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55/56

第55話 楽しいから

巨大な地下中枢。


無数の演算機。


静かな唸り。


中央。


白い機体。


REVR-IVアルテミス


赤紫の機体。


UN-Σ《バスティト》。


向き合う。


沈黙。


そして。


同時に動いた。



アルテミスが消える。


共有接続100%。


人間の限界を越えた加速。


ブレードテイル。


閃光。


バスティトへ。


火花。


衝突。


地下空間が震える。


セナがぽつりと言う。


「ねえ」


刃が滑る。


アルテミスの追撃。


セナは軽く避ける。


「フィーナってさ」


斬撃。


ブレードが装甲を削る。


「好きな人とかいた?」


フィーナの動きが一瞬だけ揺れる。


「……え?」


セナは普通の声で続ける。


「いるよね」


アルテミスが突撃。


斬撃。


連撃。


セナは壁を蹴る。


回避。


「だってさ」


小型ブレード。


火花。


「フィーナ可愛いし」


フィーナが困惑した声を出す。


「……今それ聞く?」


セナは答える。


「うん」


「今がいいかなって」


アルテミスが再加速。


100%。


連撃。


装甲が裂ける。


警告音。


セナは笑わない。


「で?」


フィーナが少しだけ息を整える。


「……いる」


一瞬。


アルテミスの刃が流れる。


セナが避ける。


「そうなんだ」


「いいね」



アルテミスが跳ぶ。


天井。


落下斬撃。


床が裂ける。


セナは軽く言う。


「甘いもの好き?」


フィーナの声が裏返る。


「……なに?」


バスティトが四足形態へ。


滑る。


回避。


「パフェとか」


「ケーキとか」


「甘いやつ」


アルテミスが追う。


白い残像。


セナは軽く続ける。


「フィーナ」


「甘いの好きそう」


フィーナが困ったように言う。


「……好き」


セナが小さく頷く。


「やっぱり」



アルテミスが突撃。


最大速度。


連撃。


ブレードテイル。


装甲が裂ける。


セナが呟く。


「強いね」


フィーナが言う。


「セナ」


「なんでそんな話してるの」


セナは答える。


「だって」


刃を受ける。


火花。


近距離。


二機の視界が重なる。


セナが言う。


「楽しいじゃん」


沈黙。


セナが続ける。


「戦うならさ」


「楽しいこと話そうよ」


フィーナの声が少し震える。


「……変」


セナはあっさり言う。


「知ってる」



アルテミスが再加速。


白い残像。


100%。


決定打。


ブレードテイル。


一直線。


セナの目が細くなる。


「見えた」


バスティトが一歩踏み込む。


刃の内側。


大型ブレード。


一閃。



静寂。


アルテミスが止まる。


ブレードテイルが落ちる。


白い機体。


胸部。


深い裂傷。


光が消える。


アルテミスが膝をつく。


共有接続。


停止。



バスティトも止まる。


装甲は裂け。


腕が歪む。


煙。


セナが息を吐く。


「……疲れた」


コックピットが開く。


二人。


地面に降りる。


沈黙。


フィーナが言う。


「セナ」


「ほんとに退屈なんだね」


セナが肩をすくめる。


「うん」


視線が中枢へ向く。


巨大装置。


LNS。


セナが言う。


「でも」


「もうすぐ静かになるよ」


フィーナがアルテミスに触れる。


残響。


レイの声。


「フィーナ」


「愛してる」


涙が落ちる。


それでも。


動かない。


セナが歩き出す。


中枢へ。


そして。


小さく呟く。


「さて」


「壊そっか」


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