日和の強さ
その日みんなで帰ってると、人志が現れた。
「学校帰りにも出るのかよ。」
「私も一緒に戦っていい?」
日和が驚きの事を言った。
「大丈夫なの?」
「うん。葉月さんにだいぶ鍛えてもらって、もう少しで一人前にもなれそうだって言われたから」
「わかった。」
速いな。葉月さんの教え方が上手いのかな。歴代最速なのでは?
「国を治めるには仏の力を借りた。お前達を倒すにも仏の力を借りるまで。願望。」
すごい速さで何かがこっちによって来る。
「3の月月守り」
私は巨大なバリアでみんなを守った。
「私ははやく終わらせたいのじゃ。病弱だからな。本気でいくぞ。大仏建設。」
「大仏建設で病弱って。まるで聖武天皇じゃん。」
「日菜梨!3の天気雪。ボッーとしてたら危ないよ。」
青くんが言う。青くんが技を放つと雪が人志の上に降り積もり、人志は身動きが取れない状態だった。
「うん。ありがとう。」
「1の花花一輪」
そう言って一輪の花から大きなビームのようなものが出できた。
「すごい。」
「ありがとう。」
日和が言う。
「大仏建設で建設した、建物の名前って何かわかりますか?」
「そんなの教える価値もない。東大寺」
今度はビームを出してきた。ビームが分かれてくる。月守りでもこんなの全部弾けない。
「2の花花吹雪」
全てビームを弾き飛ばした。この技は守りに特化した技みたいだ。教える価値もないって言ってるけど言ってるよ。そこで日和が大きな声で言った。
「日菜梨、人志はきっと聖武天皇だよ。」
「そうだね。」
日和が倒すための技を出し始めた。きっと私たちが体力を消耗させたから日和の技で倒せる。
「うん。3の花桜花」
目の前に桜の花びらが飛んでいるよう見えた。まるで、師匠とお花見に行った時のようだ。
「今回僕なんもしてない。ごめん」
青くんが言う。
「そんな事ないよ。」
「うん。青くんが人志をすぐに見つけてくれてたから、すぐに対処できたよ。」
日和がお礼を込めて言う。
「ああ。そうだぜ、青。」
「みんなありがとう。」
そこで聖武天皇か目を覚ました。
「何が起きていたのだ?」
「人志というものになって暴走していたんです。」
私の代わりに日和が説明する。
「そうか。そなたらに感謝する。」
「あの・・・よろしければこのノートに一言感想とサインをお願いします。」
「いいぞ。」
そう言って私からノートを受け取って、書いてくれた。書いた直後すぐに消えた。ノートにはこう書いてあった。彰子様の歌は
逢ふことも今はなきねの夢ならでいつかは君をまたは見るべき
意味は、逢うことも今は現実にはあり得ず、泣き寝入りして見る夢で逢えるばかり――そんな夢ではなしに、いつかあなたに再会できるのでしょうか。
聖武天皇は、
妹に恋ひ吾あがの松原見渡せば潮干の潟に鶴たづ鳴き渡る
意味は、あの子を恋しく思って、逢える日はいつかと待つ――その「吾が待つ」に因む吾の松原を見渡すと、潮の退いた干潟を鶴が鳴き渡ってゆく。
少し難しく感じるな。
「日和、めっちゃ強かったよ。」
「ありがとう。」
そう言って私達は歩き出した。歩いてると、あるポスターを見つけた。夏祭りのポスターだ。今は6月下旬。夏祭りは毎年真白と行ってたっけ?去年までは伊織くんと行っていた。2人以外の友達とはあんまり行った事なかったな。青くんと2人で行きたいな。
「今年も夏祭りやるんだな。」
晴人くんがいう。
「そうだね。もう夏だよね。」
「夏祭りは、人志出たりするの?」
日和は心配している様子だ。
「どうだろう?だけど、日の姫と月の姫はいつどこでも狙われているし、そこは変わらない気がする。」
「だったら、日和、俺と行かない?」
晴人くんがんばれ!
