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魔力操作無双~魔法が使えないで虐げられていた俺は、魔力を体内でひたすらグルグルしてたら、ざまぁしてました~  作者: 喰寝丸太


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第64話 オーガ

 オーガの縄張りに入った。


「ガァァァ」


 遠くでオーガの雄叫びが聞こえる。

 風上に立ったから匂いで俺達の接近が分かっているはずだ。

 やがて木をかき分け、3メートル半はある赤い肌のオーガが現れた。

 オーガはグルグルと唸っている。


 クラフティは駆け出すと、オーガに剣を打ち込んだ。

 オーガが面白くなさそうに剣を手で払う。


 クラフティの剣は明後日の方向に飛んだ。

 武器は死んでも手放すなという鉄則を知らないのか。

 こいつはちょっとへっぽこだな。


火炎竜巻(ファイヤートルネード)


 スロベニーが炎の魔法がオーガを包む。

 オーガは吠えると炎から飛び出した。


「槍を!」


 カルエルがクラフティに槍を投げる。

 クラフティはそれを掴むと飛びだしてきたオーガの腹に突き立てた。

 槍の柄が砕け散る。


 あれじゃ3センチぐらいしか刺さってないな。

 (デス)を発動。

 オーガはあっけなく死んだ。


「俺の槍の一撃を見たか」


 得意そうなクラフティ。


「もしかして、私達3人で勇者パーティに匹敵する? 名誉なんて名乗らないで、真勇者とか名乗りましょうよ。そこにいる何もしない平民を抜かして」


 得意気なスロベニー。


「そうですね。勇者はオーガを一撃。クラフティも一撃。同じよ」


 カルエルも得意気だ。

 俺は、なに言っちゃてるの状態。


 あまりに馬鹿過ぎて、なんか楽しくなってきた。

 こいつら分かってないな。

 分かられても困るけどな。

 めんどくさくなるからな。


 それにしても槍の傷口を見れば深く刺さってないって分るだろう。

 オーガの革は高級防具になる。

 名剣とかの一撃にも耐える。

 普通の槍で一撃なわけないだろう。

 スェインほどの腕があれば別だが。


 オーガの死骸を収納して最寄りの街へ行く。

 出迎えたのは、スイートで接待してた女達と、役者、子供。


 どいつもこいつも欲にまみれているな。

 顔に出さないところがプロだ。

 子供は純粋に分かってないんだろう、無邪気に笑っている。

 毎晩抱かれても嫌だと思ってないと思われる。


 クラフティ達3人が討伐の金と素材の金を山分けする。

 またご乱行か。

 分身ナンバー3に見張らせる。

 クラフティ達3人は報告書を書き始めた。

 意外な行動だ。

 まあ、自分たちの自慢を書き連ねてあると思うけど。


 さて、こいつらはもういいや。

 プリンクを中心的に見よう。


「商人の馬車を見張って行先を教えろか。高いぞ」


 プリンクは情報も売るようになったか。

 商人の情報を売っただけでは罪にはならない。

 ただし、盗賊に売ったのでなければだ。


 買い取る方もそこは分かってて商売に使うというお題目を掲げている。

 何人も人を挟んで盗賊に情報が行く仕組みだ。


「それはもう分かってますよ。それといつものように食料と武器とポーションを」

「そちらはいつもの値段で良いな」

「はい、それはもう」


 俺は名前が出た商人に警告を発した。

 ファントムの名前で投げ文したから、問題ないだろう。

 信じない商人は面倒をみきれない。

 いちいち陰で護衛するほどは親身になれない。


 空を飛んで帰る時に盗賊を潰しながら帰ろうか。

 高く飛べば気づかれないかも知れない。


 俺はカリーナのもとへ帰るべく飛んだ。

 盗賊いないかなと見ながら。

 森の中を行く集団を見つけた。

 着ている服から堅気でないと判る。


 (デス)魔術を起動。

 盗賊達は死んだ。

 もっている武器はみんな新品に近い。

 プリンクの所で見たことのある武器が目にとまった。


 やっぱりこいつらに流れていたか。

 そうだ、質問領域クエッションフィールドを展開しよう。

 盗賊をあぶりだすのだ。

 ちょっと寄り道をしたが、王都周辺の盗賊はみんな退治した。

 武器が要らないな。

 でも捨てていくのも勿体ない。

 王都で売るとややこしくなるかもな。


「どうしたら良いと思う」


 ファントムに相談した。


「闇商人に売れば、全部はけますぜ」

「そういうのではなくて」

「街道を巡回する兵士に寄付したらどうです」

「金はあるし、その線で行くか」


 ファントムが兵士に武器を寄付しに行った。

 ファントムが盗賊に恨まれても問題ないだろう。


 詮索されても名誉勇者だからで済む。

 道を行くときに退治したんだなと思われるだけだ。


 今回の討伐休暇は1週間。

 ファントムの盗賊退治は歌になった。

 吟遊詩人が定食屋で歌っているのを聞いた。


 分身ナンバー1を使い、魔法学園の中を歩かせる。

 ワイズベルがたくさんの取り巻きに囲まれているのを見た。

 噂を集めると1年生はほぼ手中らしい。

 最近は2年生、3年生にも手を伸ばしているようだ。


 烏合の衆を集めて何がしたいのやら。

 数は力とか思っているんだろうが。

 俺もその意見には同意するが、それは個々の戦力が同じぐらいだった場合だ。


 圧倒的な個の力は集団を打ち負かす。

 そう思っている。


「お帰りなさい。お土産ありがとう」

「ただいま、カリーナには変わりがなかったか?」

「ええ、平穏な生活です。殿方から文を貰う以外には」

「そんなの焼き捨てろ」

「嫉妬してくれたのですか。心配要りません。メイドにお断りの返事を書かせてます。しつこく食い下がられてもそのうちに諦めますから」

「ははは、丁寧なお断りをメイドが書いているのか。傑作だな」

「全部に返事を書くと眠れませんから。幸い、お金はたくさんあって、メイドを増員できてます」


 エリクサーと薬草変換(グリーンサム)の札の売り上げは莫大なようだ。

 儲かっているようで何より。


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