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69 じゃあ終わったらアレスきゅんの部屋に行くね!

初めてのベイリンの塔に入った翌日、予定通りに午前中はまたダンジョンワープで魔の森の深層へ移動する。


今日はグリーンエルクを中心に狩ろうと湖の近くまで進む。途中でブラックモンキーを何匹か討伐し、ようやくたどり着くと、前回とは打って変わって楽々と狩りをすることができた。

僕の[黒牙]でほぼ一撃で致命傷を与え、リーゼも同様に[脚力増強]の効果で、クラウも[多段]の効果により難なく狩ることができていた。

美味しいエルク肉のこともあるのでついついお昼時を過ぎても狩り続け、気づけば30体以上を狩ってしまい付近のエルクが居なくなったため終了となった。


一々解体するのも面倒なのでそのままバッグに放り込んでいた。

解体は全部ギルドに任せようと思う。


今日は[回復]のスキル玉が3つも出たため、Lv3+1となった。一度使うと1m程度の範囲で緑の光が広がり、3人いっぺんに回復できるようだ。これなら今晩から歌うこともないのかな?そう思った。


「よし、戻ろう!お肉は半分ぐらい引き取る感じでいいかな?」

「それだけあれば良いのではないでしょうか」

「うんうん!足りなければまた狩ればいい!」


僕たちは足取り軽く分所側の入り口を目指して戻って行った。


「今日もまたいっぱい狩ったのね。グリーンエルクの素材は人気なので助かるけど、お肉は半分持ってくのね。私もご一緒したいわー」

ラクーシャがそう言ってカウンター越しに僕の手を握ってきた。


「いいですけど、この辺りでお肉の持ち込みできるお店ありますか?」

「やった!じゃあ終わったらアレスきゅんの部屋に行くね!良い店紹介しちゃう!」

僕の頭をぎゅっと抱きしめるラクーシャ。


柔らかい胸に埋もれる顔を名残惜しくも引きはがすと、リーゼとクラウに腕をひっぱられ、その2人の冷たい視線が突き刺さった。


「いや、ほら。やっぱりギルドの人とも仲良くやった方が、今後の活動も何かと動きやすいというか…」

2人の脇腹への打撃により外殻は半壊した。


ダメージはないが怒っている意思表示みたいなものだろう。

いやーモテる男はほんと大変だな~なんちゃって。


その日も美味しいお肉でお腹を満たし、部屋に戻るとレベルアップした[回復]に包まれるようにして眠ろうと思ったが、[眠りの歌]の様に眠りの効果がないので、結局は歌うことになってしまった。


人生ままならないものである。


◆◇◆◇◆


翌日から午前中は深層で適度に狩りを続け午後からは塔の1階層を巡っていた。

2週間もするとかなり資金に余裕ができ装備なども充実している。魔の森から帰る際にも何度かスキル玉を得てかなり強化されているのを実感している。


獲得したスキル玉は、[回復] +3 / [黒牙] +5 / [火炎耐性] +4 / [物理耐性] +2 / [臭気耐性] +2 / [突進] +3 / [隠密] +4 / [竜巻] +3 / [識別] +1 / [危険察知] +1 / [投擲] +2 / [豪脚] +3 / [突く] +4


能力玉は『力』が2つ、『速』が3つだ。


リーゼには[突く]は3つ残し1つだけ[譲渡]し、さらに[危険察知]を1つ[譲渡]する。クラウには[物理耐性]を2つとも[譲渡]しておいた。2人とも[譲渡]の時にはどうしても声が出てしまうから、と部屋に戻ってから3人で抱き合うようにして行った。


両側から響く2人の声に変な気持ちになってしまう。


――――――

アレス クラス:大盗賊 Lv56

体力510 魔力560 外殻490

力58 硬58 速78 魔65

――――――

Up [臭気耐性/Lv4+2/もう匂わない]

Up [回復/Lv4+1/治癒の光で傷を癒す]

Up [投擲/Lv4+2/投擲の扱いがうまくなる]

Up [竜巻/Max/暴風の渦を操る力]

Up [突進/Lv4+2/強烈な突進攻撃]

Up [豪脚/Lv4+3/脚力強化]

Up [識別/Lv2/相手の強さを判別]

Up [黒牙/Lv4+2/黒曜石の礫を飛ばす]

Up [火炎耐性/Lv4+2/火属性に対する耐性を強化する]

