77 トロイカ
ビデオ会議が始まりました。
生徒たちは「エドウィン先生、あけましておめでとうございます」とあいさつをしました。
「おめでとうございます。ハッピーニューイヤー」とエドウィンです。
「おめでとう」とキリタニ先生が画面に顔を出したので、子供たちは「リュウノスケだ」、「リュウノスケだ」と騒ぎました。
「ぼく達はこれから、歌をうたいます」とそう太郎が言いました。
「歌はロシア民謡です。うちのおばあちゃんが教えてくれました。トロイカとは三頭立ての馬車のことです。歌の中に出てくるバイヤンはアコーデォンみたいな楽器です」とれいかが説明をしました。
「雪の白樺並木
夕日が映える
走れトロイカ ほがらかに
鈴の音高く
走れトロイカ ほがらかに
鈴の音高く
響け若人の歌
高鳴れバイヤン
走れトロイカ
かろやかに 粉雪蹴って
走れトロイカ
かろやかに 粉雪蹴って
黒いひとみが待つよ
あの森越せば
走れトロイカ
今宵は 楽しいうたげ
走れトロイカ
今宵は 楽しいうたげ
もともとは小学校の教室でやる予定でしたが、ここはめぐみの家の居間なのできゅうくつなのですが、男子達が馬になって、女子が後ろで手綱を引いています。
エドウィンが「すごいすごい、ありがとう」と大きな拍手をくれました。
「おどろいたよ。みんなで考えたのかい。たくさん練習してくれたんだね。ありがとう」
エドウィンが感激しています。
「これまでいろんなプレゼントをもらったけど、これが一番心のこもったプレゼントだよ。とてもうれしいよ」
「それ、めっちゃうれしいと言うんだよ」と明夫が教えました。
生徒たちもめっちゃうれしそうです。
めぐみ先生もめっちゃうれしくて、ちょっと泣きそうになりました。
「エドウィン先生も、何か歌って」とそう太郎が言いました。
「エドウィン先生、うたって、うたって」とみんなが言いました。
「そうだね。何かお返しをしなくっちゃ」とエドウィンが考えています。
「うーん、大人の歌しか出てこない」
「大人の歌でも、いいじゃ」とそう太郎です。
「あ、ひとつ浮かんだ」
とエドウィン。
「何ですか」
「アニメの歌だよ」
なに、なにとみんな興味しんしんです。
「待って。それが最初の部分が出てこない」
エドウィンが一部分を口ずさみましたが、誰もそれが何だかわかりません。どうも、彼は歌が得意ではないようです。
「エドウィン先生、歌でなくてもいいです。みんなが質問して、それに先生が答えるというのはどうですか」と愛子が言いました。
「それがいい」とみんなが言いました。
というわけで、生徒の質問に、エドウィンが答えるというコーナーになりました。




