかった。


どうやら自分の絵のセンスがずれていると多少なりとも思ってくれたんだろう。


聞き分けのいい人は俺は嫌いじゃない。


「ありがとね由紀ちゃん。じゃあ俺たちは文化祭の出し物の準備してくるから」


「はい。所で先輩のクラスは何をするんですか?」


「ホラーハウスだよ」


「楽しそうですね!絶対見に行きます!!」


「楽しみに待ってるね」


「はい!!」


俺と麗香は美術室を出てクラスに戻った。


「私に絵のセンスがなかったなんて・・・意外だったわ」


「誰だって苦手なものは一つや二つあるさ(俺以外)。気にすんなよ」


「そうね。それより私は何をしたらいいかしら?」


「そうだな・・・衣装作りを手伝ってやってくれないか?」


「いいわよ」


「後これは俺の我侭なんだが・・・」


「何かしら?」


「雰囲気や衣装、メイクもリアルにしたいと思っている。だから麗香の財閥の力少しだけ借りたいんだけどダメか?」


「・・・亮治のお願いを断るなんて私には出来ないわよ。いいわよ。メイクは当日専門の人達がやってくれるように手配をしとくわ。衣装も今出来ている物から専門の人に頼んで改良するわ。セッティングも任せておいて」


「サンキューな麗香」


「いいわよこれくらい」


すぐに麗香は携帯で手配のお願いをしてくれた。


これで文化祭までには間に合うな。


最高のホラーハウスになるだろう。


それから俺達のクラスは毎日残り、準備を進めていった。


全員のやる気も削がれることなく完成へと近づいた。


そして遂に、


「皆お疲れ様。これで明日の文化祭に間に合ったよ。今日は早めに帰ってゆっくり休んでくれ」


その一言を聞いてクラスの連中は各々帰宅していった。





「あ~疲れた」


「亮治さんおかえりなさい」


家に帰ると玄関先でアンドロイドが迎えてくれた。


「ただいま」


「すぐに夕食になさいますか?」


「いや、先に風呂に入るよ」


「畏まりました。お風呂は沸いておりますのでいつでも入れます」


「助かるよ」


家事をすべてやってくれる人がいると楽で助かるな。


あの毒舌と俺の秘蔵コレクションを探すのさえなければ。


俺は二階の自分の部屋に鞄を置き着替えを持って浴室に入った。


今ではこことトイレだけが俺の安息地でしかない。


なぜかって?


男には色々あるからな・・・。


自分の部屋にいても褥がいるからリラックスがたまにしか出来ない。


それに今はアンドロイドもいるからより一層そうなった。


「いつもは気が利いていい子なんだがな~。はぁ~・・・」


独り言を呟きながら服を脱いだ。


今日の一日の疲れを取ろう。


風呂の扉を開けた。


―――ガラガラ―――


「・・・え?」


俺は中の光景見て驚いた。


風呂場で誰かが髪を洗っている。


性別は女性。


小柄で見た目は12~14才くらいの子だ。


雪みたいに白い肌で髪がショートの黒髪。


発育は中々だ。


いい尻をしてるな。


っておい!?


何のん気に観察をしている俺!!


これは非常事態だ!


あいつ(アンドロイド)誰かが入っていること忘れてたのかよ!?


この状況どうするか考えろ!考えるんだ俺!!!


今俺は全裸だ。


隠せるものは何もない。


扉も全開で開けたまま。


このままでは寒さで気づかれる。


「フンフンフフ~ン♪」


呑気に鼻歌を歌ってるな。


いいリズムだな。


って違う!!


ここは物音を立てずに出るのが得策だな。(ちなみにこの答えが出るまで5秒)


その女の子は髪を洗っているのでまだこちらに気がついていない。


「(ゆっくりだ・・・ゆっくりと確実にこの危険地帯を抜け出さなくては)」


地雷地帯を慎重に突き進む兵隊のように一歩一歩確実に出口に向かう。


「(良し!もう少しだ!!)」


俺は風呂の扉に手を伸ばしゆっくりと閉め始めた。


音を立てずに・・・。


「(あともう少し!!)」


扉が閉まるまであと顔一つだ!