Up [隠密/Lv4+2/気配を決して無音で動ける体捌き]

――――――


――――――

リーゼロッテ クラス:剣士 Lv42

体力420 魔力210 外殻840

力127 硬51 速76 魔25

――――――

Up [突く/Lv4/強烈な一撃]

――――――


――――――

クラウディア クラス:魔法使い Lv41

体力210 魔力1440 外殻410

力50 硬25 速75 魔175

――――――

Up [物理耐性/Lv3/殴られてもへこたれない]

Up [危険察知/Lv3/身に及ぶ危険を察知する]

――――――


クラウの杖も完成し、さらにはリーゼ用に少し大きめの長剣である金剛石の魔剣[筋力増強・大]を、僕は白金製の細身の剣、白金の魔剣[強度強化・大]を手に入れた。それでも共有資産は白金貨10枚程度の余裕はできていた。


順調ではあるが任務の方は相変わらず進展はない。

あまり長く最深層付近を監視している訳では無いのだが、あれ以来あの冒険者たちもグリーンドラゴンが層を抜けて暴れたりする事態にも遭遇していない。


そして今日も午後の日課として塔の1階層へと足を運ぶ。

今日も相変わらず他の冒険者は見かけなかった。


スキルもかなり出づらくなったので、そろそろ2階層や最果ての森あたりに変えようか?そう相談しながら狩り始め、袋小路にさしかかったた際、[危険察知]が反応し咄嗟にその場から飛びのいた。


「2人とも大丈夫?」

僕のいた場所にドカっと音をたてて石の礫がぶつかったのを確認し、2人の様子を見るとすでに身構えていたので安堵する。


「ちっ!一撃で楽にしてやろうと思ってたが…テドルスキの言った通りそれなりにやるようだ…」

先ほどの攻撃を仕掛けてきたであろう男の言葉で、誤射ということではないことが分かった。


そして、その男とその周りにいる男たちが、あの魔の森で合った男たちだと認識できた。

あの3人の冒険者と、見たことのない男が2人。

そしてあの王都のなんたらという見たことのある3人の計8人…どうやら袋小路になるまで待っていたのだろう。


「どうしてこんなことをするのか、聞いても良いですか?」

少し不安げなリーゼとクラウより少し前に出てそう質問する。男たちはニヤニヤと笑みを浮かべている。


「お前ら。森で俺たちの顔を見ただろ?邪魔されても困るんだよな」

その髭面の男の返答は予想通りの返答だったが、あの王都のなんたらの3人組も仲間だったのかと思ったが、ということはニガリッソ男爵もあの件にからんでいるという事になるのでは?


どちらにしてもこの人たちを捕まえれば、何か分かるかも知れない。


とは言え、あの3人は別としても他の男たちの実力が分からない。

取りあえずはと、牽制の意味で[睨む]からの[恐慌]を使うと、最初に話をしていたあの男以外が顔を歪めて膝をついていた。さすがどちらもLv4のスキルだ。その男たちの様子を見て、リーゼとクラウもホッとしているようだ。


『どうやら、何とかなりそうでですね。このまま動けなくなる程度に叩きのめしてしまえば、あの件も少しは進展、ということで良さそうですね』

『とりあえず手足の2~3本折っちゃえば良い?』

『まあ、あまりやり過ぎないでね。多分2人が全力だと死んじゃうかもしれないから…』

2人と[絆の心]で確認をしていると、リーダーと思われるあの男がバンと大きな音をたて地面を踏んだ。


その途端、再度[危険察知]が反応したので、慌てて地面に向けて[竜巻]を放つ。クラウも同じように[風牙]を連射していたので、ボコボコと地面が盛り上がるように迫ってきていた何かが切り刻まれるようにかき消された。


「お前たち何なんだ!Cクラスって話じゃねーのか!」

その男が怒鳴り散らし、周りの男たちもようやく立ち上がれるようになったようだ。


予想通りだが何とかなりそうだけど、問題はこの後なんだろうな。

こちらを真っ赤な顔で睨んでいる男を見てそう思っていた。


------------------------------------------------------------

金剛石の魔剣[筋力増強・大]

太めの長剣。使用者の筋力を増強して攻撃力をアップさせる。定期的に魔石で魔力を補充しておく必要がある。


白金の魔剣[強度強化・大]

細めの長剣。それ自体の強度を上げ、劣化しにくくなっている。定期的に魔石で魔力を補充しておく必要がある。

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