少年?
魔人。
それは、人間とは比較にならないほどの力を持った者たちだ。
魔王と共に出現したことから魔王が作り出した存在だとか、人間であることを止め魔王に心身共に売り渡した存在だとか。
色々言われているが、結局どういう存在なのかは誰もよくわかっていない。
ただそれは、魔王の配下であり、人間の敵。凶悪でとんでもない力を持っている。
そして、魔人は皆共通して赤い目、尖った耳と爪、小さな牙、があるということはわかっている。
まぁ、魔人に会ったらほぼ確実に普通は死ぬ。
魔人の数は少ないから会うことはあまりないが、とても強い魔物がいるところには大抵いる。らしい。Z
だが、今いるこの森はそれほど危険な森ではない。魔物はいるがそれほど強くないし。
じゃぁ、この子供は魔人ではない?
そもそも子供の魔人なんて聞いたことがない。
耳は尖がってないし。牙は・・・口を閉じてて見えないけど。
でも、この状況はどう考えてもあの子供がこの研究所の人たちを殺したとしか思えない。
手に小さなナイフを持っているし、両手が返り血で真っ赤になっている。服も顔にも返り血がついている。
こんな小さな子がこの人数をほぼ無傷で殺したということはやっぱり魔人なのか?
目も赤いし・・・。
ん?でもこの子魔人にしては恰好がおかしいような。
ちょっと大きめのシャツにズボン。どっちも真っ白で生地が薄い。そして、裸足。
魔人にしてはお粗末すぎるし。外からきたのなら靴ぐらいははいているのでは?
と、今の状況を忘れ、悩みまくっていると、
「・・・だれ?」
!? しゃべった!?
いや、そりゃしゃべるか。
・・・敵意はなさそうだな。
一応警戒しながら子供、少年?に近付いていく。
少年?はただ突っ立っている。
じっ と見つめて警戒しているようだ。
いやっ、警戒・・・というより怖がっているような?
まぁ、無表情だからわからないけど。
「・・・だれ?」
少年?がまた口を開いた。
「俺の名はロイスだ。お前は?」
とりあえずよくわからないから挨拶。会話をしよう!!
「・・・・・」
「・・・・・」
少年?が首を傾けた。
???
「お前の名前は?」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
首を傾けたまま動かない。
会話ができない・・・。
「とっ、とりあえず、この場所から出ないか?気分が悪くなっちまう。」
と怖がらせないように笑って言った。
「歩けるか?」と手を差し出すと、
びくっっ
と、見てわかるほど少年?の体が動いた。
怯えている・・・?
「・・・大丈夫だ。俺はお前に危害を加えたりなんかしない。」
なっ と笑って少年?の頭に手を伸ばした。
また、あからさまにびくっとしたけど気にせず頭に手を置いた。そのままくしゃくしゃと雑になでる。
少年?が不思議そうにこっちを見たが気にしない。
何秒かして手を離し、さっ、行くぞ。と言って、また手を差し出す。
少年?はその手を見て・・・倒れた。
???
倒れた・・・。
俺、何かした?
何もしてないよね?
頭触っちゃいけなかった??
呼びかけても返事がない。
少し揺すってみても動かない。
すーー、すーー
・・・まぁ、ただ眠っているだけみたいだし。
仕方がない。
皆のところまで運ぶか。
そして、小さい体を持ち上げる。
・・・軽いな。
薄暗い部屋と服でよくわからなかったが、思ったより細く、軽い。
訳アリか・・・
ふぅ、わけわかんねぇことばっかだな。
そして少年?を起こさないようにゆっくり出口に向けて歩き出した。




