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クラルスと従魔契約




『やっと起きたか。』


目のばっちりと合っている


ねこ?の凛々しく落ち着いた声が頭に響く、


念話ですか…能力持ちのようですね…


まぁ、驚きはありません、


なんせ目の前のねこは普通のねこじゃないのですからね、


伏せている状態でさえ座っている私と同じ大きさなのです


大きいですね〜


ロイヤルキャット、ロードキャットと呼ばれる種族ですね。


括りとしては魔獣とされていますが地方によっては神聖な生き物として信仰されていたりする、


とても強くて珍しい種族ですね。


それに加え長命で高い知能、智恵を有していると。


能力を持っていても不思議ではありません。


「えぇと、起こして頂いたようで…ありがとうございます。


もしかして…寝ている間に感じたふわふわしていたのは…」


『我だな』


「や、やはり…失礼致しました。


私はフィーリア・レーナ・アウストラリスと申します。」


『おお、アウストラリスということは隣国の王女か、それもフィーリアと言うことは一番まともで出来がいいと言われている娘だな、』


「さすがですわね……その通りです。


それにしても一番まともとは…その通りですが…


それにしても何故このような街中に…?」


『それはフィーリアが我に抱きついて離れなかったからに決まっておるだろう

我は散歩していただけだというのに…』


「そ、それは…」


『我に敬語は不要だ、』


「わかりました、


日も暮れてしまっているのでそろそろお屋敷に戻らなくてはなりません、


あなたもご一緒に?」


『そうだな、どれ』


ぼふん


私の姿に…


素晴らしい変装技術ですわね……


私自身でもでもなかなか見分けが…


「素晴らしい変装技術ですね…」


『我にかかればこのような事朝飯前よ、』


人に変装…といいますか擬態?をしていれば念話では無く普通に話せるのですね、


それも私の声で……不思議ですね、、



ふぅ、思っていたよりお屋敷まで遠いですね…


本当に王都の、それも貴族街の高級地とは思えない贅沢なお庭ですね〜


そして何故私は息が切れているのに彼は何ともないのでしょうか?同じ体では無いということでしょうか?つくづく不思議ですね〜


それにしても少し急いだだけで息が切れてしまうとは…体力はあると思っていましたが…ゆっくりと歩くのと早足で歩くのではまるで違うのですね…ふぅ、



お屋敷の近くまで行くと執事さんの一人が慌てて走り寄って来ます…


私が遅くなったのとロイヤルキャットの彼が見当たらずご心配をお掛けしてしまったのでしょうか?


執事さんのお話によるとお屋敷では先程私が居ないことに気付き城から帰ってきたウィルトス様とウェルトスさん含め大騒ぎになっていたそう…


それだけ話すと直ぐにお屋敷に走って行ってしまったので私達もお屋敷に向かいます、


……?ロイヤルキャットの彼は…?探していたのでは…?てっきり侯爵家に住んでいるのかと思っておりましたが…


そう言えば今までお屋敷で一度もお会いしませんでいたね…


いえ、ちょうど会わなかっただけかも知れませんし…まだ私も来てから4日ですしね。


ロイヤルキャットが居ると知られれば侯爵家とはいえ面倒事が起こりそうですしね…


内密にするのも納得ですね、


そうでなければ街中にロイヤルキャットが居るなんて信じられませんしね。


ですが大きさといい尻尾が2本ある事といいロイヤルキャットなのは間違えなさそうですね。


そしてお屋敷の玄関が見えてくるとそこにはウィルトス様とウェルトスさんの姿が。



「フィ、フィーリアが二人?!


大丈夫なのか?!無事なのかフィーリア!!」


ウィルトス様は私がフィーリアだと分かるようですね…?たぶん…。


姿も装いも同じ私たちが並んでいるのに私の方を向いて話し掛けて来ていらっしゃるのでたぶん分かっているようですが……


それより…


「ご心配をお掛けしてしまったようで申し訳ありません…


お庭をお散歩していたら気持ちよくて…


私ひとりでしたらまだ寝ていたでしょうが……


彼が起こして下さって、」


『フィーリアが我を離さなかったからだ 』


「そ、それはあなたがふわふわで気持ち良かったのですもの…無意識に…」


「……彼?」


………?


「ええ、彼です。今は私の姿に変装…擬態?しておりますが」


侯爵家に住んでいるのでは……?


変装出来ることを知らなかったのでしょうかね…?


