9.三位
俺達は、25名のプレイヤーに勝利した。
なずなと作戦を立てていなければ、負けていただろう。
そして、レアカードを持っていなければ勝てなかっただろう。
この中に、スーパーレアを持っているプレイヤーはいなかった。
25名と俺達、合わせて27名。
上位三名の中に、スーパーレアを持っているやつがいる。
―お見事! 勝者には、スーパーレアカードをプレゼント致します―
これで四枚。
あと一枚だ。
―25名のプレイヤーのみなさん。お疲れ様でした。これより、転送を開始致します―
よかった。
また別の場所に移動しなきゃいけないと思った。
あっという間に、プレイヤーがいなくなった。
ピロンとスマホが鳴った。
俺はスマホを見た。
―プレイヤーが見ています―
「えっ」
ピロンとスマホが鳴った。
―プレイヤーが見ています―
「えっ、私も!?」
ピロン、ピロン、ピロン、ピロン、ピロン、ピロン、ピロン、ピロン、ピロン。
「ちょっと待ってよ」
―プレイヤーが見ています―
―プレイヤーが見ています―
―プレイヤーが近づいています―
―プレイヤーが近づいています―
ピピピピピピ!!!!!!
「っ!!」
地面に亀裂が!
「カードオープン。真実の穴」
誰かがカードを使った。
「芹!」
俺は、地面の穴に体が半分、埋まってしまった。
なずなは逃げる事ができた。
「おやおや? 今回のゲームは男の子かぁ」
マッシュの男が、俺の前に現れた。
「君は、犯罪を犯した事がある?」
「は? なんの話を……!」
俺は顔を蹴られた。
「芹!!」
「近づいたら殺すよ」
「っ!!」
「答えてくれる? 君は犯罪を犯した事がある?」
「……ない」
「……じゃあ次の質問。君の周りに、犯罪を犯した事がある人はいる?」
「……俺はいじめを受けていた。それ以外ではいない」
「……じゃあ最後の質問。これから犯罪を犯したいと思う?」
「いいえ」
―真実の穴、解放致します―
「えっえっ!?」
俺の周りの地面が、広がっていく。
「おめでとう! 君は誠実な人だ!」
拍手をしている。
で、結局誰なんだ?
俺は自力で、穴から抜け出した。
「芹!」
「なずな!」
「あんた誰なんだ?」
「僕? 僕は杏」
「ランキング三位じゃない!」
なずながスマホを見て驚いた。
「敵の前で、簡単にスマホを出さない方がいいと思うよ」
杏は静かに言った。
「君達は、四位と五位だね。まぁ僕ランキングとか興味ないけど」
何が目的だ。
カード化するなら、地面に埋まった時にされているはず。
バトルをする気配もない。
「まぁまぁ。僕、誠実な人には興味ないんだ。だから戦わない。そのかわり、一位と二位の場所に連れていってあげるよ」
「えっ……」
「芹!」
俺達は、目の前が真っ暗になり動けなくなった。
――――
「リリース」
「っはぁっ!」
「っあ!」
俺達は地面に倒れた。
「はぁっ……はぁっ……」
……記憶がある。
あの時、杏に背後を取られて……。
なずなは!?
「はぁーっ……はぁーっ……」
なずなも無事だ。
「芹……私達……」
「……カード化された」
身代わりリングにヒビが入っている。
なずなのリングにもヒビが入っている。
スマホのカードは無事だ。
あの一瞬で、俺達をカード化してここまで連れてきた。
あいつやばいぞ!
「ん?」
杏と目があった。
「あぁ、ごめんね。カード化した方が運びやすいから」
何を考えているのか分からない。
「それより、あれ見てよ」
杏が指を指した方を見ると、大勢の人達が、ドームのような場所で戦っていた。
「あれは?」
「あれはね、犯罪者だよ」
「その犯罪者ってなんなの?」
なずなは聞いた。
「強盗、殺人、強姦、窃盗、いろんな犯罪をした人達さ」
「もしかして、みんなカード化したのか?」
「そうだよ。みんなで殺しあってるのさ」
「なんでこんな事を?」
「そりゃあ、世の中の犯罪を消滅させるためさ。僕が裁いてあげてるんだよ」
「もしかして……」
「そう、僕がわざわざ囚人達をここまで連れてきたのさ」
なずなはかまえた。
俺はただ立ち尽くしていた。
「安心してよ。僕は誠実な人には興味がないんだ」
「興味がないから、手は出さないって事?」
なずなは聞いた。
「興奮しないからね。見てよ、あの男! ぞくぞくする! 自分が一番強いと思っているんだろうね! あの顔が歪む所を観てみたいなぁ……っ!」
ちょっと、いやかなりやばいやつだ。
「芹! あの子!」
なずなが遠くを指さして言った。
「あっ!」
あの時、俺の家の窓ガラスを割ったやつ!
「あぁ!! また邪魔しやがって! カードオープン! メガメガホン!」
巨大なメガホンが、目の前に現れた。
「こぉぉるぁあああ!! 匣ぉぉ!!」
男の子は、戦いを止め消えた……と、思ったら目の前に現れた。
ピピピピピピ!!!!!!
「わりーな杏! 楽しくなっちゃって! あ? あ! あー!」
「よぉ、久しぶり」
「あの時の初心者! と、姉ちゃんだ!」
「こんにちは」
「ここにいるって事は……四位と五位じゃん!」
スマホを見ながら言った。
「で? バトルすんだろ?」
やっぱり、そうなるよな!
俺となずなは戦闘体制に入った。
「タッグかぁー……杏は?」
「僕は犯罪者にしか興味ない」
「だよなー。クリアしちゃったら裁けないしなぁ!」
そうか、クリアが目的ではないなら、残るは一位と二位のみ!
「んー。呼ぶか! 一位!」
一位がここにくる!!




