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【VTuber】猫乃わん太 through Unmemory World Online【ぬいぐるみ系】  作者: 水城みつは
第三章 ペンギン大戦!

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第95話 南の島?2

 ふわりとした浮遊感から一転、どこかに引っ張られるような感覚がして、落ちた。


「ふぅぁぁっ、ちょっと、なにがおこってるわん?! うわぁっ、まぶしぃわん!」


 再び足元が輝き出す。


「おおぉっ、成功じゃ」「はぁ? マジ、マジで」

「ちょっと待て、成功するなんて聞いてないぞ」


 光が収まると先ほどと同じく薄っすらと光る転移ポータルの上に一人立っていた。


「ふぇっ? ここはどこだわん」

 呆然と立ち尽くすボクの周りにはポータルを取り囲むように少し離れたところで同じく呆然とこちらを見ているペンギンさん達がいた。


 一匹のペンギンさんが手に持った串焼きを高く掲げる。


「勇者様じゃ! ついに、ついに勇者様が降臨なされたのじゃ!」


「はいっ?」


◯[はぁっ?! 勇者www へ、何がおきたん?]

◆[ペンギン……考老来ころらさんたち鳥妖精ペイシーより大きいな。別種族か? えっ、勇者?!]

∈[勇者召喚にゃーーー! ふぇっ? 何が起こったにゃ?]


「えーっと、勇者様ってどういうことだわん?」


「しゃべったぁー」「おおぉっ!」


 固まっていたように呆けていた周囲のペンギンさんたちがどよめいた。

 その手には飲み物や食べ物が握られており、周囲を見回すと祭りが開かれていると思われた。


「これ、お前たち静まるが良い。まずは勇者様こちらへいらしてくださいませんか?」


「ボクは勇者様じゃないんだけどなぁ。まあ、よくわからないけどお邪魔するわん」


「おぉぉっ!」「出てきた、出てきたぞっ!」

「まさか、この年になって勇者様を拝める日が来るとは、ありがたやありがたや」


 ポータルから出たところで再びざわめきが大きくなった。

 座り込んで拝みだすペンギンさんまでいる。


「えーっと、勇者様ってどういうことだわん?」

 大事なことなので二度言いました。此処は何処、ボクはわん太わん状態である。


「おお、何もわからぬ勇者様が光の中から現れる、まさしく伝承の通りですじゃ」

「長老だと話が進まないので儂が説明しよう。儂は碧鳥人リヴァイア族の田脇たわき・リヴァイア、此処の……まあ、村長のようなものだ」


 厳つい黄色の眉毛のペンギンさんが長老を押しのけて話しかけてきたが話は進みそうだ。


「ボクはぬいぐるみ系VTuber、猫乃わん太だわん。リヴァイアさんよろしくわん」

 クルッと回ってポーズをとる。赤いマントがひるがえって我ながら少しかっこいいかもしれない。


「おぉおぉっ!」

「やはり勇者様だぁっ」


◎[なんだろう、このペンギンさんたちの謎のテンションwww]

▽[まさか勇者わん太の伏線が回収されるときがくるとはwww]

◆[アーカイブを見直してても忘れてるネタが……]


「こら、お前ら静かにせんか。リヴァイアさんと呼ばれるとここにいる殆どがリヴァイア姓ですので田脇たわきとお呼びください。まずはちょっと落ち着けるところに移動しましょうか」


 田脇さんに連れられて賑わっていた広場を抜け木造の家へと通された。


「どうぞ、お座りください。改めて、ようこそ勇者様」


「あ、どうもわん。じゃなくて、その勇者様ってなにわん。ボクは勇者様になった覚えはないわん?」


「その昔、この島の火山が荒れ狂った時に広場の光の中から現れた勇者様が山の怒りを収めたと伝わっております」


「広場の光ってポータルのことだよね、あ、それよりここは南の島かわん? ボクは鳥妖精ペイシー考老来ころらさんに頼まれて水龍を探しに来たんだわん。って、そうだよ、考老来ころらさん達は?! あ、ボク以外に誰か来てないかわん?」


 勇者様騒ぎで忘れていたが、他のみんなはどこに行ったんだろうか?

 スキル『ランダム』がどのように働いたのか。みんなの行き先も心配だ。


◯[そうだよ、他の紗妃さきさんや勝魚かつおさんも何処に飛ばされた?]

◆[前回はクランごとロコノアに飛ばされてたけど、今回はわん太だけみたいだな]

∴[他のメンバーは正常に転移したのか、それとも、いや、そもそも其処は何処?]


 少し考え込んでいた田脇さんが口を開く。


「勇者様がどこから来たかはわかりませんが、この島の北には大きな島がございます。天気が良ければ見ることもできますし、我々の先祖はその島で災害が起きた際にこの島に避難してきて戻れなくなった伝わっています。ここより南に島があるかは……すみませんがわかりません」


「うーん、鳥妖精ペイシーや水龍について聞いたことは?」

 ここが南の端に位置するとすれば、目的地である可能性もある。


鳥妖精ペイシーは伝説の妖精族ですな。我々も朝晩と鳥妖精ペイシー様に祈りを捧げますが、実際にあったものはおりません。水龍様もどこかで聞いたことはありますが……後で長老衆に確認してみます。それと、勇者様以外は見かけておりませんが、近くの集落のものにも迷い人が居ないか調べてもらいましょう」


「お願いするわん。それで、広場に田脇さんたちが集まっていたのは何かのお祭りをしてたのわん?」


「あっ、そうです、それです。元々年に一度の勇者降臨祭を開催していたのですが、ここのところ山の様子がおかしくなっておりまして、折角なら勇者召喚の儀をしていみるかと長老衆が言い出しまして……」


◎[察し……]

∪[これは偶然なのか、それとも必然か]

◯[さすわん]


「あー、うん、なんとなく察したわん。ちょっとその長老衆さんたちにも話は聞いとこうかわん……」

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