お菓子作りと不愉快な人
ふぅ、やる事が沢山ありますね……
ですがそれは明後日からです。
あくまで私は、ですが…
お屋敷の方々は皆さん忙しそうですし……
昨日お屋敷に来た時の静かさとは正反対ですね。
今日はウィルトス様は王城で王太子殿下のお守り…いえ、補佐でしたね、補佐。
彼のお仕事ですね、
そしてウェルトスさんはお城勤めの文官さんだそうでお城へ出勤されました。
そう、、なのでこのお屋敷にいる使用人以外の異物、する事がない人、それがこの私フィーリアです。
皆さんが私達の結婚式の為に忙しくしている中何もしていないのは居心地が悪いですし申し訳ないですからね……
ですが慣れない私がお手伝いしても気を遣わせてしまい返ってお邪魔することになってしまいますからね…
そうです!お菓子作りでもしましょう。
焼き菓子が良いでしょうかね…?
休憩の時にでも食べて頂ければいいですね、
食べやすいものがいいですよね…ふむ、
厨房の場所を聞き向かうと、料理人の皆さんが様々な種類の料理の試作をなさっていました、
お邪魔にならないように隅っこで作って焼く時にオーブンをお借りましょう。
料理長さんと思われる方にたまごと濃厚な固形牛乳、お砂糖、穀物の粉、そして木の実や干した果実、果物の砂糖煮、紅茶を使う許可を頂くと厨房の隅をお借りして作りはじめます、
まずは濃厚な固形牛乳とお砂糖、穀物の粉の分量を測って…
次に濃厚な固形牛乳を…もう柔らかいですね、
お塩は…いいですかね、
固形牛乳にお砂糖を少し入れて〜
まぜまぜ〜まぜまぜ〜
意外と力が要りますよ〜っと、これくらいでしょうか?
もういちど残りのお砂糖を入れて〜
まぜまぜ〜まぜまぜ〜
そこによ〜く混ぜた、た・ま・ご を少し、
とくとく〜
まぜまぜ〜まぜまぜ〜
とくとく〜
まぜまぜ〜まぜまぜ〜
とくとく〜
まぜまぜ〜まぜまぜ〜
穀物の粉は〜、ふむ、ザルでもお借りしましょうか、
サラサラになった穀物の粉を〜すこ〜し入れて〜♪
まぜまぜ〜まぜまぜ〜
ザクザクと〜
またまた入れて〜
サクサク〜
まぜまぜ〜まぜまぜ〜
はい、最後のお粉を入れまして〜
まぜまぜ〜まぜまぜ〜
5分の1ずつを別の容器2つへ移して〜
片方の容器には木の実を入れて〜まぜまぜ〜
もう片方の容器には細かくした紅茶の茶葉を入れて〜まぜまぜ〜
それらをそれぞれ紙に包んで棒状に〜
太さは人差し指と親指で輪っかを作ったくらいに〜
ふぅ、皆さんに!と張り切って多く作り過ぎたのでしょうか?
たしかに前に作った時の倍以上の量で作りましたが……
腕が疲れてしまいましたね……情けない……
まぁ、しばらくは休憩ですね、保冷庫をお借りしてしばらく冷やしましょう。
ふぅ、しばらくお借りしているお部屋に戻りましょうか、
ここに居てもお邪魔ですしね、
私がお借りしているお部屋は所謂客間ですね、
なので装飾品が邪魔にならない程度ですが多く置いてあるように感じますね。
セルスさんやセリスさんの見たてでしょうか?
どれも良いものが置いてありますね、
そして…客室に大きめの本棚があるとは…
さすが侯爵家と言った所でしょうか?
本の値段は高いですからね…多くの本を所持しているのは高位貴族位なものですし、それを客室にこれ程並べられるとは…
あら、『 リビティウムの風土と植生 』ですか、気になりますね……
はっ!いけないいけない、夢中になってしまいましたね……しかし面白いですね、隣国なのにこれ程違いが多いとは……まぁ、そうですよね、
学ぶことは沢山ありそうです。
気を取り直して厨房に向かい手を洗い前掛けをして…よし、準備完了ですね
保冷庫から先程棒状にして冷やした生地を取り出して〜
薄くナイフで切っていきます。
一種類はそのまま〜そこに溶いた卵黄をハケで塗って〜
もう一種類は干した果物を小さく切って載せて行きます
もう一つは中央を凹ませて果実の砂糖煮を少々〜
木の実を混ぜ込んだものと紅茶の茶葉を混ぜ込んだものはそのまま〜
な・ら・べ・て
焼きます〜!
じゃんっ!ではお味見を…おぉ我ながら良い出来ですね〜
しかし物凄い量になりましたね〜
ですがそれで良いのです!
それを…蓋のできる籠2つへそれぞれ入れて〜
片方の籠は持ち手があり、もう片方は持ち手はありません、
持ち手の無い方の籠をセルスさんやセリスさん含め使用人の方々が休憩なさる場所へ
焼き立てのお菓子です。休憩の時にでも皆さんで召し上がってください。
と書いたお手紙を添えて置いておきます、
セルスさんとセリスさんに街に行く旨を伝え……
持ち手のある方の籠を携えて、いざ街へ!
