4人でおでかけ
金曜日、遊園地の前日。放課後青くんに呼び出された。2人きりの教室、とても緊張する。
「あのさ、あの2人の距離縮めるとか言ってたけど、遊園地を利用しない?」
だから遊園地を提案したんだ。
「いいね。お化け屋敷とかでペアで行ったり、お土産とか2人でお揃いのもの買ったり。」
私はよく小説で読むデートであるあるのことを言った。
「そう言うのもありだな。観覧車2人きりだったりとかもあり。」
「確かにいいかも。」
私も青くんと仲良くなりたいな。
「わたしたちも一緒に回ろう?」
「勿論。まとめると、お化け屋敷と観覧車でペアを作って一緒に行って、お土産を買う。」
「決まったし、帰ろう。」
「あぁ。」
青くんが頷く。
「一緒に帰ろう?」
「うん。正直一緒に帰ってみたかったから、嬉しい。」
青くんが顔を真っ赤にして言う。青くんは歩くスピードを私に合わせてくれた。そして話したかったことも話せると思った。それはいじめのこと。
「ねぇ、どうして私がいじめられてた時自分もいじめられるかもしれないのに助けてくれたの?女の子を嫌ってるって言われてるのに。」
噂で聞いたことがある。青くんは女の子を嫌ってるから、女の子に囲まれても相手にしないと。
「だって、いつまでも日菜梨が、いじめられるのみたくなかったし、別に、自分がいじめられても、仲良くなりたかったから。」
仲良く?私と?嬉しいけど心臓バクバクだよ。
「私も仲良くなりたかったんだよ。だけど、青くんに迷惑かけちゃうかもしれないからずっと心の中でこの思いを潰してた。」
「もうその思い潰さなくていいんだよ。無理して笑わなくていいから。」
「何で知ってるの?。」
無理して笑ってた、辛い時も苦しい時も。嬉しいことなんて何一つなかったから。ううん違うずっと学校にいる間は「ずっと感情を無に感情を無に」ってずっとおまじないを唱えていた少しでも傷つきたくないから。だけどいつの日か辛いことを溜めていたガラスの瓶が割れかけてきて、私は怒っても意味がないのに、とっさに口が動いて言い返してしまった。まるで私が私じゃないように。
「もうこれからは本気で楽しい時だけ笑って、僕はそれをみたい。」
私は思わず涙が出てしまった。
「青くん、ありがとう。」
「泣きたい時は泣いていい。僕の前ではいっぱい泣いていいよ。辛い時、嬉しい時はいっぱい笑って。」
「うん、うん。」
こんなこと言ってくれたのは、師匠だけだ。真白がいなくなってからの話しだから真白はいない。だけど真白なら、絶対に慰めてくれる。
「今日はありがとう。」
青くんに改めて泣き終わったら、お礼を言った。
「こちらこそありがとう。」
「また明日。」
「ああ。」
次の日の土曜日。
「みんな待たせちゃった?ごめんね。」
「全然待ってないから大丈夫。」
現在、8時55分。集合の9時より少し早い。
「これから駅に向かうんだよね。」
日和が晴人くんに聞く。
「ああ。」
「あのさ、みんな遊園地に行ったら、何やりたい?」
みんなの希望聞いてといた方がいいよね。
「観覧車乗ってみたい。私乗ったことないから。」
「いいよね?」
私が2人に聞く。
「ああ。」
「晴人くんさっきからああしか言ってないから聞くけど、晴人くんはなに乗りたい?」
「迷路行ってみたい。」
「了解。」
意外だな。ものすごく興味深々の顔だ。私達が行く遊園地は、迷路と遊園地が有名だ。
「僕も言っていい?」
ここでどちらかがお化け屋敷と言わなきゃいけない。
「うん。」
「お化け屋敷行きたい」
「いいよ。」
「俺は全然大丈夫。」
晴人くんは不安を隠すように返事をする。
「私も大丈夫。」
「日菜梨は何乗りたい?」
「私は、メリーゴーランドに乗りたいな。」
「いいよね?」
日和が聞く。
「はい。」
「あぁ。」
電車もちょうど乗れて、ここから30分ほど乗る。4人ちょうど座れた。
「なあ、日菜梨はどうやって、月の修行と出会ったんだ?」
晴人くんが初めて私に質問する。
「ええと、師匠がいつも私がひとりぼっちだったのと、月の修行を継ぐ、後継者が私しかいなかったからだよ。」
「へえー」
「どのくらいかかったの?」
「3年間」
「長‼️」
日和が驚いた声を上げる。
「いや、短すぎる。月の修行は普通10年はかかる。」
何でそんなに月の修行のことを知ってるの?
「いつから始まったの?」
「8歳から。」
「よく耐えられたな。」
月の修行は結構ハードルが高い。
「うん。あのさ、言い忘れたことがあるんだけど最近師匠の部屋に入って、月の姫のことについて調べたんだけどそれでご先祖様の日記を見つけたんだよね。それを読んでると、人志のボスがでてきたんだよ。」
「すごい。大発見。」
「その通りだよ。」
日和の後に晴人くんが言う。
「日菜梨、話を続けて。」
何にも話さなかった、青くんがわたしに言う。
「うん。それでその書いたご先祖は関口華様。そして、人志のボスの名前はヒルズダーク。ヒルズダークの目的は、日の姫の誘拐。500年前ヒルズダークを華様と千代様は協力して追い詰めたときに、後、少しの所で敗れてしまった。その時の細川千代様の魂はまだヒルズダークの元にある。」
「それを助け出すと言うこと?」
「うん。ヒルズダークの目的は日の姫と月の姫の滅亡。きっと、ヒルズダークの元に日和が渡れば、もう日の姫は生まれてこない。そうなると、人志が滅亡することは一生ない。」
「それはやばい」
晴人くんが、驚いた顔をする。
「うん。その目的を果たすために、月の姫は邪魔な存在。だから、徹底的に潰しにくるはず。」
ヒルズダークには私よりも日和の方が力が弱いって言うことがわかってるはずだし。
「怖い。」
「怖いよね。だけど日和は絶対に守る。安心してほしいな。」
そっと日和の手に私の手を重ねる。
日和は自分が人志に渡るとこの世界が終わる。そのプレッシャーがある。私だったらとても耐えられない。
「日菜梨だけじゃない。俺たち2人も。」
晴人くんが言う。青くんも頷く。
「みんなありがとう。」
「後、私達には足りないものがあるの。」
「それは何?」
「華様と千代様は2人の夫を連れていったんだけど、その時に最後のピースが足りなかったみたいなんだよね。」
みんなピースという単語から頭にはてなマークを浮かべている。
「そのピースは私と日和を繋ぐ存在。だけどどんな人かまではわからない。」
「その人を探さないといけないな。」
その直後電車の放送がなる。
〈次は安山駅、安山駅です。〉
「次おりるよ。」
「わかった。」
駅を出れば、遊園地はすぐそこだ。遊園地に着いた私達はさっそく遊ぼうとしていた。
「何から乗る?」
「見た感じ、メリーゴーランドが1番近くて、その次に、お化け屋敷、その後に迷路最後に観覧車でいい?」
「待って待ってその前にチケット買わなきゃ」
「チケット買うか。」
「早くきたから、全然並んでないな。」
「別々でいいよね?」
「晴人と僕は一緒で。」
「わかった。」




