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67 テキサスのコットン畑

 サングラスなしで見上げたら目が焦げてしまうほど強い太陽の下、エドウィンとリュウノスケはどうしたらよいものかと考えこみました。

 まっすぐ進むか、戻るかのふたつの選択なのですが、どちらに行ったとしても、ガソリンが切れる前に、給油所にたどりつけるという保証は何もないのです。


 その時、反対方向から、1台の頑丈そうな黒いトラックがやってきました。細い道ですから、道をあけてあげなければなりません。

 テキサスのどこかですからね、道を邪魔していると、中からライフルをもった人が出てきて、ずどんとやられそうで怖いです。


 トラックが止まり、古いトラックから下りてきたのはショートヘアのおばあさんでした。

「どうしたんだい?」とテキサスアクセントで聞きました。


 ガソリンが切れそうなので、立ち往生していることを説明して、どちらへ行けば、ガソリンスタンドがあるのかと尋ねました。

 すると、進行方向を指さして、この道を出て、大きな通りを左に曲がり、そこから3マイルくらい行くと、左手にスタンドがあると教えてくれました。


 そう言っておばあさんはトラックに戻り、慣れた様子で車をバックさせて、ふたりの車の方向を変えさせてくれました。

 車が大きな道に出ると、後ろを運転していたおばあさんは窓から顔を出して、あっちあっちと方向を示しました。


 今度はエドウィンが運転席に座り、しばらく行くと、ガソリンスタンドが見えてきました。

 あそこだ、助かった、と思ったとたん、車が小さくぶるると震え、動かなくなりました。最後の1滴まで、ガソリンを使い果たしたのです。


 ガソリンスタンドは見えているのに、まだ200メートルはあります。ふたりは車を押して、スタンドまで行くしかありません。

 その時、車の後ろでトラックが止まりました。あのおばあさんのトラックです。途中で、ガソリンが切れるのを心配して、ついてきてくれたのです。


 おばあさんが加わって、3人で車を押しました。スタンドが近くになった時、おばあさんが「ハウディ」と叫んだので、そこにいた若い人が2人、駆けてきて助けてくれました。このハウディおばあさんのおかげで、ガソリンを無事満タンにすることができたのです。


「リュウノスケはよい思い出だけを覚えているから、全然こらえていないんだよ。ところで、ガスはあるかな」

 えっちゃんは身体を曲げて、ガソリンメーターを覗きこみました。


 顔がすぐ近くにきた時、ふたりの目が合って、

「まだあるね」

 えっちゃんがめぐみの頭を撫でました。

「どしたん?」

 急にどこかの方言がでてしまいました。

「ちゃんとガス(ガソリン)がはいっていて、えらい」

 



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