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魔力操作無双~魔法が使えないで虐げられていた俺は、魔力を体内でひたすらグルグルしてたら、ざまぁしてました~  作者: 喰寝丸太


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第126話 大脱獄

 分身ナンバー2の映像。


「脱獄したいぜ」


 プリンクが呟くように言う。

 そして考え始めた。


 プリンクは手紙を書いたようだ。

 そして、差し入れが来た。

 パンの中に入っていたのは小振りのシャベル。

 どうやら穴を掘って脱獄することにしたようだ。


「食べ物の差し入れを融通するから。お前これで穴を掘れ」


 そう言ってプリンクは小振りのシャベルを囚人に渡した。

 プリンク自身は関わらないようだ。


「それならやらせてもらいます」

「穴が掘れたら、逃げる時には声を掛けろよ」

「へい」


 穴掘りの脱獄の様子を観察する。

 初日。

 石のタイルを剥がすのに、囚人は四苦八苦。


「始まりましたわね」

「脱獄物は面白いからな。見物する価値がある」

「劇では見たことないですわ」

「カクルド家が支援している劇団とかあるだろ。そこにアイデアを言ったら面白そうかもな」


 おお、何とか石のタイルを剥がしたぞ。

 囚人は今日はここまでらしい。

 タイルを元に戻すと、ベッドを移動してそれを隠した。

 小振りのシャベルは、椅子に座板の下に貼り付けて隠したようだ。

 早めに見つかると面白くないから、見つかるなよ。


 二日目、穴掘りの作業開始。

 土が硬いようでなかなか掘るのが進まない。


 堀った土をどうするのかと見ていたら、おまるに入れた。

 そして、何食わぬ顔で、糞尿と一緒に決められた穴に捨てた。

 これだと毎日大した量の土は捨てられないな。


「俺なら、どうやってやるかな?」

「他の囚人にも協力して貰えば量は増やせますわ」

「だよな。その場合、脱獄の準備をしていると知る人間が増えて、露見する確率が高くなる」

「ですわね」


 囚人もそれは思ったのか、他の囚人に声を掛けて土を捨て始めた。


 六日目、縦穴が完成したようだ。

 ここからが大変だ。

 どの方角に掘るかで運命が変わる。

 牢屋の外に掘ったつもりがまだ中だったなんて落ちだと間抜けすぎるな。

 あと陥没の危険がある。

 これは生き埋めの危険と、露見の危険だ。

 魔法を使いたいところだが、俺が発明した魔道具で囚人の魔力は吸い取られ、巨大魔石に蓄えられて国にその魔力が使われている。

 魔力がゼロだと取れる手がない。

 ここを破る手があれば、脱獄の成功率は上がるだろう。


「劇にするなら、看守に見つかりそうになってひやひやする場面が欲しいですわね。仲間のひとりが捕まって尋問されたりも良さそうです。口を割らない仲間を信じ切れなくて、余計なことをして危機になるとか色々と考えられそうです」

「ああ、そうだな。ただ、劇で見せる時に、舞台上で穴の中が再現できないよな」

「そこは魔法を使えばよろしいのでは」

「大脱獄みたいなタイトルで上映されるんだろうな」


 八日目。

 囚人は練る暇も惜しんで穴掘りしている。

 ベッドの毛布の下には、丸めた毛布。

 古典的だな。

 看守が声を掛けたりしたら、一発でばれる。


「劇では看守が棒で突いたりしたら良いかもですね。それで仲間が糸を使ってもぞもぞと動かして誤魔化すなんて良いかも知れません」

「そういうアイデアは面白いな」

「劇が開演したら見に行きましょう」


 十日目、陥没事故発生。

 事が露見してしまった。

 露見の始まりはこうだ。

 穴掘りしている囚人の衣服に土が付いているのを看守が発見。


 これは穴掘りしているなと、看守が地面を思いっ切り踏んだりして確かめた。

 それで、陥没したというわけだ。


 服の汚れは洗濯しないと駄目だからな。

 囚人の服の洗濯は1ヶ月に一度ぐらいだ。

 下着は3日に一度ぐらい洗っているようだが、とにかく回数が少ない。


 服の汚れから見つかるか。

 十日は良くもった方かな。


「見つかってしまいましたわね」

「まあな、計画に無理があるよ。魔法が使えれば服の汚れも落とせただろうに。やはり鍵は魔力だな」

「少し応援してましたのに」

「俺もだ。ただ穴が完成したら、密告してたけどな」


 さて、プリンクの様子はどうかな。


「くそっ、穴掘りは駄目か。服の汚れの問題は難しいな。下着の洗濯の時に服を洗えば、何で服を着てないんだって言われるだろう。むきーっ」


 プリンクがイライラしている。

 ざまぁだな。


 さあ、カリーナと大脱獄の劇を見に行こう。

 色々とアイデアを出したから、面白い物に仕上がっているはずだ。


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