「いいの?」
「人消しとしても・・・男としても守るから」
晴人くん、顔真っ赤だ。男という時の声がものすごく小さい。私と青くんは顔を見合わせてた。
「日菜梨、僕達も一緒に行こう。」
「うん。」
楽しみだな。
「みんなは今まで誰と夏祭り行ってた?」
とても気になった。日和が口を開いた。
「私は妹」
「日和、妹いたの?」
私は驚き隠せない。
「うん。言ってなかったけ?」
「俺は青と由里ちゃんと行ってた。」
「由里ちゃん?」
日和、きっと今とても嫉妬してるだろうな。
「由里っていうのは、僕の妹。日菜梨は?」
「私は、真白と伊織。幼馴染とね。」
「去年は?」
「去年は伊織と行ったよ。」
私は口を開いた瞬間、青くんに申し訳なさが湧いてきた。
「日菜梨は、伊織さんのこと好きなの?」
晴人くんが聞いてきた。
「好きだったら、親友(真白)と争わなきゃ行けないし、友達として幼馴染としてたまには一緒に遊ぼうってなって一緒にお祭り行ったんだよ。伊織くんは真白のこと好きだから。私は真白に何一つ敵わない。」
1番最後の一言は誰にも聞こえないぐらいの小さな声で言った。歴史が好きって思いも。友達関係も。勉強もスポーツも。ダメダメ、ネガティブになってる。
青くんの誤解がとけたかな?
「みんな、また学校でね。」
「またね」
そう言って三人と別れた。
家に帰って本を読んでいると、日和から連絡が来た。
「一緒に遊べない?」
「いいよ」
「日菜梨の家で遊んでいい?」
「聞いてみるね」
「わかった」
そう言って私はスマホを閉じた。
「叔父さん日和を家に呼んでいいですか?」
「いいぞ。静かにな。」
「はーい」
そこで梨香から呼ばれた。
「日菜梨様、日和様が呼んでます。」
ええ!家で遊べるか分からないのに来てくれたの?
「日和、家で遊んでいいって。」
「お邪魔します」
私は日和に手を洗った後に部屋に来てもらった。
「家で遊べなかったらどうしてたの?」
「もしも日菜梨の家で遊べなくても、日菜梨と遊ぶから迎えに来たことになるもん。」
「確かに。だけど今度はちゃんと連絡してね。」
「わかった」
「今日は歴友活動しようよ。私達お互い好きな歴史人物知らないし。」
日和の提案に大賛成だ。
「いいよ。じゃあさ、歴友日記作ろう。」
そう言って私は何も買いていないノートを取り出した。
「このノートに書いてけばいいね。」
「うん。」
そう言って私はノートにタイトルを書いた後日和の好きな歴史人物と日菜梨の好きな歴史人物と書いた。
「私の1番好きな時代は平安時代なんだ。日菜梨は?」
「私は安土桃山かな。好きな歴史人物いっぱいいるし。」
平安時代は彰子様。安土桃山は伊達政宗公。
日和はその間に好きな時代を描いていた。
「私の好きな歴史人物はあんまり有名じゃないけど、築山殿なんだ。」
「あの人かな?大河ドラマの家康の正妻?」
すごい。わかった人は日和が初めてだ。3年前に大河ドラマのヒロインだった人だ。
「すごい。日和は?」
築山殿(瀬名姫)は悪女とも呼ばれているが、私は悪女とは思っていない。
「私は紫式部が好き。」
「日和も好きなんだ。私も紫式部か清少納言かって言われたら、紫式部がすきだよ。」
大河ドラマの家康の次の年に紫式部がやったはず。すごい偶然だ。行動力がある日和は紫式部と築山殿と書いていた。
「2番目は誰が好き?」
「伊達政宗公が好き」
「人志との戦いの後のお話できてよかったね。」
「うん。日和は?」
日和は少し考えた後、口を開いた。
「細川ガラシャ・・・」
なぜか悲しそうな感じがしたのは気のせいだろうか?私はその間にガラシャと伊達政宗と書いた。あれ、そういえば・・・。
「3番目は?」
「私は中納言定家かな」
日和が言う。藤原定家といえば百人一首の選者だ。
「私は沖田総司がすきかな。」
