表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

5.無料

 ホテルに到着した。



「えっと……」


「ほら、行くよ!」


「いらっしゃいませ。スマホの提示をお願い致します」




 ん?

 スマホ?



「はい」



 スマホだ。



(せり)、スマホ」


「はい!」



 俺はスマホを出した。


 なずなが何かをしている。

 そして、受付の女性にスマホを渡した。

 何かを読み取っている。



「プレイヤー、確認致しました。201号室と202号室です」



 受付の女性は、俺達にカードを出した。



「ありがとうございます! 行くよ!」


「ありがとうございました!」



 エレベーターを待つ。



「なずな、どういう事?」


「プレイヤーは、交通費や指定されたホテルの宿泊費が無料なの」


「まじ!?」


「出発前、荷物をカード化してたとき、交通費の設定しといた。バトルをする事で証拠になるから、相手と会えなかったら損だけどね」


「宿泊費は?」



 エレベーターが到着したので、俺達は乗った。

 二階のボタンを押す。



「実は、宿泊費については知らなかったの。20位になって、スマホにお知らせがきてたから、見てみたらこんなお得な情報だった訳」



 どんだけ儲かってるんだ、このゲーム会社。



「マイページのバーコードを見せれば、宿泊費が無料らしいわよ」


「さっき、受付に見せてたのはそれか」



 二階に着いた。



「私達、着替えは持ってきてるし、問題ないでしょ!」



 まぁ、そうだな。

 俺もなずなも一人暮らしだから、問題はない。



「カードオープン!」


 受付でもらったカードが、鍵に変わった。



「じゃ、また!」


「あぁ、また」


 俺は、鍵を開けて中に入る。



 すげぇな。

 テーブルに、ホテルのガイドが載っている。

 ドリンクバー無料、ルームサービス無料、サウナ無料……。

 これ、ここで腐るやついるな。


 でも、そうはいかない。

 ここの宿泊人は、みんなカードバトルの関係者。

 そんなやつがいたら、真っ先に狙われる。

 そもそも、そんなに宿泊人はいないか。


 最後に※印で何か書いてある。


 一日に一回はバトルをする事。

 バトルをしなければ、強制退室。


 まぁ、そうだよな。

 とりあえず風呂入ったら、何か食べるかな。


――――



 ピンポーン。


 ん?


 除き穴をみると、なずながいた。

 俺は、ドアを開けた。



(せり)! ご飯一緒に食べよう!」


「何食べる?」


――――


 修学旅行みたいな感じだ。

 ルームサービスなら、プレイヤーにも会わないから安全だ。


「誰かに作ってもらったご飯って、なんでおいしいんだろうな」



 俺は、魚定食を食べていた。



「分かるー! 自分で作ると味気ないよね」


 なずなはハンバーグ定食だ。

 誰かとご飯を食べるなんて、久しぶりだ。

 両親が行方不明になる前の朝、俺は、両親と外食の約束をしていた。


 約束は守れなかったけどな……。



「「ごちそうさま」」


「さて、明日の事だけど、近場にランキングが低い人がいないのよ」


「一番近くて何位?」


「12位……と、13位の二人」


「上がり過ぎだろう!」


「私は今19位。(せり)、何位になった?」




「えーっと……25位!」


「あの人に勝ったからね。ただこの二人、一緒にいるかもしれないんだよね」


「俺達と一緒って事?」


「うん。もしかしたらタッグバトルになるかも」


「それで、これから作戦会議って事ね」


「さすが(せり)。ランキング上位だからって、正当なバトルをするとは限らない。私達がカード化される可能性もある。しっかり作戦を練るわよ」


「分かった」


 会議は23時まで行われた。


――――


 ピンポーン。


「おはよー!」


「おはよう、なずな」


「プレイヤー移動してるみたいでさぁ……名古屋かも」


「名古屋ぁ!?」


「うん。でも、他にプレイヤー見当たらないから、行こう!」


 俺達は名古屋へ向かった。


――――


「俺達みたいに、近づいてくるプレイヤーって結構いるのかな?」


「いると思うよ」


「リモートバトルできればいいのにな」


「できるよ」


「え! できるの?」


「その代わり、経験値が低いし、もらえるカードのレベルが低かったりする」


「大変だけど、直接バトルした方がいいって事か」



 さて、夏休みはまだあるけど、どうなるのか。


――――


 あぁーっ、名古屋に着いたぁーっ!

 俺は背筋を伸ばした。



(せり)、プレイヤーこの近くにいる」


「この近く!?」



 どこだ。




 ぐぅ……っ。

 俺のお腹が鳴った。


「腹が減っては戦ができぬってやつ?」


「……食べてからでもいい?」


「もちろん。じゃあ、あそこは?」


「いいね!」



 なずなが指を指した場所……。

 ファミレスの外に、のぼりが立っている。

 そこには、味噌煮込みうどんと書かれていた。


――――


 まだ時間も早いせいか、店の中は空いていた。


「ご注文はお決まりですか?」


「味噌煮込みうどん二つ」


「かしこまりました」


 なずなは、スマホを見ていた。



「プレイヤー、急に離れたわ」


「俺らに気づいて逃げた?」


「可能性はあるね。でも順位は、私達の方が低いから、たまたまか……作戦を練る為に、一旦離れたか……まぁ、時間はまだあるし、食べてから考えましょ」


「俺の腹がごめんな」



「お待たせしましたー。味噌煮込みうどん二つです。ごゆっくりどうぞー」




「うっわ、うまそう」


「よし、食べよう!」


「「いただきます!」」


「熱っ!」


「よく噛んで食べなよー」


「母さんかよ」



 ピピピピピピ!!!!!!



「え! 近づいてきてる!」


「まじかよ!」



 俺達は、急いで食べ始めた。


 店のドアが開いた。


「戻りましたー!」


 そこには、髪を後ろで結んだ女性がいた。



「戻りました!」


 時間差で、短髪の男性が店に入ってきた。



「出前、ご苦労様でした! 今日はあがっていいよ!」


 店長らしき人が、二人に話しかけている。


「「ありがとうございます! お疲れ様でした!」」


「また明日もよろしくねー」


「「はーい!」」




 二人が、こちらに近づいてくる。


「そこのお兄さんとお姉さん、私達に用があるでしょ?」


「ぐぅふっ!!」


 俺は、喉を詰まらせた。


「ゆっくり食べなよ。俺達は外で待ってっから」


 二人は外に出ていった。

 


「そんなに悪い人ではないのかな? ……ごちそうさまでした!」


「げぇほっ、ごほっ……」


「あぁあぁ大丈夫?」


 俺は、急いで食べ、なずなと外に出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