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サンダース子爵家

「あらあら!可愛らしいお嬢さんね。私はリディア・サンダースよ。これから3ヶ月ほどの間になるのかしら?宜しくね。」とさっと手を差し出されたので握手をした。年相応のよく使い込まれた温かい手だ。



年の頃は50代と言った所かしら?丸い眼鏡をかけブラウンの癖毛に碧眼の可愛らしい雰囲気の奥様だった。


「私の名前はフローレンスです。トリニティから来ました。これから暫くお世話になります。お部屋にいる時でしたら何かとお手伝いをさせて頂きますので気軽に声をかけてください。」と一礼した。自分が伯爵家である事は伏せて置いた。



「まぁ頼もしいわね。じゃあこちらへどうぞ。」と屋敷の中へ案内された。屋敷の中も重厚な作りになっていて梁1つ取ってもこの家の長い歴史を感じさせた。


「ここよ、此処がこれから貴方が暮らす所よ。」と案内されたのは離れだった。屋敷と同じで古いけどよく手入れされており、この屋敷の女主人であるリディアさんの勤勉な人柄が分かる。


ここの離れはフローレンスの実家と間取りとほぼ同じで嬉しくなった。

更にフローレンスを喜ばせたのはここにも箱庭があったのだ。ただ残念だったのはあまり手入れがされて無く随分と寂れ荒れた様子だった。


「リディア奥様、こちらは箱庭があるんですね。」


「まぁ、よくご存知ね。」


「はい、私の実家にもありますし庭を手入れするのは元々好きなんです。」


「まぁ、良かったらうちの箱庭も手入れして貰えると助かるわ。もしお花を入れるなら言ってね。業者を呼ぶわ。」と言って貰えた。


「あっ、そうだわ。これから荷物を入れるのね?人手を出すわ。ちょっと待ってて、息子を呼んであげるわ。」


「リック!リック!ちょっとこっち来て。」と奥様がお屋敷の方へ声を上げると「何だよ。お袋。」と出て来たのは20歳ぐらいの男の人だった。


「リック、こちらは教会の壁画のお手伝いに来られたフローレンスさんよ。荷物を降ろすからお手伝いしてあげて。」


「すいません、リックさん。私はフローレンスと言います。しばらくこちらへお世話になります。どうぞ宜しくお願いします。」と挨拶をした。


「こちらこそお世話になります。リック・サンダースです。宜しくお願いします。」とにっこり笑ってお母様と同じ様に手を差し出されたのでその手を取り私も握手をした。


「フローレンスさん、荷物はどちらに?」と聞いて来られたので「まだ教会にあります。馬車を待たせてるのです。これからこちらへ回って貰いますのでリックさん、しばらくお待ちいただけますか?こちらへ馬車をつけ次第声をかけますね。」と一旦屋敷を出て教会へ戻った。


「すいませんお待たせしました。」と馬車の御者に一声かけてサンダース家へ馬車を回して貰った。



「リックさんお手伝い頼めますか?」と声をかけると「分かりました。じゃあ重たい物は僕が運びますので小物はフローレンスさんが運んで下さい。」と荷物を下ろして離れへ運び始めた。とは言ってもそこまでの大荷物でも無いのですぐに終わった。


馬車の御者には気をつけて帰る様に伝えて帰らせた。


「リックさんありがとうございました。」とお礼を言うとニコッと笑って「また、何かあったら言いなよ。」と言ってくれました。



あらかた荷物を片付けて、離れに鍵をかけ一旦教会へ戻った。マックさんが居たら原画を見せて貰おうかと思ったのだ。


教会へ入りカーネルさんにマックさんはどこにいるか聞くと「ああ、フローレンスさん彼はもう帰りましたよ。そこの木箱の中の絵の具を見といて欲しい。って伝言貰ってます。」と言われたのでマリア像の近くに置かれてあった木箱を見た。


たぶん絵の具を見といて貰おうと言った所なのだろう。パッと見た感じは明るめの絵を描くつもりなんだ。とぐらいしかわからなかった。ひと通り絵の具をチェックした。



絵の具をチェックしていたらちょうど5時だったので、カーネルさんに「今日は帰ります。明日から宜しくお願いします。」と会釈して教会を後にした。途中サラさんにも出会ったので

「明日から宜しくお願いします。」と同じ様に会釈した。



サンダース家へ帰ると奥からリディア奥様が出て来られ、「フローレンスさん、お帰りなさい。もうすぐ夕食ですよ。」と声を掛けられた。

「はい、わかりました。一旦離れに戻って着替えてきますね。」と答え離れに戻った。



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