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66 これで堂々と盗賊だと言い張れますね

翌日、魔の森の周辺にある召喚陣のある施設に入る。

そこでクラウがダンジョンワープを使うと、昨日蛇を狩った付近までワープした。


突然魔物と遭遇することを考え一応警戒しながらであったが、周りに魔物はいなかったのでホッとする。そして新たなダンジョンワープを出しセットしておく。


「じゃあ、猿と鹿、どっちが良いかな?」

「ここからだと猿が近いので、そちらで良いのではないでしょうか?」

「上からの攻撃を警戒しとけば大丈夫だね。見つけたら落としちゃうでしょ?」

「では、そうしましょうか」


そんな軽い話し合いの結果、森エリアに向かう。

森の端の木の上に、すでに3体の猿がこちらを窺っているようなので、「もう少し近づいてから[隠蔽]でも使おうか?」と話していた。


そして100m程度の距離となり、[隠蔽]を発動して一気に近づいた。

打ち合わせ通り僕とクラウは3体の乗っている木の枝を[カマイタチ]と[風牙]で切り落とす。次の瞬間には走り出していたリーゼが、真ん中の木から落ち態勢を整えようとしている猿を[斬]で縦に切り裂いていた。


[脚力倍増]の効果なのかは分からないが、まさに一刀両断だった。僕もクラウも正直驚きすぎて手が止まっていたが、2体の猿がリーゼに向かって吠えていたので我に返る。

僕はかまいたちを3発。クラウは[多段]で2つに分かれた[風牙]を連発していた。


呆気なく狩り終わってしまった。「どうやら僕たちは強くなりすぎてしまったようだ」と髪をかき上げるように決めてみるが、1つだけ浮かんでいたスキル玉をリーゼがつんしていて、クラウはそちらを見ていた。


無事[黒牙]がLv2となり、試してみると見た目は同じだが今度はかなりの太さの木に穴が開いた。Lv2でこれだからぜひクラウに[譲渡]しておきたい。リーゼには、もっと使い勝手の良い遠距離を[譲渡]したいなと思った。

そうなれば[カマイタチ]も良いし、[残像]あたりもあれば…色々考えているとリーゼが「解体して早く行こうよ!」と急かしてきたので、しばし止めていた手を速め、毛皮を剥ぎ魔石を取り出した。


その後も危なげなく狩り進めて行く。

たまに意識外から[黒牙]が飛んできたが、[危険察知]の恩恵でそれほど苦ではなくなっていた。やはり慣れてしまえばこんなものかと思った。


結局、お昼前に20体ほど、追加で[黒牙]を2つ獲得しLvは3となった。

見た目は変わらなかったが威力は増しているように見えた。そして猿に使ってみたら、一撃で胸を貫通しそうになっていたので威力ヤバすぎだなと思った。


ほとんどのスキルがLv3まで上げればその効果は段違いになるのが一般的だ。それが簡単に上がってゆくのだから我ながら途轍もないクラスだと改めて思った。


お昼時には一旦最深層の様子を確認すると、一応は平和に見えた。

そして予定通りそのまま元の入り口を目指して帰ることにした。


森はダンジョンワープを使えるくせに、帰還札が使えないのは不便だなと思った。何かの拍子にダンジョンワープを貰ったりして、準備の無いまま最深層なんかに放り込まれた日には、簡単に死ねるだろうなと考えてしまった。


暫く歩くと元の入り口が見えた。

何度か他の冒険者パーティとも遭遇したが、今のところあの不審な冒険者たちには会っていない。


分所に戻り食堂でお腹を満たした後は、塔へと移動するため乗合馬車に向かった。途中あの見覚えのある3人組とすれ違うがまた舌打ちされる。失礼な人たちだと思いつつもそのままスルーした。


◆◇◆◇◆


ベイリンの塔に入ると入り口ではそれなりに混雑していたが、皆ダンジョンワープを使うのか1階層はあまり人がいなかった。

クラウに1階層はスライムとメタルカメレオン以外は何が出るか聞くと、ゴブリンにオーク、ワイルドボアが出るという。特に気になるものはいないが一応狩れる範囲で狩っておこうと思う。


早足で塔内を廻り始めるとゴブリンやボアに良く出会う。さっくりと倒すが今のところスキル玉は出ていない。そしてスライムもそれなりに狩っていた。だがまだスキル玉は出ない。


そして20分ほど彷徨っていると、ついにメタルカメレオンに遭遇した。

[危険察知]で壁に張り付いているのに気づき、突然緑色の何かの液を吐き出していたが、それらもまとめて[竜巻]ではじき返していた。そしてスキル玉をつんすると[隠密]だった。


[隠密/Lv1/気配を決して無音で動ける体捌き]


「クラウ、[隠密]だったよ」

「これで堂々と盗賊だと言い張れますね」

「いや、どうなんだろうね?」

素手でそれなりの相手を撲殺できるけど、盗賊で大丈夫ですか?