ふふふっ、ついつい盛り上がってしまいましたね…
セルスさんとセリスさんから護衛やお供をと言われましたが、お断りしました。皆さん忙しいのですからね、余計なお世話は掛けられません。
それに街へは昨日行きましたからね、私、道を覚えるのは得意なのです。
道が全く覚えられない兄上とは違うのです。
何故あんなに迷うのですかねぇ……不思議です。
そろそろ昨日の果物などを下さった方々のお店の場所ですね、
おぉ、ちょうど昨日の奥様方もいらっしゃいますね…どうやら私は運か良いようですね〜
奥様方もいらっしゃると良いなぁと思っていたのですから
近くまで行くと奥様方が私に気付いたようですね、
「こんにちは、昨日はありがとうございました、」
「あら、昨日のお嬢さんじゃないかい」
「ただのお嬢さんじゃないぞ、王女さんだぞ、」
「それもおかしいわよ?」
「言うなら王女殿下よ、さんじゃ付けても意味無いわよ?」
「そ、そうなのか?」
「そうじゃぞ〜」
「い、いえ、普通に接して頂けるとありがたいです、」
「そうか!分かった!」
「そう仰るならねぇ」
「そうねぇ、これで無理に変な言葉で喋ってたら話になんないわよねぇ」
「そうね、」
「そうじゃのぉ」
「そうだな〜」
「随分と変わったお嬢さんだねぇ」
「だなぁ」
「そ、そうでしょうか……?」
私また何か変な事を…?!やはりどなたかに一緒に来てもらえば良かったでしょうか……
「まぁ変わってるが俺たち庶民からすれば、お嬢さんみたいな方が気楽でいいがな」
「そうねぇ特にあんたなんて敬ってんだかよくわかんないからねぇ」
「俺は悪くない!」
「はは、でもそうね、珍しいけど嫌じゃないわね」
「そうじゃのう、わしもその方が気楽じゃの」
「お貴族様が来るとみんな慌てて取り繕うからねぇ言葉がおかしいんだよ」
「見てるこっちが笑っちまうよな」
……そ、そうなのですね……珍しいけど、悪いことでは無い、と。良かったですね…これからは何かする前に一度考えてからの方が良さそうですね
「そうでした、昨日お世話になったのでお礼にお菓子を焼いて来たのですが……良かったらいかがでしょうか?食べやすいものにしたのですが……」
「あら、このいい香りはその籠からだったんだね」
「お〜美味そうだな!」
「ご相伴にあずかろうかの」
「おっ、爺さんだけずるいぞ」
「私も頂こうかねぇ」
「どれ私も」
「あたしも頂くわねぇ」
……良かった…皆さん食べてくださるようです、
「美味ぁ!」
「ほんとに、美味しいですねぇ」
「ほぉこれは見事じゃのう」
「美味しいわ!」
「こんなの初めて食べたぞ!」
「俺もだ!」
「あたしもよ、美味しいわねぇ。これは木の実かしら?」
「はい、そちらは木の実を混ぜて焼いたものですね、他にも卵黄を塗って焼いた素朴なものや紅茶の茶葉を混ぜたもの、果物の砂糖煮や干した果物を載せて焼いたものがありますね、」
「そんなに沢山作ってくれたのね…」
「ほぉお そりゃすごいな」
「どれも美味いな!」
「王女さんは料理が上手いんだな!さすが貴族だな〜、なんでも出来るんだな!」
「何言ってんのさ、そもそもお貴族様は料理なんて作らないし作れないんだよ?お嬢ちゃんは特別だよ?」
「儂らは今お貴族様どころか王族様の手料理を頂いておるのじゃぞ〜」
「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」
「そうだったわね…」
「死ぬまでに王女さんの料理食べられるなんて お貴族様でも無いだろうねぇ」
「威張り腐ってるお貴族様でも無理なのか〜」
「あたし達物凄い経験をしてるんだねぇ」
「あんまり実感無いけどなぁ」
「まぁねぇ、、私ら相手に普通に話す貴族も珍しいしね」
「ましてや菓子まで焼いてきてくれるんだもんな」
「そうだよね…」
「実感わかないけど王女さんなんだもんな…」
「王族様とお話しするなんて普通の貴族ではなかなかないじゃろうからのぅそれが平民となれば尚更のぉ」
「だなぁ」
「そうよねぇ〜」
「まぁ、俺たちは幸運って事だなっ!美味い菓子にも、まともなお貴族様にも出会えた!」
「そうね」
「そうじゃのう」
「そうよねぇ」
「ははは!なんかおかしいな!」
「そうねぇ!」
「お貴族様と普通に喋ってらぁ」
「あはははは」
「ははは」
「ふぉっふぉっふぉっ」
「ふふははは」
皆さん楽しそうで何よりです、それに美味しいと喜んでくださって良かったですわ〜
すこし緊張していたのがなんだかバカらしくなりますね……ふふふ
「なんだ下賎な庶民の癖に笑いやがって、頭が高いぞ?貴族の私が居るんだ!さっさと這いつくばれ!庶民共め!!」
突然現れた随分と偉そうなもの言いの貴族に談笑をしていた奥様方やお店の方々が静まり返る、
どこのどなたか存じませんが、よくも楽しい空気を台無しにしてくださいましたね?
わたくしだって怒る時は怒りますよ?




