第127話 玩具
分身ナンバー3の映像。
バッタ屋が忙しく働いている。
トイレ工事は、高値でスラムの人間に発注したようだ。
ゴーレムも使っているが、やはり細かい所は人間がやらないといけないようだ。
かなりぼったくり価格みたいだが、やる人がいないので仕方ないと思われる。
スラムの人間は約束を守らなかったり、手抜き工事が多い。
バッタ屋はチェックするために大忙しだ。
なので、店は店番を雇っている。
「店長は?」
「ライドさん、店長はあと少しで戻る予定です」
「トイレ工事?」
「ええ、匂いが取れなくてと愚痴をこぼしてます」
バッタ屋がさっぱりした顔で帰ってきた。
「くんくん、風呂に入ったのに匂いが抜けない」
「儲かっているようだな」
「嬉しくない。ゴーレムがもっと性能が良ければな」
「物を運んだりぐらいしかできないからな」
「重いものを運ぶには良いが、漆喰とかで隙間を埋めたりするにはなぁ」
「今日は儲け話を持ってきた」
「よし、決めた。その金でトイレ工事の現場監督を雇って、丸投げするぞ。さあ話せ」
「今日の商品は、プリズムだ」
俺はガラスの三角柱を出した。
「そのガラスの三角が何だってんだ?」
「見てろよ。光をこう当てると」
「おっ、虹が出たな」
「これを魔道具で再現してみた。光魔法だな。それがこれだ」
魔道具を出して起動した。
太陽の光を屈折して虹を作り出す。
「虹を作る魔道具か。玩具だな。そんなに高値では売れないな。だが今までにない商品だ。最初は高値で売れるだろうな。だがよ、これって簡単に真似されるんじゃ。7色の光を出すだけだからな」
「それだと魔道具が7個いるだろう。価格競争で勝てるはずだ」
「太陽の光を使うのがミソか。薄利多売だな。土産物店に卸せばかなり儲かるか。だが現場監督を雇えるほどじゃない。別のアイデアを出せよ。まだあるだろう」
プリズム魔道具は力作だったんだけどな。
カリーナも喜んでいたし。
玩具なら、立方体の各面が9分割されているあのパズルかな。
ただ、作ったんじゃ面白くないから、ゴーレムの仕組みを応用して、コンピュータ搭載で、ごちゃごちゃにしても元に戻るようにしよう。
アイデアを図面に描いた。
「これでどうだ?」
「部品を作るのが大変だ。もっと単純なのがないか」
ええっ、日本では流行ったのに。
仕方ないな馬鹿なバッタ屋に相応しいのを考えるか。
磁力の魔道具を台にして、そこに6角形の穴の開いてないナットを積み上げていく、玩具魔道具。
「これなら簡単に作れるだろう」
「積み木の一種なんだな。磁力で積み木では作れない形を積み上げたりできるのか。ふむこれも薄利多売だがいいだろう。もっとアイデアを出せ」
強欲だな。
水で濡れると光って音を出す魔道具を作るか。
これと水鉄砲の魔道具を組み合わせれば、いっちょ上がり。
「今度はどうだ?」
「水遊びね。水に濡れると光って音を出すのが肝か。これはすぐに真似されるな」
これも駄目か。
こうなったら、フィギュアだ。
ゴーレムの12分の1、フィギュア。
ゴーレムは製造元のカクルド家の家紋が入っている。
これは真似できない。
実際に動くゴーレムフィギュア。
カリーナを通せば許可も下りるはずだ。
「これはどう?」
「ゴーレムのフィギュアなんて需要あるのか」
「高級品志向でいくんだよ」
「値段設定は高めでもいいが、売れるかどうかだ」
美少女フィギュアでないと駄目か。
だが模造品が出るはずだ。
著作権みたいなのを提示できないかな。
無理だろうな。
著作権はない世界だし。
真似できない魔道具か。
何だろう?
「てか、薄利多売で良いじゃないか。今まで出したアイデアの利益で、現場監督は雇えるだろう。だよな」
「ちっ、ばれたか。もっとアイデアを出させようと思ったのに」
「ゲームセンターはどうなんだ?」
「あれは競合店があるから駄目だな。しかも贋金使う奴がいる」
「硬貨回収装置に問題ありか」
「重さと大きさが合っていれば通るのが何ともな。ゲームセンター用の贋金を売る業者もいる。大抵はマフィアがやっているから怖くて口を出せない」
マフィアか。
たしか闇邪教に吸収されたんだな。
そんな商売もしているのか。
叩き潰さないといけないようだ。
贋金作りは重罪だからな。
逮捕する理由にはなる。
守備兵が動かないのは賄賂を貰っているからだろう。
ありがちなことだ。