「[隠蔽]と何が違うんだっけ?」

「たしか、[隠密]ってパッシブでしたよね?意識すると無音で動けたりするのだと思ってますが…」

「そうだね。いまも…」

そう言いながらリーゼのすぐ隣を[疾風]で駆け抜ける。意識して走れば無音で無風であったので、魔力も使わないし組み合わせ次第ではかなり有用だと思う。


「よし!この調子でドンドン行こう!」

「「おー!」」


こうして夕刻の少し前まで狩り続ける。


ボアから[突進]が1つ、ゴブリンからは[臭気耐性]が1つ、メタルカメレオンからは追加で4つの[隠密]が出た。そして遂にスライムからは[物理耐性]が3つでたので、LvがMaxになった。

さらに2つの余りをクラウに[譲渡]する。

これで外殻も体力も少ないクラウも少し安心だろう。

ただ、クラウが[譲渡]で「ふわぁ」と気持ちよさそうな声をだし抱き着いてきたので、対抗するようにリーゼまで抱き着いてきてドキドキが止まらなかった。


取りあえずはと入り口まで戻り、そのまま馬車に乗り込み分所まで戻った。


解体所にそれなりの量のブラックモンキーの毛皮と魔石を出しておく。塔の屑魔石は魔短刀用に取っておく。そしてシャルロットさんに今日は異常なしだったことを報告して解体所からの報告を待った。


暫くカウンター近くで体を伸ばしたりしていると、確認が終わったようで報酬の金貨80枚を受け取る。

そう言えば最近は全部パーティ資金にしていたなと思い出し、当面は購入する高額な物はないので20枚を共有に入れ、残りを3等分20枚づつ分けておく。いざという時のお小遣い大事。


そして共有資金からダンジョンワープを補充してから宿へと戻り、いつもどおりに歌って眠るルーチンで1日が終わる。


「ふぁ~~ふぁふぁふぁぁ~~ふぁふぁっ!」

明日も平和でありますように。


――――――

アレス クラス:大盗賊 Lv54

体力490 魔力540 外殻470

力44 硬56 速56 魔63

――――――

Up [黒牙/Lv3/黒曜石の礫を飛ばす]

Up [物理耐性/Max/殴られてもへこたれない]

Up [臭気耐性/Lv4/もう匂わない]

Up [突進/Lv3+2/強烈な突進攻撃]

New [隠密/Lv3+1/気配を決して無音で動ける体捌き]

――――――


――――――

リーゼロッテ クラス:剣士 Lv41

体力410 魔力210 外殻820

力125 硬50 速75 魔25

――――――


――――――

クラウディア クラス:魔法使い Lv40

体力200 魔力1400 外殻400

力49 硬24 速73 魔171

――――――

New [物理耐性/Lv2/殴られてもへこたれない]

――――――


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異界について

迷宮など、不可思議な空間は、この世界では異界とよばれている。迷宮や塔は上へ遺跡は下へ進んでゆく。森は中心地からいくつかの層に分かれている。塔と遺跡は各階層が広く1階層移動するごとに魔物が変化し、基本魔石しか落ちない。


ベイリンの塔

内部は全てレンガ造りの広い通路となっておりベイリンの塔用のダンジョンワープでのみで移動が可能。塔内では魔物を倒し終わると魔石のみがドロップして他の素材は残らず消える。稀に魔石以外の物が落ちることもあるらしい。現在の最高到達は12階層まで。この塔の背後には最果ての森が広がっている。

1階層はスライムとメタルカメレオン、ゴブリンにオーク、ワイルドボアが出現する。


スライム[物理耐性] ゴブリン[臭気耐性] オーク『力』 ワイルドボア[突進]

※既出魔物の[]内は取得可能な固有スキル


メタルカメレオン

壁に張り付き同化して身を潜めている40~50cm程度の透けるように薄い緑の爬虫類。緑の消化液を吐き出し攻撃する。固有スキルは[隠密]。

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