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7/8

ラノベの黒幕は、見た目で分かるようにした方が親切らしい。

前回、主人公には悪役令嬢になってもらいました。今回は男に戻ります。

調べたところ、悪役令嬢は王子と婚約するものらしいです。

ただ、婚約したまま男に戻った場合どうなるのかは、どこにも書いてありませんでした。

なので、自分で考えました。


また、ライトノベルでは、主人公が相手の正体を見抜く展開も人気らしいです。

どうやって見抜くのか調べました。

どうやら、ライトノベルのキャラクターは、見た目でだいたい分かるようです。

人物の内面を詳しく描かなくても、伝わるようになっているのは、よくできた仕組みだと思いました。


ただ、これでは黒幕がすぐに分かってしまいます。

そこで、今回は少し意外性も加えました。

以上を踏まえて書きました。

王妃になる予定だったが、性別の都合で王になった。


「つまり、第一王子の婚約者は次期王妃となります」

「しかし、私は男に戻った」

「はい」

「男が王妃にはなれない」

「その通りです」

「では、王になるしかないな」

「なぜですか?」

「王妃の男版は王だろう」

「なるほど。では殿下は?」

「王子は王子だろ」


俺は王国の有力者を集めた。


最初に入ってきたのは、細目の宰相だった。

「陛下、ご即位おめでとうございます」

「お前、裏切るだろ」

「な、なぜそれを!」

男は懐から短剣を落とした。

※細目のキャラクターは、だいたい裏切ります。


次に現れたのは、大司教だった。

「教会って、なんか怪しいよな」

大司教の懐から邪神の像が落ちた。

※ラノベの教会はだいたい悪いことをしています。


次に現れたのは、エルフの族長だった。

「お前、人間を見下してるだろ」

「当然だ。短命種ごときが」

「やっぱり」

※エルフは長命なので、人間を見下すことがあります。


最後に現れたのは、何の特徴もない男だった。

何の特徴もない。善良で、秘密もない。

「……怪しいな」

「えっ」

「お前が黒幕だろ」

「な、なぜ分かった!」

男は懐から黒い仮面を取り出した。

※何の特徴もない人物は、正体を隠していることがあります。


玉座の間は広かった。


「……ざまぁ」


言ってみたが、言う相手がいなかった。


窓の外で、森が動いた。

※森が動くと文学っぽいと思います。


俺は鏡を見た。黒いロングコート、黒い剣、頭に王冠。


「お前、最後に倒されるだろ」


鏡の中の男は、何も答えなかった。


「陛下! 北方にドラゴンが現れました!」

「ドラゴン?」

「村々が焼かれ、兵士たちは逃げ惑っています!」


俺は考えた。


王になって三日。


宰相を追放した。


大司教を追放した。


エルフの族長を追放した。


黒幕も追放した。


「……神の怒りか」

「はい?」

「俺は、何か取り返しのつかないことをしたのかもしれない」


しばらく沈黙が続いた。


「陛下、ドラゴンが現れたのは1週間前です」

「そうか」

「宰相を追放する前です」

「……では、何の怒りなんだ?」

「宝物を盗まれたそうです」

「誰の?」

「ドラゴンの」

「じゃあ、神は関係ないな」

※神罰ではありませんでした。

今回は主人公を王にしました。

王位継承については少し複雑でしたが、なるべく分かりやすく整理できたと思います。


また、王宮には陰謀が必要なので、宰相、教会、エルフなどを登場させました。

それぞれの特徴から役割が分かるようにしたので、読者にも親切な構成になったと思います。

一方で、何の特徴もない人物を黒幕にすることで、意外性も加えました


後半では、王としての責任と罪悪感を描きました。

古典に出てくる王は、だいたい二種類に分かれます。

他人を疑って破滅する王と、自分を責めて破滅する王です。

本作は一人の王で二種類楽しめるので、お得だと思います。


最後に、ドラゴンの宝を盗んだ犯人は、まだ分かっていません。

見た目を書かなかったからです。

次回は、目を細くしておこうと思います。

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