10.一位
ピピピピピピ!!!!!!
目の前に女性が現れた。
この人が一位?
俺は女性を見ていた。
「何?」
「え?」
「何見てんだよコラ」
「あ、いやすみません」
そういう感じの人かー……。
「っ!」
速くて分からなかった。
なずなが、俺への攻撃を防いでくれていた。
「あんた誰?」
「それはこっちのセリフ。初対面で蹴り入れてこないでしょ。テコンドーか何かかしら?」
「私イライラしてるのよ、その男よこしなさい」
「嫌だね。渡して何の特があるのよ」
「サンドバッグにしてやるのよ!」
ひぃっ……!
「まぁまぁ、穂殿ちゃん! こいつらバトルしたいらしいから、ぶっ潰しちゃおうぜ!」
穂殿って言うのか。
こいつが一位。
「あんたとタッグ組めばいい訳!?」
「そう!」
「ふーん、じゃあ始めるわよ」
「杏、審判よろしくー!」
匣が言った。
「えぇー……じゃあ開始」
――――
「っ! ちょっと! カードバトルでしょ!?」
穂殿は、なずなに蹴りを入れていた。
なずなは防御していた。
「別に何だっていいでしょ」
「なぁ、兄ちゃん! 今回は、カード二枚同時に出せるルールにしない?」
「分かった!」
「じゃあ、カードオープン! 囚人AとB!」
「あ! 僕の囚人を勝手に!」
杏は怒っていた。
「カードオープン! ヤクザと暗殺者!」
でかい囚人と細い囚人だ……。
「AとBは、そいつらやっつけて!」
「囚人達を倒せ!」
ヤクザが囚人Aに攻撃を仕掛ける。
まずは拳銃で、足を狙う。
銃弾は、Aに当たった。
だが、少しよろめいた程度だ。
血を流しながら、こちらに向かってくる。
銃が効かないなら、爆薬だ!
ヤクザは爆薬を投げつける。
AとBに当たった!
だが、それでも倒れずに向かってくる。
まるでゾンビのようだ。
囚人Aは、手に何か埋め込んでいるようだった。
地面にパンチをすると、砕け散った。
人間技じゃない。
Aは筋肉系…Bは何で攻撃してくる?
何やら手をもじもじしながら、ぶつぶつ言っている。
なかなか攻撃をしてこないから、暗殺者が動いた。
Bの目の前まで素早く移動し、心臓めがけてナイフを刺す。
ナイフが刺さったはずだった。
なぜか暗殺者は倒れた。
Bはまだ何かをしゃべっている。
なんだ!?
なぜ倒れたんだ!?
ヤクザは!?
まだ生きている!
ヤクザはAの背後にまわり、関節技を入れた。
が、Aの体には効かなかった。
Aは、ヤクザの頭をわしずかみし、地面に叩きつけた。
ヤクザは動かなくなった。
「カードオープン! 医者、警察!」
「俺、暇だなぁ~」
匣は言った。
警察は拳銃を発砲する。
さっき足はダメだった。
今度は頭に命中した。
大きい音をたて倒れる。
次はBだ。
Bの頭をめがけて撃つ。
Bは、手で払いのけた。
え、手で!?
後ろから気配を感じる。
振り返ると、そこにはAがいた。
さっき倒れたはずじゃ……あ!
身代わりリングをつけている!
このままじゃ、俺が殺られる!
「芹! きゃあっ!」
なずながぶっ飛ばされた。
「なずな!」
医者は爆薬を投げつけた。
大爆発だ。
……助かった!
けど、周りが見えない!
「カードオープン、エスパー」
これで、見えなくても感じる。
なずなはどこだ!?
「カードオープン! 身体強化!」
なずなの声だ!
周りが見えてきた。
目の前に囚人AとBが現れた。
医者がメスを投げつける。
なずなは、いつの間にか刀を出して戦っていていた。
穂殿とは肉対戦だ。
あの囚人達、もう原型がない。
なぜ動けるんだ。
「なんで、そんな体で攻撃してくるんだ!」
「こいつらは、死ねない体にしてるから」
匣は、スマホを眺めながら言った。
「何かカードを使っているのか!?」
「そ。不死のカードを使っているからね」
不死のカード。
リリースされたところで、死んでしまう。
そんなカードが、スーパーレアじゃない。
この戦いに勝てないと、クリアできない。
!
「なんで!?」
匣は立ち上がった。
囚人達が倒れて行く。
不死の力は!?
「はぁ!? 偽物!?」
匣が、スマホを見ながら叫んでいた。
偽物?
「ちょっと! 穂殿! 不死のカード増やすって言ってたよね!?」
穂殿は、なずなと戦っていて聞いていない。
「ちょっと! 聞いてんの!?」
「うるさい」
「っ!」
匣の首に、飛んできた刀が貫通する。
「あっ……がっ……」
匣は、スマホを見て口をパクパクしていた。
声が出なければ、カードは出せない。
それを知ってて、最初から首を狙ったんだ!
「あんたうるさいのよ」
穂殿は、匣のスマホを刀で切り落とした。
―ゲームオーバー―
匣は、壊れたスマホを俺に渡そうとしていたが、途中で倒れた。
―タッグバトルの為、プレイヤー匣のカードは、倒した人物ではなく、相手チームの獲得となります―
「芹、あの女いかれてる!」
「終わらせるぞ」
「カードオープン! スナイパー、レスラー!」
「カードオープン! 格闘家!」
穂殿はカードを出さない。
なぜなんだ。
「はぁっ!」
穂殿が、なずなに切りかかる。
「あんた、なんなのよ!」
俺の事は眼中にないらしい。
それならそれで、俺も攻撃させてもらう!
遠距離は、なずなのスナイパーに任せる。
正面はなずなが対応しているから、背後からレスラーと格闘家の攻撃だ!
パンチ、キック、絞め技などを試みるが、なかなか攻撃できない。
なずなとカード三人相手にしながら戦って、あれしか息切れしていないなんて、どんな身体能力して……もしかして、あれもカードの能力か?
「ぐっほぉあ……」
なずなの体に、刀が貫通する。
「なずな!」
口からは大量の血が出ている。
「……大丈夫」
そうだ。
身代わりリングの他にも、身代わりネックレスもしている。
すぐに回復す……。
!
「あぁ……あ……」
穂殿は、なずなの回復前に、もう一度刀で攻撃をした。
そんな!
なずな、あと何回、回復できるんだ!?
また穂殿が、刀を振り下ろす。
「やめろぉ!!」




