帰郷の秘密
夕飯を食べ終え、お風呂で汗を流し、歯磨きもして後は寝るだけだが、少し部屋でゆっくりしていた。琴葉と帰郷が楽しそうに遊んでいる。
「ねえ、帰郷。」
「なに主人?」
やっぱり帰郷って言って出てくるのが、信長公の正室の濃姫。濃姫は信長公にそう呼ばれていただけで、本名は諸説あるが、その中の一つが帰蝶という。きちょうとききょうはちがうが、漢字は一文字だけ同じだ。
「あなたの元主人は関口華様なのよね?」
「うん」
「普通は主人が亡くなると相棒も消えるはずだけど、なぜあなたはのこっているの?」
「華はヒルズダークとの争い後敗れた。その後千代はヒルズダークの下で働いている。今も。だか、華はヒルズダークの手下の元に行くことになった。名はカズム。カズムの元で働くことになった。」
「それで、どうなったの?」
華様は亡くなったのかと思ってた。
「この後は俺と主人の夢を共有した後に分かる。だから、寝てほしい」
「わかった」
華様に会えるってことだよね。私は少しの不安と期待をして話を聞いた。
「寝たら、華と千代が負けた後の後始末から始まる。」
「わかった。ありがとう。」
そう言って、私はすぐに眠りに落ちた。ここはどこだろう。帰郷が寝てって言って・・・。
「これから、この女の始末を行う。皆の意見をきかせてくれ。」
そうヒルズダークが言った。人志のボスというより、大王って感じだ。その囚われてる方は千代様と華様みたいだ。華様は私にとてもそっくりだそして、千代様は日和にそっくり。千代様はさらに誰かに似てるような。
「ヒルズダーク様。私はその女達を牢獄に閉じ込めるか、ヒルズダーク様の元で働かせるのがいいと思います。」
「それは良い考えだな。では、働かせよう。」
まずい。華様と千代様が。
「ヒルズダーク様」
「なんだ、カズム?」
カズムって・・・。こいつが華様を、華様を。
「この女2人を同じところで働かせるのはヒルズダーク様に危険が及ぶかもしれません。ですから他の部下の元に片方をやるのはよろしいかと。」
「なるほど。ではこちらの女をカズム、お主のところで働かせよう。
話は決まったな。ではこれで終了にしよう。」
「「「「御意」」」」
そう言い終わり、黒い縄のような細い線で千代様を持ち上げて連れて行った。これがヒルズダークの能力?
「こっちに来い。」
カズムが華様の縄を持った。
「日菜梨、日菜梨」
だれ?どこから声がするの?
「華です。私はあなたが帰郷と夢の共有中は私の子孫なので、話を共有することができます。」
「今回のご用件は?」
「これからヒルズダークは1年くらい後に日和を攫いに行きます。お気をつけてください。」
「ご報告感謝いたします。」
また、大事な人を失ってしまうの?
「主人そろそろ帰る。」
「わかった。」
「帰郷、日菜梨の事お願いね。」
「御意。」
そう帰郷が言った途端に目が覚めた。その後朝食をとり、学校に登校した。
「日菜梨最近何コソコソしてたんだ?」
突然晴人くんに聞かれた。
「特訓かな」
「なんの?」
「えっと、私の月の特性を知るためのその・・・短剣を貸してもらうために叔父さんに勝負を挑んでてその特訓。」
「日菜梨、おはよう。」
日和だ。
「おはよう」
「晴人くんもおはよう」
「おはよう」
晴人くんは相変わらず顔が真っ赤だ。
「青は気にならねえのか。」
「なにが?」
青くん話聞いてなかったのかな?
