8.ミッション
「この子、苦しそうにしてた」
「うん、指輪をさわっていたから、指輪から何か毒物とか注入されたんじゃ……」
「てか、スマホを攻撃すると同じ目に遭うって事?」
「私もあれは初めてだから分からないけど……だとしたら、今後スマホを攻撃されないように気をつけないと!」
「あっ」
「え?」
「このゲーム始めるとき、スマホに通知こなかった?」
「……あ!」
そう、このゲームを始める時、スマホに通知がきた。
薬と爆発どちらを選びますか?
もし、あれがこの事だったら……。
「芹は、どっちを選んだの!?」
「俺は選んでない! あのとき、プレイヤーが襲いかかってきて、後から思い出したけど、もう数日たってたし、何も追加通知がなかったから!」
「既読のみって事ね……」
「なずなは!?」
「私は……薬を選んだの……」
「そんな……」
「私、あの子みたいになるって事!? 嫌!」
「なずな! 落ち着け!」
「芹は選んでないから!」
俺はなずなを抱きしめた。
「大丈夫だから! 俺が絶対守るから!」
「……ふっ……ぁあああっ!!」
俺は、泣き崩れるなずなを、ただ抱きしめる事しかできなかった。
――――
「ごめん芹」
「ううん」
「ここ……離れよっか」
「うん。俺、あの女の子に何かかけてくる」
俺は女の子の方へ向かったが、地面にあるスマホが目に入り、拾った。
―ゲームオーバー。まだプレイヤーにカードを渡していない為、破棄せず、全カードを対戦プレイヤーに譲渡します―
「えぇ!?」
「芹?」
俺は、自分のスマホを見た。
「ある……」
そこには、たくさんのカードがあった。
スーパーレア、レアもある。
ちょっと待てよ?
あの子、俺がスーパーレアを持っている事に気づいていた。
もし、目の前にプレイヤーがいなくても、この時点でスーパーレアを持っている事が分かるカードがあったら?
そんなカードがあったら、すぐに狙われてしまう!
「カードオープン! タオルケット!」
俺は、女の子にタオルケットをかけ、すぐなずなの所へ向かった。
「なずな! 急いで離れるよ!」
「え!? どこに!?」
「遠いとこ!」
――――
俺達は飛行機に乗っていた。
「つまり、このままだとやばいってことよね?」
「あぁ。到着する前に、手持ちのカードを全部チェックして、なずなにも渡す。作戦を考えないと、このままだと狙われる」
ものすごい量のカードだ。
本当に集めるのが趣味だったんだな。
お願いだから、この機内にプレイヤーがいませんように……!
――――
なんとか無事に着いた。
「北海道! 涼しいと思ったけど、全然暑い!」
「まぁ、湿度は低いんじゃない? とりあえずホテルを探そうか」
もう夜だ。
「あった! 行こう!」
――――
俺達は部屋で話をしていた。
「今のところ、北海道にプレイヤーはいないわ」
「よかった。とりあえず、使えそうなカードを使って守ってはいるけど、今後どうなるかは分からないから、警戒しといて」
「ふふっ」
なずなは笑った。
「何か変な事言ってた?」
「いや? 頼もしくなったなぁと思って」
「まだまだ初心者だよ。でも考えないといけないからさ」
「頼りにしてるよ」
「俺も頼りにしてる」
ぐぅ……。
二人そろってお腹が鳴る。
「ルームサービス頼もうか! 何がいいの!?」
「北海道は、海鮮にラーメン……あ! これでいいじゃん!」
――――
「いただきます!」
俺は、ラーメンとジンギスカン。
なずなは、海鮮セット。
寿司やカニがある。
「ラーメンとジンギスカン頼むって……どんだけわんぱく小僧なんだよって感じ」
「なずなだって、量はすごいじゃん。しかもカニ食べ放題」
「よっしゃー! 今夜は食べるぞー!!」
「おぉー!!」
俺達は食べ続けた。
――――
ん?
俺、あのままテーブルで寝ちゃって……え!?
なずなが横で寝ていた。
……いや、カニ握りしめながら寝てんの?
カシャ。
俺はスマホで写真を撮った。
「ん? 私、寝ちゃってた?」
「うん、カニ持ったままね」
「ぶはっ! カニ! 朝から笑わせないでよ!」
「こっちのセリフだよ!」
「なんか口痒いかも。カニかな?」
「顔洗っておいで!」
「じゃ、またあとでー!」
なずなは自分の部屋に帰った。
――――
「おまたせ!」
「じゃ、行こうか」
俺達は外に出た。
現在、スーパーレアカードを三枚所持している。
多分、近くにプレイヤーはいない。
今日は、レアカードを使って、スーパーレアを探す。
「カードオープン! ミッション!」
ミッションカードなんて、どうやって手に入れたんだ。
「ミッション発動! 制限時間内に完了せよ。ミッション内容は、以下の通りである」
スマホを見る。
―25名のプレイヤーと戦え。敗北すると今あるスーパーレアカードを、25名のプレイヤーに渡す―
「は!?」
―制限時間は五時間。これより、25名のプレイヤーを転送する―
「えっ! ちょっと待ってよ! ここに転送!?」
―健闘を祈る―
逃げる訳にいかない!
戦うしかない!
「くっそ! せっかく遠くまできたのに!」
「芹!」
ピピピピピピ!!!!!!
周りを見ると、次々とプレイヤーが転送されてくる。
以前、戦ったプレイヤーもいる。
相手プレイヤーからしたら、スーパーレアをゲットできるチャンスだ。
あっという間に、俺達は囲まれてしまった。
「なずな、やるぞ!」
「もちろんろーん!」
バトル開始だ!!




