第二話 唯一の魔法使い
「ここが今日からあなたの家よ!」
そういうこの人は数時間前俺のことを助けてくれた人。
安藤絵里さんだ。
「立派な家ですね」
そういう俺は目を見開いている。
縦横100m
高さ20mほどの大きな家だった。
ー広い家だなーこの家でどのくらいの人数でくらしているのだろう?
「あのー絵里さんのほかに誰が住んでいるんでしょうか?」
俺がそんな疑問を絵里さんに聞いてみた。
「絵里さんだなんて言わないで〜ママって呼んでいいわよ〜。そうねここでは私1人で暮らしているわ」
ーひ、ひとり今そういったのか。こんなに大きな家なのに1人で暮らしているなんて、この人は一体何者なんだ?
「そ、そうなんですね…」
俺はありきたりな返答をしてしまった。
「それじゃ中に行きましょう」
そういうと絵里さんは先に家に入ってしまった。
ー俺も行かないとな
家の中は俺の想像をはるかに超えていた。外見こそシンプルだが俺が見たこともないようなものが辺りを埋めつくしていた。
「こっちよー」
絵里さんが俺を呼ぶ。声のする方に進むと何も置かれていない部屋に着いた。
「ここがアレンちゃんの部屋ね。今は何もないけどこれから置くものも増えるでしょうからちょっと狭いくらいね」
ーいや、十分広いと思いますけど…
「あの、いいんですかこんな広い部屋で」
「さっきも言ったでしょ。これからものが増えるから狭いくらいよ。それに部屋はここだけじゃないし心配しなくて大丈夫よ」
どうやら大丈夫らしい。
それでもここは前の世界の俺の部屋よりは広い。
「それじゃ早速生活に必要なものを買いに行きましょう!レッツゴー」
ー絵里さんテンション高いな
「必要なものってベッドや机くらいですよね?」
「いやいや、そんなわけないでしょ。アレンちゃんはこれから私の学校に通うのよ制服やら文房具やらも揃えないと行けないわよ」
「あー確かにそうですね」
この家に来て先程の会話を忘れていたが俺はこれから学校に通うんだった。
「ところでアレンちゃんってスマホ持ってるの?」
ーす、すまほ?聞いたことないな
俺の前いた世界では、そんなものはなかったためもちろん持っていない。
「えっと、すまほ?ってなんですか?」
「えっ?!スマホ知らないの、こういうやつよ」
そう言って絵里さんが俺にすまほなるものを見せてくれる。
四角くてとても薄い、絵里さんが言うにはこれで遠くにいる人とも連絡が取れるらしい。
しかも、これ一つで大抵のことができるらしい。
ーへ〜便利なものなんだなすまほって
「これから、私やお友達とも連絡する時に必要になるでしょうからこれも買っておかないとね」
「ありがとうございます」
「いいの、いいの欲しいものがあったらどんどん言ってね〜なんでも買ってあげるわよ」
ーこの人ならなんでも買えちゃえそうだな…
「それじゃ買い物に行きましょうか!日が暮れる前に済ませないといけないからね」
「それじゃお願いします」
「まずはベッドね。寝るところは必要だものね。まぁ〜ママと寝るなら必要ないけどっ!」
「い、要ります。必要です!」
俺は慌ててベッド必要宣告をした。
「ちぇーアレンちゃんと一緒に寝たかったわ〜」
「ま、またいつかってことで…」
俺はこんなに良くしてもらってる手前なかなか断りづらかったので言葉を濁して返事をした。
「でもベッドって大きいから1日じゃ運べないんじゃないかしら?」
絵里さんが悪い笑みを浮かべる
俺は自分の魔力量が1000万であることと【収納魔法】を知っているため一日で運ぶことは出来ると思う。
しかし前の世界で魔法を使うことを禁じられていたため使ったことはなかった。
ーもう俺のことを知っている人間はいないし、使っても大丈夫だよな
「大丈夫ですよ俺にはこれがあるので」
そう言って俺は絵里さんに【収納魔法】を見せた。
「え、ええー何よそれ?!!」
「えっ、【収納魔法】ですよ。知ってますよね?」
「そんなの見たこともないわ!」
そう断言されてしまった。
ーこっちの世界じゃ使わないんだろうか。そういえばこっちに来てから魔力量が増えていないし大気に魔素がないような気がするな
「あの、絵里さんこっちの世界じゃ魔法って使わないんですか?」
俺は頭に浮かんだ疑問を投げかける。
「ま、魔法?こっちの世界がどこだか分からないけどこの地球で魔法を使える人間はいないわよ!」
「えっ?!魔法が使える人間がいない」
ーそうかだからさっきから魔力量が増えなかったのか
魔法を使う人間がいないということはこの世界において魔法は生活の基盤ではないということ。
この瞬間アレンは世界(地球)で唯一の魔法使いになったのだった。
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