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アリフレタ帝国物語~最強皇女様の世直し旅~  作者: 天野ハザマ


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 翌朝。

 トリッシュは目覚めると手を叩き「ヤシチ」と呼びかける。


「此処に」


 部屋の隅にニュッと生えてくるニンジャに「おはよう」と言えばヤシチからも「おはようにござる」と返ってくる。


「……前々から思ってたけど、その語尾なんなの?」

「キャラ作りでござる」

「そっか……」


 まあ、確かにそのせいでヤシチのキャラは簡単には忘れられないくらいに濃いのも確かなのだけれども。

 ひとまずトリッシュがどうこう言うことでもないと思考をポイして本題に入ることにする。


「昨夜何もなかったけど、あの子が上手くやってるのかしらね?」

「そうでござるな……昨夜もひと暴れされたようで。上手く枝葉を狩っているようにお見受けする」

「枝葉、ね。つまり結構大きな組織がいるのね?」

「元より破滅教徒は何処にでもいるものでござる故に」

「……」


 破滅教徒のことは当然トリッシュも知っている。

 自分勝手な悪というものは一部の人間にとって酷く魅力的に見えるらしい。

 何度かぶつかったことはあるが、彼等の為す悪の度合いも様々だ。


「警備隊とチンピラが繋がってること、下手すると盗賊まで繋がってる可能性は知ってたけど。まさか結構深刻?」

「然り。この街には根深き闇がござる」


 言いながらヤシチは巻物を取り出しトリッシュへと差し出して。

 受け取り広げたトリッシュは「げっ」と呻く。

 そこに書かれた名前と役職が想像以上だったからだ。


「ねえ、ヤシチ……これ本当?」

「拙者は確定したことしか書きませぬ」

「そっかあ……警備隊は全部黒、街長も黒かあ……どうしようかしらね、これ。あ、副街長は?」

「昨夜調べただけでは判定不能でござった。怪しい行動は一切してござらんが、それをもって白とするには、しばし観察を続ける必要があるかと」

「そう? なら暫定白として扱いましょ。無実ならそれでよし、自分を隠すのが上手い悪なら……まあ、そのうち尻尾を出すでしょ」

「御意」


 ヤシチが黒と判定した街長については、確実にそうだという信頼がある。

 何故ならこの紙には街長がやらかしたことについても事細かに書いてあるからだ。


「街庁舎に悪神の神像、ねえ……他にも幾つかのポイントに同じものあり、と。これってアレかしら?」

「ご想像の通り、穢れた祝福の儀式ではないかと」


 穢れた祝福の儀式。

 破滅教徒は唯一たる神聖の云々かんぬんとか言うが、要は悪神に力を貰ってより邪悪な存在になろうという儀式だ。

 問題は、そこに到るまでの間に相応に罪を重ねる必要があるということなのだが……。


「ヤシチ。見つけた像はどうしたの?」

「壊せば当然騒ぎになる故、場所をそこに記したでござる」

「上出来よ。となると、うーん……今のこの街の状況を考えるに……かなりこっそり生気を吸うタイプだと思うんだけど。でも、あたしが昨夜どうにもなっていないことを考えると範囲が狭いか、何らかの儀式がまたそこに噛んでくるタイプかしらね」


 派手にやるタイプの儀式だと発動までの時間は短いが、トリッシュのように勘が鋭い人間には「何かやった」ことそのものを……下手をすると場所まで気付かれる。

 それがないということはつまり、気付かれにくいような何らかの手段をつかいコソコソとやっているということだ。


「じゃあヤシチは引き続き儀式の詳細を探って」

「御意。お嬢はどうされるので?」

「そうね。副街長に接触してみようと思うわ。腹を探るには、まず手の届く距離にいかないとね?」

「……」

「何よヤシチ」

「ご命令故、従いまするが……可能であれば某が直接お傍でお守りしたかったと思うでござる」

「その言葉だけで百人力よ! あたしを信じて行ってきなさい!」

「御意」


 そのまま床に沈んで消えていくヤシチだが、ヤシチはああいうのをストレートに伝えてくるタイプなのでトリッシュとしても非常に好感度が高い。

 さておいて、どう副市長に接触するか。そこまで考えたとき、ヤシチが床からまた生えてくる。


「あれ? どうしたの?」

「……妹君の件でござるが」

「ああ、昨日何処かを潰したんでしょ?」

「その件で街長が何やら動いている様子。想像は出来るでござるが、何があっても落ち着かれるよう。『撲師』と『傾国』がついている以上は悪いようにならんでござる」

「分かってるわよ。貴方があたしを選んでくれたおかげで、相当楽できてるってこともね」

「そのお言葉だけで全てが報われるでござる」


 頷き消えていくヤシチを見送ると、トリッシュは「ふう」と息を吐く。

 本当に、この旅でトリッシュが身分を隠してアレコレ出来ているのはヤシチの働きによるところも大きい。それは本当にトリッシュも感謝しているのだ。


「……さて。接触方法だけど……どんな手段がいいかしらね?」

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