表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/85

39 ハッピーな話をしてください

 今日で二学期の授業はおしまいで、明日が通知表をもらう日です。

 さいごは理科の授業で、トリを飾るのは明夫くんです。


 明夫の家は農家です。

 物置や畑にクモはたくさん見かけるのですが、ある日、お腹の下から糸を出して、枝にぶらぶらとぶらさがっているクモを見つけました。

 そのクモは明夫の目の前で、突然、風にのって、別の枝にピューンと飛び移ったのです。


「まるで、スパイダーマンだった」と明夫が言ったので、「こっちが本物のスパイダーじゃろ」とそう太郎が言って、みんなが笑いました。


 明夫がクモは次はどうするのだろうと思って見ていると、今度はまた糸を出して、もとの枝に戻りました。そして、真ん中でやってきて、今度は糸を伸ばしながら下に行きました。クモは休むこともなく、まず枠組みを作り、それから時計と反対周りで、巣を編んでいきました。


「クモは学校で先生から習うわけでもないし、教科書もないのに、どうしてあんなことがわかるんじゃろ」


 クモの巣が完成するまでの1時間あまり、明夫はずうっと観察していました。


 そして、それを絵に描いてめぐみ先生のところにもって行ったのです。すると、先生がとてもほめてくれました。そして、これはすばらしい自由研究なので、クラスの前で発表しましょう、ということになったのでした。

 今日がその発表の日でした。


「おまえ、ずうっと見ていたんか」とそう太郎が驚きました。

 みんなもすごいすごいと言いました。


「みなさんも、何か発見したり、疑問に思ったことを調べたら、わたしにみせてくださいね」とめぐみ先生が言いました。


「わたしも、調べてみるじゃ」とれいかが言いました。推理が得意なれいかですから、きっと誰もが驚くような発見があるでしょう。


「わたしも」とくるみです。

 くるみはこのところ、とても積極的になりました。みんなが自分も自由研究をして、先生にみせると言いました。

「うれしいわ。とても楽しみです」とめぐみ先生が喜びました。


「アー・ユー・ハッピー?」とれいかがきき、「イエス、ベリー・ハッピー」と先生が答えました。

 みんなも「ベリー・ハッピー」、「ベリー・ハッピー」と言いました。


「じゃ、先生、何かお話をしてださい」と愛子が言いました。みんなの瞳が輝いています。


「そうねぇ、どんな話がいいかしら」

「アメリカで、一番、ベリー・ハッピーだった時の話はどうじゃ?」とそう太郎が言いました。


「さんせい。前に泣いた時の話をきいたから、今度はうれしい時の話がいい」と和歌が言いました。

「先生、そんな話、ありますか?」と愛子です。


「あるある、ありますよ。とっておきのがあります」

 めぐみ先生の瞳がきらきら輝いていました。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