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【VTuber】猫乃わん太 through Unmemory World Online【ぬいぐるみ系】  作者: 水城みつは
第三章 ペンギン大戦!

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第96話 南の島?3

「おおっ、勇者様だ!」

「勇者! 勇者!」


 広場はいまだお祭りムード、いや、むしろボクがポータルから現れたことで熱狂が続いていた。


「あー、ちょっといいかわん?」


 ピタッと喧騒が止まる。ついでに動きも止まってる。


❤〚か、かわいいーーっ〛

◎[一糸乱れぬペンギンさん]

◯[あ、片足あげてたペンギンが倒れたwww]


「ボクはぬいぐるみ系VTuber、猫乃わん太だわん。勇者じゃなくて、わん太でよろしくわん」

 赤いマントをひるがえし、クルッと回ってポーズをとる。あっ、マントがあるとプリティな尻尾が見えないのは問題かもしれない。少し切り込みを上まで上げるべきかも。


「うぉーーーっ!」「勇者、いや、わん太様じゃ!」

「わん太っ! わん太っ! わん太っ!」


 なんだろう、余計騒ぎが大きくなった気がする。


―― マスター、転移ポータルM2FPA8の状態を確認したいのですが、近づいて見てもよろしいでしょうか。


「おおぅっ、わん太様、今の声は?」


「あれっ、紹介はしてなかったか。この銀色のボールみたいなのはメルリン、あー、ボクの使い魔みたいなものわん」


∪[使い魔……まあ、ドローンって言われても流石にわからないか。あれ、わからないよね?]

◯[それを言ったら使い魔も通じるのか? 精霊は居るけど使い魔はいるのかな……]

▽[精霊も見せといた方が良いんじゃないか。あれ? イナバくん達はついてきてるのか?]


「そうだね、せっかくだからイナバくんにナギサくんも出てきて挨拶しとくわん」


「きゅきゅっ? きゅっきゅきゅーっ!」

「しやぁっしゃしゃーっく!」


 角なし兎の姿をしている土の精霊のイナバくんと角なしサメの姿をしている水の精霊のナギサくんがどこからともなく現れて挨拶をした。


「……精霊様じゃぁーーっ!!」

「ありがたや、ありがたや」「ふぉーーぉっ!!」


 碧鳥人リヴァイア族の皆が今度はひれ伏して拝みだした。


「……何がどうなってるわん?」


「この島は元々精霊信仰が盛んでしたが、その以前の勇者様が鎮めた天変地異の時に精霊様もほどんどいなくなってしまわれたのです」


∈[最近似たような話を聞いたにゃ。ワールドクエストの『精霊樹の復活』とも関連があるのかも知れないにゃ]

▽[あれはもうエピローグクエストなだけだろう。いや、もしかしてサブクエスト的なのは散在してるのかも]

◯[それだ、精霊が手に入るサブクエストがあってもおかしくないよな]


「そういうことかわん。とりあえず、どうしよう?」


「きゅきゅっ!」

「しゃしゃーっく!」


 任せてとばかりにイナバくんとナギサくんが拝んでいる皆に何か声を掛けて起こしていっている。


「あっちはイナバくんたちに任せておいて、ちょっと転移ポータルの方を見せてもらってよいかわん?」


「えぇ、もちろんですとも。ただ、できればすぐに戻らないでいただきますと……」

 少し困り顔の田脇たわきさんだが、そもそも戻れるのかから怪しいので調べるのだ。


「わかったわん。まずは現状把握のための調査わん」


 薄っすらと光るポータルの中に入る。


「やはり、入れるのですね」


「ん、もしかして田脇たわきさんたちは入れないのかわん?」


「えぇ、この通り……、入ろうとしても壁があるように入れないので聖域とも呼ばれていたのです」


 同じように入ろうとした田脇さんは光の壁に阻まれている。壁を叩いてみせるが音もしない。


―― ポータルの使用権限の問題かと思います。

   それでは、転移ポータルM2FPA8のメンテナンスモードを起動します……


 転移ポータルの中央でメルリンの表面がペカペカと光り出した。

 合わせるように転移ポータルも点滅し、よくわからないウィンドウが周囲に次々と開いては消えていく。


「……こ、これは……」


「うぉーーっ!」「奇跡じゃ、奇跡じゃ」

「おお、踊るぞーーっ!」


 驚く田脇さんに何故か周囲を踊りだした碧鳥人リヴァイア族の皆さん。広場は混沌としてきた。


◎[wwwなぜに踊るwww]

◆[やっぱり、あのウィンドウとか魔法じゃなくて科学、いや、SFだよな]

∴[あのドローン、メルリンだったかは転移ポータル制御できるんだ……]


 いつの間にか周囲を埋め尽くしていたウィンドウが徐々に消えていく。


―― マスター、転移ポータルM2FPA8のチェックが完了しました。


「お疲れ様、それで、元の場所か皆と合流は出来るわん?」


―― 他の皆様は恐らく元々の目標地点、暫定名称南の島へと到着していると推測されます。

   また、転移ポータルM29PAFとM29PAEの往復が確認されていることから北の島と南の島の航路が開かれたと推測されます。

   こちらからの一方的な連絡は可能でしたのでマスターの無事は伝えておきました。


「おお、連絡ありがとわん。それに皆が無事そうなら良かったわん。それで、ボクらは戻れそうなのかわん?」


―― 転移ポータルM29PAF、および、M29PAEへの移動経路は確立しておりません。

   転移ポータルM2EPA9への移動にはエネルギー不足となっています。


「えーと、それはつまりどういう事わん?」


―― 北の島、および、当初の目標地点である南の島ポータルへの移動はこのポータルからは出来ません。

   また、近隣の元々繫がっていた転移ポータルへの移動はエネルギー不足です。

   なお、近隣のポータルも南の島にあると推測されますので、まずはエネルギー不足の解決を図るのがよいと推測されます。


 ここは南の島の更に南の島。まずは南の島へ戻るところから始めることになりそうです。



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