「日菜梨の特訓した後の強さ。」
「まあ、気になるけど。」
「その事で私からも話がある。」
「じゃあ今日の放課後に私の家に集合ね。」
日和が言った。
「「「わかった」」」
そして放課後、日和の家。
「いらっしゃい」
日和のお父さんが出迎えてくれた。
「お久しぶりです。」
「日菜梨ちゃん久しぶりだね。」
「みんな、私の部屋こっちだから来て」
日和の家には来たことあるけど、日和の部屋には行ったことなかったな。
「わかった」
「了解。」
晴人くんはさっきから何も言わない。日和の部屋には私の部屋と同じように本がたくさんあり、歴史グッズがあった。
「ねえ、私から話していい?」
帰郷のことをずっと話したかった。
「「「うん」」」
「まずは、私の新しい相棒紹介するね。帰郷」
「はい。主人」
「この子は叔父さんからもらって、元は華さまの相棒だよ。」
「華様の。」
晴人くんがやっと、口を開ける。
「うん」
「帰郷って、琴葉ちゃんと同じで植物繋がり?」
「うん」
日和が言う。日和は鋭いな。
「そして、私は昨日の夜、帰郷の夢の中で華様と話してきた。」
「華様と?」
「千代様もいたよ。」
「「「ええ〜」」」
やっと、理解が追いついたみたい。
「落ち着いて。」
「落ち着けるわけないじゃない。」
「うんうん」
「それで、何を話したんだ?」
「今、華様と千代様はヒルズダークの下で働いている。私が見たのはあくまで、華様と千代様の後始末の場面。後始末後に華様が言ったことは、1年後にヒルズダークが日和を攫いにくる。」
「つまり、ヒルズダークとの戦いは1年後と」
青くんは完璧に理解してくれてる。
「うん」
「そこでね、私が叔父さんに短剣のために勝負したのは、日和に特性をもたせたいからだよ。」
「私に?」
「うん。だけど、日の姫は月の姫みたいに月の修行というものがない。だから、華様の本には月の姫とは反対の特性を覚えればいいみたい。」
「結局、日菜梨は何の特性なんだ?」
「私は新月。ヒルズダークを倒すためには4つの特性が必要。まず、月の修行。次に波。次は天気か炎。最後に植物。」
反対と書いてあったが、違うページに上の4つの方が優先と書いてあった。
「私は植物を覚えるの?」
「うん。植物は女性では、覚えやすい技の1つでもあるよ。」
問題はここから、植物の師匠が私の周りにはいないということだ。
「青くんと、晴人くんの周りに植物の使い手は、いない?」
「う〜ん」
晴人くんはいるっけ?という顔をしている。
「いるよ。僕の母さん。」
「「葉月さん⁉︎」」
「葉月さんって植物の使い手だったんだね。」
「うん」
意外だ。そこで日和が口を開いた。
「私だけじゃなくて、日菜梨も特訓したほうがいいんじゃない?」
「確かにそうだね」
「だけど、月の修行を終えてる人はいるの?」
そこで帰郷が出てきた。
「華が教えてくれるんじゃないか。」
「華様?」
「華なら主人より特性は上だし、強くなれると思う。」
「ありがとう。帰郷」
日和が口を開いた。
「どうして華様は捕まってるのに日菜梨の家に華様の本があるの?」
「それは華が捕まってる間に書いて俺が関口家の家に置いたからだ。」
「そうなんだ。」
日和は納得したようだ。私達が日和の家を出ようとすると、日和のお父さんが出てきてくれた。
「お父さん、少し外に行ってきます。」
「わかった。」
青くんの家に着くと、葉月さんが玄関に出迎えてくれていた。
「母さん、ごめん急に友達連れてきて。」
「いいのよ。青が何か大事なことを話したいんでしょ?」
「僕からではなく、日和ちゃんから。」
葉月さんはおどろいてるようだ。
「日和さん?」
「お願いがあって参りました。私に植物の特性を教えてくれませんか?」
「弟子になりたいと?」
葉月さんの顔つきがいっきにかわった。
「はい」
「理由は?」
「私達は人志を滅亡させるために戦ってます。ですが、私だけ何も特性を持っておらずもしもヒルズダークが攻めてきた時にみんなの足手纏いになってしまいます。だからだからこそ、私を弟子にしてください。」
この熱意は誰がみても本気だ。
「わかりました。その思いに応えてくださいね。」
日和は一気に緊張が抜けたみたいだ。
「ありがとうございます。」
そう言って私達は外に出た。そして、少し歩いた後に人志が現れた。