「新撰組だよね。私、4番目に好きな歴史人物斎藤一だよ。」
日和がどんどん書いていく。
「私は4番目に好きな歴史人物式子内親王。藤原定家が歌を教えてた人だよ。」
そこで日和が式子内親王と書く。
「次が最後ね。卑弥呼が好きかな。謎が多いけれどそれが好きだよ。」
「女性多いね。私は駒姫」
ノートを見ると、
好きな歴史人物
日菜梨 日和
時代 安土桃山 平安
1位 築山殿(瀬名姫) 紫式部
2位 伊達政宗 細川ガラシャ
3位 沖田総司 中納言定家
4位 式子内親王 斎藤一
5位 駒姫 卑弥呼
「どっちも平安と江戸と安土桃山しかないね。」
「うん。歴女としてまずいかも。歴史人物にも一人一人の人生があるのに。」
「私は専門みたいに考えてるよ。平安と安土桃山とか」
確かに。そんな風に考えてもいいかも。
「私は安土桃山と平安と江戸かな。」
「私は平安と弥生かな。」
弥生は卑弥呼様の時代だ。専門というより、得意として考えようかな。だけど、6番目に好きな人物は樋口一葉だ。
「そういえば、話変わるけど日和最近晴人くんとどうなの?」
「へぇ⁉︎晴人くんとは・・・えっと・・・仲良くしてるよ。一緒に遊んだり・・・。」
日和は最近晴人くんの話になるとすぐ変になる。
「日和は晴人くんに告白しないの?」
「今の関係が壊れたくないの。」
「じゃあ、ずっとこのままでもいいの?」
日和は首を横に振った。
「私は晴人くんきっと日和のこと好きだと思うよ。」
好きだと思うじゃなくて好きなんだけど。青くんとの約束でそこまではいえない。
「なんで?」
「お祭り一緒に行こうって誘った時に小さい声で男としてもって言ってたもん。後、晴人くん日和の前ですぐ顔赤くなるし。」
日和は驚きを隠せないようだ。
「みんなから恐れられてもきっと日和のことを好きな気持ちは変わらないよ。」
「確かに・・・」
日和は少し考え込んだ。
「私の予想だけど、日和から告白しないと晴人くんは告白しないと思う。」
「なんで?」
「晴人くんはみんなから恐れられてる自分と日和が付き合ったら日和が何かに合うって思ってるからじゃないかな。」
「確かに」
キーホルダー買う時も「いいの」って聞いてたもん。
「決めた。私、晴人くんに自分の気持ちを伝える。」
「頑張って。私も相談に乗るよ。」
「ありがとう。
好きです。付き合ってくださいでいいかな。」
「うん」
「日菜梨は、青くんとどうなの?」
私は顔を真っ赤にしてしまった。
「青くんにね・・・告白されたの。」
「よかったじゃん。日菜梨は返事しないの?」
「勿論、青くんのことは好きだよ。だけど・・・だけど私が青くんと付き合ったら、もし人志のせいで何かあった時に、私は青くんの近くにいられない。」
私は涙声で言った。
「日菜梨、それは違うと思う。自分の気持ちを押し殺してまで、我慢するのはいつか壊れてしまう。青くんは日菜梨が言った月の姫のことを承知の上で日菜梨に告白したんだと思う。命をかけてでも日菜梨のことを守りたいんだよ。」
「え?」
私は青くんの涙を見たくないからずっと自分の気持ちを無視し続けてきたのかもしれない。日和、少し怒ってる。私が青くんの勇気に無視し続けたから。
「私達はみんなお互いを支えて守りあって初めて人志と戦えるんだよ。だからみんなで人志を倒そう。」
「うん。」
「日和、今日はありがとう。日和はいつ晴人くんに告白するの?」
「わからないな。夏祭り以降かな。」
「そっか。」
「そろそろ帰らなくちゃ。」
確かにそろそろ暗くなる時間だ。
「送ってくよ。」
「ありがとう。」
家を出た後、私は日和を家まで送った。その後、家に戻ろうとしたが誰かに口と鼻を押さえられた。必死に抵抗したが、力が強すぎてどうにもできない。まずい意識が朦朧としてきた。もう無理。ガクリ。
「月の姫を手に入れたぞ。」