―――ガラガラ―――


「亮治さんタオルこちらに置いておきますね・・・何をしてるんですか?」


洗面所の扉からからバスタオルを持ってきたアンドロイドが入ってきた。


「ば!馬鹿声を出すな!!」


「え?・・・・・・きゃあああああーーー!!!」


俺の脱出計画は失敗に終わった。





「最後に言う言葉はないか」


俺に鎌を向けた褥が言った。


「いきなりそれかよ!だから誤解だ!!」


今俺はリビングで正座をさせられている。


知りたくもないと思うが今俺は全裸だ。


周りにはアンドロイド・褥・そしてさっきの女の子がいる。


普段ならこんな事になってもここまで危機感に追われることはない。


でも今回は別だった。


どうやら、あの女の子は褥の上司の白黒さんだった。


白黒さんは今日の昼に俺の家に着き、アンドロイドにも話をつけ文化祭の間家に泊まることにしたらしい。


そして俺が家に着く数分前に風呂に入っていた。


「まったくとんだスケベでロリペドのご主人で困りました」


「お前が言わなかったのが悪いんだろ!!」


「言いたくなかったので」


「嬉しそうな顔で言うな!!」


「・・・そうですね。私も言わなかったのは悪かったです。ですが、誰かが入ってるなら服や音でわかるはずですがおかしいですね・・・」


「・・・貴様わかって中を覗いたのか」


「違う!俺が入った時、服もなかったし音も聞こえなかった!!本当だ信じてくれ!!」


「そうでしょうね。私がそう仕組みましたから」


「お前解体するぞ!!?」


「・・・まあ良い」


褥は鎌を下ろしてくれた。


どうやら助かったみたいだ。


そうだよな。俺悪くないもんな。


「お前の命と息子どちらがいい?」


許されてなかった。


「待て待て待て!!なんでそうなるんだ!俺悪くないだろ!!」


「確かに今回はお前に責はない・・・が、お前はあの方の裸を見たんだ」


あの方というのは椅子に座って俺から視線を逸らしている女の子だ。


そうだよな・・・裸の俺に視線を合わせられないよな。


「さあどっちだ?」


究極の二択。


息子か命か・・・。


どちらも刈られたら死ぬわ!!


「ま、待ってください!」


女の子が俺と褥の間に割り込んできた。


「閻魔様退いて下さいこやつは重大な罪を犯しました。ここで刈り取らないといけません」


「だ、だめです!!」


「し、しかし」


「今回は伴崎さんは好意で覗いたわけではありません。事故なんですから刈り取らないで下さい」


「それでは閻魔様の心の傷が・・・」


「・・・私は大丈夫です。ですからこの件はこれで終わりです!」


「・・・・・・わかりました」


褥は鎌を収めた。


助かった。


「大丈夫でしたか?伴崎さん」


「あ、ああ。おかげ様で・・・もうだめかと思った」


「ごめんなさい」


「いや白黒さんは悪くないよ!」


「いえ、・・・未熟な体を見せてしまってごめんなさい」


いやいやそんな事ないよ!


十分白黒さんに似合ったスタイルでした!!


って言ったら多分殺されるから黙っておこう。


「湯気で見えてないし大丈夫です。・・・それに白黒さんは十分魅力的ですよ」


当たり障りのない返答をした。


これくらい大丈夫だよな・・・?


「・・・・・・」


「な、何ですか・・・」


白黒さんが俺の目をジーッと見ている。


「・・・・・・そういう事にしておきましょう」


ボソっとそう言って俺から離れた。


そして先ほどまで顔を赤らいで恥ずかしがっていた表情が一変してかわり


キリッとした表情になり


「改めまして。私は褥の上司で地獄の閻魔をしています。白黒です。今回は休暇で伴崎さんが通っている学校の文化祭を見にきました。短い間ですがよろしくお願いいたします」


俺に頭を下げた。


「あ、こちらこそよろしく」


俺も立ち上がりお辞儀を仕返した。


外見は幼いのに中身がしっかりしてるな。


背伸びをしている感じが一切しない。


むしろ威厳を感じた。


これが閻魔の白黒さんか・・・。


「・・・あの伴崎さん・・・」


「何ですか?」


先ほどの威厳がなくなってモジモジしていた。


「お手洗いですか?」


「ち、違います!あ、あの・・・その・・ですね」


何か言いにくいことでもあるのだろうか・・・。


「どこか調子が悪いのですか?」


「い、いえ!・・・えっと・・・」


「?」


「亮治」


不意に褥が声をかけてきた。


「何だ?」


「服を着ろ」


「・・・・・・」


「・・・・・・立派ですね・・・」


「キャアアアアアアーーーーーーー!!!!」


・・・・もうお婿にいけない。

どうも作者の春です。

今回は投稿の方がだいぶ遅くなって申し訳ありません。

言い訳をさせてもらいますと、引越しをしました。

それで色々と時間がかかりました。

すみませんorz

さて、今回から文化祭が始まり亮治のクラスはホラーハウスをする事に決まりました。又、閻魔の白黒さんも今回始めての登場(対面)になりました。

自分は高校時代、文化祭を体験したことはないです(部活での遠征)。なのでどんな感じに書くか色々迷いました。

読んでくれてる皆さんに伝わっていたらいいなと思うように執筆していきたいと思います。

次回からは文化祭の始まりです。

それでは ノシ

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