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第2話: 市役所大破!神の炎と、高級スーツの奴らが黒カードを投げつける歪んだ世界

神戸の空が赤く染まる中、新たな宇宙のフェニックスである山田武は、炎に包まれたボウリングの球のように大空を迷走していた。その羽ばたきは回を重ねるごとにますます無秩序になっていった。ビル群の間をジグザグに暴走し、市庁舎の時計塔をかすめてその表面に黒い焦げ跡を残し、配達用ドローンを避けようと無理に方向転換を試みたその時……


ドガシャーーーーン!


市役所の正面ファサードに正面衝突した。地元の創始者を象った像――厳しい眼差しを浮かべた侍のブロンズ像――が、まるで装飾用のミサイルのように空中に吹き飛ばされた。山田は彫刻された石壁に深く突き刺さったまま、翼は依然として激しく炎を上げていたが、すでに半分ほどベシャリと潰れていた。


地上では、数百人の人々がスマートフォンを掲げてその見苦しい様子を撮影していた。SNS上ではすでに「これが神様なら、俺は悪魔に魂を売るわ」「神のセンスが限界突破」といったミームや暴露スレが急速に拡散されていた。


その間……その衝撃によってできたクレーターの中で……山田はゲホッと血を吐いた。宿った神聖な力は、彼の中に何十年にもわたって蓄積された社会的羨望、嫉妬、歪んだ承認欲求、および極めて特殊な性癖の闇と、脳内で必死の拒絶反応を起こしていた。


彼は頭を振り、今や黄金に輝き、光を放つ自分の手を震えながら見つめた。


山田:「な、何が……どうなってるんだよ……?」


頬を伝った情けない涙は地面に落ちなかった。空気に触れる前に一瞬で蒸発し、神聖な蒸気へと変わった。そして、彼は体に痙攣のような感覚を覚えた。両手からバチバチと火花が飛び散り始め、やがて手のひらから巨大な炎の柱が天へと舞い上がった。


大閃光の後、市庁舎の広場に降りかかった沈黙は、包丁で切り裂けるほど濃厚だった。聖なる炎の柱は消え去り、雲に黒い傷跡を残し、オゾンと焼けたコンクリート、 tender そして……山田のつけている安物のコロンの臭いを周囲に漂わせた。


地上から撮影していた何百台ものスマートフォンの画面には、今まさにクレーターから、ふわりと浮遊して降りてくる男のシルエットが映し出されていた。片方の足には破れた灰色の靴下を履き、もう片方は完全な素足のまま、その裸足は神話的な軽やかさで地面に触れた。アスファルトがきしむ音がした。


その一秒前まで、群衆は嘲笑に沸き立ち、ライブ配信の画面には嘔吐の絵文字や「3TBのHDD特定完了www」といったコメントが溢れかえっていた。しかし今、目の前の「ドブネズミ」が、まばたき一つで自分たちを文字通り消し炭に変えてしまう本物の力を持っていると本能で悟ると、そのネット上の強がりは瞬く間に霧のように消え去った。


山田はうつむき、まだ半分溶けかけたメガネをかけたまま、一歩前に踏み出した。彼自身はただパニックで震えていただけだったが、群衆はそれを「神聖な威圧」と解釈した。


最前列にいたある男子学生――3分前には「こいつの住所と本名早く特定して晒せよ」と必死にツイートしていた張本人――は、死体のように青ざめ、その場にガタガタと膝をついた。


生徒:「……お、お命をお助けください、神の『使徒』様!フェニックス様は最も……最も高潔で賢明な者を選ばれたのだ!」――恐怖で目が血走ったまま、彼はどもりながら叫んだ――「授業中の先生のあの不気味な、いや、深遠な沈黙が、純粋な霊的悟りの境地だったことは、僕たちは最初からずっと知っていました、山田先生ぇ!!」


そのドミノ効果は、恐ろしいほど迅速かつ綺麗に広がった。地下鉄で彼が隣に座るたびに、あからさまに鼻を押さえて席を立っていた人々さえも、半溶け状態のアスファルトに額を擦り付け、ひれ伏し始めた。


清掃員の老人:「奇跡じゃ……! 腐敗した旧時代の象徴を破壊し、我々に新たな時代をもたらしてくれた!ありがとう、救世主様!」


テレビリポーター:――カメラに向かってヒステリックに囁きながら、生放送のテロップの見出しを【40代教諭が市役所に突っ込む】から【神戸に舞い降りた奇跡の啓示】へと必死に変更しつつ――。「ええ、ご覧のように……私たちは今、フェニックスの栄光に満ちた降臨をライブ中継しています。神が、我々の信仰心を試すために、あえてこれほどまでに……深い『謙虚さ』と世俗的な『自己抑制』を兼ね備えた器を選ばれたことは、火を見るより明らかです……!」


山田は、目の前で首を垂れ、背中を丸めている人間の海を呆然と見つめていた。誰も彼の目を見る勇気はなかった。敬意からではなく、純粋に動物的な生存本能からだった。


彼の3テラバイトに関する最悪な真実に、依然としてインターネットの海に漂っていたが、目の前にある「最後の審判」が翼幅4メートル、摂氏1000度の神の炎を放っている時、人類にとってネットの倫理観など、本当にどうでもいいゴミ屑だったのだ。


中年教師は、静かに咳払いをした。その音は宇宙的な反響によって増幅され、広場に残っていた周囲のビルのガラス窓をビリビリと震わせた。


山田:「あの……誰も警察、呼ばないんですか?」


群衆は、首がもげそうなほどの激しい横振りの否定、引きつった笑い声、そこでさらにへつらうような賛辞の合唱で応えた。


山田:「あ、そう……。じゃあ、財布が燃えちゃって一銭もないんで、誰か……セブン-イレブンの、廃棄間近の、あの緑のシール貼る値引き弁当、買ってくれませんかね。」


その瞬間、30万円以上の高級スーツを着た4人のエリート実業家たちが、誰が真っ先にゴールドやブラックのプレミアムクレジットカードを山田の足元へ投げつけられるかを競い合い、互いに殴り合いを始めた。彼らはまるで黄金の仏像を拝むかのように狂信的な目で山田を崇め奉っていた。


一方、この国で最も卑劣で、底辺の存在であるはずの山田は、絶対的な権力を持ったからといって自分が救われるわけではないことに気づいていた。


――それはため、周囲の人間全員を、自分と同じくらい醜く、嫌らしい存在に変えちまうだけなのだ。

【作者より一言】


第2話までお読みいただき、ありがとうございます。これにて本エピソードは一区切りとなります。


絶対的な力を持ったからといって、山田が「良い人間」になるわけでも、過去の3TBの罪が消えるわけでもありません。ただ周りの人間が恐怖で歪んでいくだけという、現代社会の皮肉を込めてみました。


もしこのブラックな結末に何かを感じていただけましたら、ぜひコメント欄で感想を残していってください!「この後、山田はどうなるんだ」「社会のリアルな縮図だ」など、皆様の率直なレビューやブックマーク、評価をお待ちしております!

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