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魔力操作無双~魔法が使えないで虐げられていた俺は、魔力を体内でひたすらグルグルしてたら、ざまぁしてました~  作者: 喰寝丸太


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第65話 追放

「ファントム、お前を名誉勇者から追放する」


 クラフティは俺に指を突きつけてそう言い放った。、

 こういう提案は渡りに船なんだけど。

 はいそうですかと頷くと王様が文句を言いそうだ。


「何の権限があって?」

「これは、大臣の命令書。こっちは騎士団長。貴族の連判状。教会の命令書」

「王様の物が抜けているが良いのか?」

「構わないさ」


「みんなも同じ考えか? じゃ、一筆書いてね。その命令書も全部貰おう。俺への命令だから俺が貰うのが当然だよね」


 3人が頷く。

 クラフティ達3人の追放に責任を取るとの書きつけも貰った。

 俺は名誉勇者の印を置いて立ち去った。

 分身ナンバー3は残したけど。


 追放か?

 モンスターにこいつらがやられて全滅したら、俺が後始末をするさ。

 分身でも(デス)は使える。

 ドラゴンクラスまでなら大丈夫のはず。

 ゴッドドラゴンなんかは出て来ないだろう。


 王様には報せないと不味いだろうな。

 もう王家の影が報せているかも知れないけど。


 飛ぶ座席に乗って王都に帰る。

 気は重いが仕方ない。

 王城へ忍び込んだ。

 王は執務中だった。


「執務中、失礼します」


 突然、姿を現した俺に護衛が武器を抜いて構える。


「良い」


 王が護衛に手を出すなと言葉とジェスチャーで伝えた。


「馬鹿な奴が俺の追放を画策した」


 命令書と書きつけを見せる。


「ふん、馬鹿な奴らだ。だが印を失ってもお前は名誉勇者だ。印など偽造もできるし、ただの物だ」


 そう言うと思ったよ。


「で、どうすれば?」

「モンスター被害が出ないように、馬鹿共の尻拭いをしてほしい」

「そのつもりだ。民に損害は出せないからな」

「馬鹿どもはいずれ処分する。ただこれだけ人数がいると骨が折れる」

「分かっているよ。だが、王のためにやるんじゃない。カリーナの顔を曇らせないようにやる」

「女のためにか。心得た。心に刻んでおこう」


 俺は姿を消した。

 スェインの噂はどうかな。


 ワイバーンの群れを倒したらしい。

 群れと言っても5頭だが。

 だが、クラフティ達には逆立ちしても無理だろう。


 ワイズベルの様子を見る。

 取り巻きの数は学園の8割にも及んだ。


 待遇改善の要望書を魔法学園に提出したらしい。

 掲示板にそう書いて貼ってあった。


 とりあえずみんなのためにやってますよアピールか。

 まあ、可愛いものだ。

 生徒会ごっこをやりたいならやらせておけば良い。


 だが、たぶんとんでもないことを言いだすのだろうな。

 どんな策略か見物だ。



「プリンク様。情報が洩れてます」


 プリンクの所では大騒ぎ。

 王都周辺の盗賊がみんな死んだからな。


「くそっファントムの野郎」

「密談に使う部屋を作りましょう。隠蔽(ハイド)魔法も破れるようなのが良いですね」

「そうだな。それぐらいの金はある」


 プリンクの所は密談の部屋の工事が始まった。

 壁には鉛の板。

 人間を感知するための魔道具をプリンクが発注したのを聞いた。


「おい、バッタ屋。人間を感知する魔道具の在庫はあるか?」

「いきなりだな。あるわけないだろう」

「仕組みは知っている?」

「それぐらいなら。魔力感知式、体温感知式、生命力感知式この3つ以外は知らん」


 体温と生命力は、分身に反応しないと思う。

 魔力感知はどうだろうな。


「その3つを揃えられるか?」

「商売だから仕入れられるよ」

「よし金は弾む」


 ほどなくして、感知の魔道具が3つ揃った。

 まず本命の魔力感知式。

 魔力が飛んで来たので魔力受流(マナパリィ)でいなす。

 魔道具は反応しない。

 勝ったな。


 なんだ楽勝だ。


 体温感知式と生命力感知式は反応しなかった。

 分身は生きているわけじゃないからね。


 プリンクは安心しているだろうから、これからは裏をかいてやれるな。

 実際にプリンクの所に分身を忍び込ませた。

 霧化を防げる扉はない。

 ゴムでも開発しない限りはな。

 それだって動く霧は浸透していくだろうから、かなり圧力を掛けないといけない。


「うはは、もうこれで工作員や間諜に怯える必要はない」

「そうですな。密談中は誰も入れなければ良いのですから」

「さっそく魔道具を試してみよう」


 プリンクが感知の魔道具で四方を調べる。

 天井も調べる念の入りようだ。

 当然分身は引っ掛からない。


「盗賊共は実によい取引先だったのに残念です」

「地方から盗賊を呼んでくればいい。縄張りが空なら入ってくる奴らもいるだろう」

「ええ、ですが、ファントムに怯えてまして」

「意気地のない奴らだ」


 プリンクよ、ファントムが俺だと知ったら裸足で逃げ出すくせに。


「盗賊以外の取引先を見つける必要がありますな。心配は要りません違法な品を欲しがっている方はいっぱいいますからね」

「法に触れない限りどんな物でも仕入れる自信がある」


 大きく出たな。

 でもプリンクは用心深い。

 法律を気にしているのだな。

 こいつの尻尾を掴むのは容易ではない。


 密談の部屋に簡単に出入りできるのだから、まあこっちの勝ちは決まったようなものだけどな。

 プリンクは次は何を仕入れるのかな。

 注視していこう。


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