たしかにこれ程の擬態を出来る者はなかなかいないでしょうしね、むしろ沢山いたら犯罪し放題で大変な事になってますね、


このロイヤルキャット程の智恵、才智を持っているなら隠していたとしても納得ですね。


『お主我を抱き枕にしおって…』


「わ、私がひとりで寝ていたところにやってきたのはあなたでしょう?!あなたも満更では無かったはずです!」


『 たしかにお主と寝るのは悪くなかったが…』


「そうでしょうそうでしょう、一緒になってこんな日が暮れるまで寝ていたのです、私だけの責任では…」


『 何を言っておるのだ、我は何度も起こしたのにお主が何時までも起きないからだろうに』


「そ、それはあなたの寝心地が良かったからで…」


『 悪い気はしないな。もっと褒めて良いぞ?』


「温かくてお日様の香りがしてふわふわのあなたが悪いのです!私を誘惑して虜にしたあなたが!!」


『 ふははははは』


「くっ!」


「………フィーリア、それでその方は?」


………、


「そう言えばあなたのお名前は?」


『ふはははは我が名はクラルス、清浄と明かりを司る者なり。』


「まぁ……、」


何かを"司る"者はとても高位の存在であり、神の代行者とされ信仰の対象でもある。その"司る"ものが二つも………


あの場所があそこまで澄んでいて居心地が良かったのも納得ですね。


何かを"司る"者はその効果を辺りに及ぼすと聴きますからね、さすがですね。


「クラルス様、とお呼びした方がよろしいでしょうか?」


『やめよ、フィーリア、敬語は不要だと言っただろう』


「ふふっ、そうでしたね、クラルス様?」


『フィーリア?』


「少しくらいいいじゃないですか、


それにしても不思議ですね〜


私は話している時こんな風なのですね、」


『本人ではなかなかな。これも我の技術のなせる技だがな!』


「そうですね、それは認めますが…


変装…擬態?していない本来の姿が一番だと思いますよ?」


『それはそうだ!我の自慢の毛並みだからな!お主が虜になるのも無理はない。』


「くっ!!」


そう言うと一瞬で本来のロイヤルキャットの姿に戻る、


白銀の美しい、惚れ惚れとする光の輪が浮かぶ毛並みに2本の緩やかに流れるような尻尾。そしてずっと見続けたら吸い込まれてしまいそうな左右の瞳。


そして……先程の大きさとは違い今度は私でも抱き上げられる程の小ささに……


か、かわいい……!


思わずクラルスを抱き上げて抱きしめてしまう……


気持ちいいですね〜


ふわふわのすべすべですね、


はぁ、思わずため息が出てしまいますね〜


これは反則ですね。


『こ、こらフィーリア!くすぐったいぞ!』


「あなたがかわいらしいのがいけないのですよ?それにこの毛並み……あなたがいけないのです。」


もふもふ


ふわふわ


な〜でな〜で


『フィ、フィーリア!降参だ!止まるのだ!フィーリア!』


ゴロゴロ……にゃご〜ん!


あらあら


『フィ、フィーリア、ゴロゴロ』


ふふふ…かわいいですね、


しかしこれ以上は拗ねられてしまいそうですね、


しょうがないですね、解放しましょう。


『ふうぅ、フィーリア!お主なんてことするんだ!戻ってこれなくなるかと思ったぞ!』


「ふふふ、とても愛らしかったですよ?」


『我には凛々しい雄々しいが似合うのだ!愛らしいとはなんだ!』


「あら、今のあなたは凛々しい雄々しいより愛らしいが一番似合いますよ?」


『な、なにを………むっ?』


一瞬私の右手とクラルスの胸元が淡く光ったと思ったら……


『む、、、これは従魔契約の紋様だな。』


「従魔契約ですか?私は使えませんが……?」


『従魔契約とは人間が術を使って強制的に魔獣や魔物、動物を従えるものと、お互いの心が繋がった時に自然と発現するものがある。今のは後者のようだが……本当だったのだな……』


「そ、そうなのですか…?初めて知りましたが…


ではこの紋様が従魔契約の…?」


『あぁそうだ、ただこの模様は人によって違うそうだ。そして同じ模様は一つとして無いそうだ。


なかなかな良い模様で良かったな。


まぁこの模様は従魔契約した者たちの関係や心を現すと言われているからな、我の影響もあるだろうな。』


模様は丸いレース編みの様な細かく美しい形をしている。


それが私の右の手首の内側に手首の幅より少し小さい位の直径の大きさでクラルスの毛並みとおなじ白銀色をしてうっすらと浮かび上がっている。


そして同じ模様がクラルスの胸元にも……


本当に従魔契約がなされたようです、





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